Android端末の憂鬱。消えていく交換可能バッテリー、超大画面(幅80mm以上)、microSDスロット

 自分は2009年にスマートフォンを使い始め、メインもしくはサブとして使った端末は18機種になる。平均して10ヶ月に一回はメインかサブスマホを買い換えていたことになる。
 それらの買い替えの中で「この機能はどうしても必要」というものがいくつかあった。本記事ではそれについてくどくどと述べ、今回どうしてスマホを買い替えるに至ったかの説明の補助としたい。

[推敲度 5/10]

(このブログ記事はシリーズ「9800mAh OUKITEL WP21へ至る道」の第2回目です。全5回予定)rekidaikeitai003.jpg

[自分がスマホに必須だと思っていたこと]

1.テザリング(モデム機能)が出来ること。
2.バッテリー交換(取り外し)が出来ること。
3.外部メモリ( microSD)が使えること。
4.〔メイン機種〕大画面であること。横幅80mm以上が理想。
5.ハイスペックであること。
(6.通知ランプ(通知LED))

[各要望詳細]

1.テザリングが出来ること

 自分がスマートフォンを導入したのは以下のブログ記事に書いたように
「外でモバイルパソコンでインターネットをするためにテザリング(当時モデム機能)を使いたい」
「携帯音楽プレーヤーとして使い、パソコンで使っているプレイリストと同じものを使いたい」
というものであった。

・イーモバイル端末の中でBluetooth接続モデム使用と音楽再生に適した製品は?/モバイルネット3: ハマる生活

(「京ぽん2の後継機種が出ない!」からの続き)  重宝してきたウィルコム端末京ぽん2ことWX310Kの後継機種が出たら、特にBluetooth付きの機種が出たらそれを買う可能性はかなり高かったのだが今年2008年中にはそれが出そうにないことが決定的になった。  そうこうするうちに一ヶ月後にイーモバイルの契約更新が迫って...
・薄くて小さいTouch Diamond(S21HT)をモデム・音楽目的で買った!: ハマる生活
 モデムと携帯音楽プレーヤー目的でイーモバイル端末を物色し始めたことを以前の記事で書いたが、先日その中から TouchDiamond(S21HT) にすることを決め、購入した。本記事では購入の決め手と(ちょっとだけ)初期印象(ファーストインプレッション)を書いたものである。 [最近は持ち歩きのモバイルパソコンで音楽...
・TouchDiamond(S21HT)でのBluetoothモデム(BT-DUN)接続は素晴らしい!: ハマる生活
https://blog.stakasaki.net/article/200901article_11.html

 テザリングという言葉は当時、定着・広まっておらず、モデム機能などと呼んでいたが以下はテザリングという言葉を使う。

 上記ブログ記事のようなわけで、自分にとってはスマートフォンを使う2大目的の1つがテザリングだったので、テザリングが使えることは必須なものだった。当時、テザリングにはBlutoothテザリングとWiFiテザリングがあったが、省電力としてはBluetoothテザリングが優れていた。BluetoothテザリングにもPAN方式とDUN方式があり、スマートフォン側を操作しなくて良い方式としてBT-DUNの方が優れていたように思うがBT-DUNの方式がついているものはほとんど見かけなかった。

 当初はスマートフォンもテザリングが出来る機種と出来ない機種があった気がするが、幸いなことに、その後はスマートフォンではテザリング出来ることが当たり前になった。テザリング機能がついていることはもはや確認する必要もなくなった。

2.バッテリー交換(取り外し)が出来ること。

 上述した、自分がスマートフォンに求める機能「テザリング」「音楽プレーヤー」という使い方はバッテリーをかなり消費する。それ以外にも自分はスマートフォンをいろいろな機能で使う傾向にあった。そのため当初からバッテリーが1日持たないことが頻繁に起こった。

 携帯電話のあとで登場したスマートフォンは、携帯電話がそうであったようにバッテリー交換(バッテリー取り外し)がユーザーにより可能なことが一般的だった。よって自分はバッテリーの予備を2つくらい持つことにしていたし、携帯電話会社も端末の発売早々バッテリーを発売していた。バッテリー交換可能な機種はバッテリーをたくさん持てばそれこそ無限に使い続けることが出来る。
「スマートフォンは携帯電話と違い、バッテリーがすぐ減る」
そういう評判だったが、予備バッテリーを必ず持っていた自分は不満には思わなかった。
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 ところが2012年頃から雲行きが怪しくなっていく。すなわちバッテリー交換、取り外しの出来ない、時にバッテリー内蔵などと呼ばれるスマートフォンが徐々に登場し始めた。実際、私は発売を楽しみにしていた機種
HTC J butterfly HTL21
がバッテリー交換不可なのを知り、購入を諦めたことがあり、そのことをブログ記事に書いている。

・私がHTC J butterfly HTL21を諦めてLG製Optimus G LGL21にした理由: ハマる生活
https://blog.stakasaki.net/article/201210article_3.html

 この頃からバッテリーが交換できない機種が増え始め、2015年にはバッテリー交換が出来ないものが多くなる。2015年3月にはAndroidの代表格であるGalaxyシリーズでバッテリー交換が出来なくなった衝撃を自分は記事にしている。

・Galaxy S6の衝撃:バッテリー交換可能、取り外し可能スマートフォンは消滅するのか?: ハマる生活
https://blog.stakasaki.net/article/201503article_1.html

 バッテリー交換不可になった流れには、防水防塵性能を上げるためというのが言われたが、スマートフォンの歴史の中で変革をもたらしたApple製のiPhoneが一貫してバッテリー交換不可だったこともあると考えられている。私は嫌Apple派だが、このバッテリー交換不可という仕様もiPhoneの嫌いな所だった。二葉亭四迷。

 このような、バッテリー取り外し不可になる世の中の流れには私は心底がっかりした。バッテリーが交換できなくなったが、さりとてスマートフォンの使用可能時間が著しく延びたわけもなかった。そんなわけで、バッテリー内蔵タイプのスマートフォンが増えいく中でも当初はバッテリー交換可能機種に拘っていたが、2018年にハイスペック・ハイエンドなスマートフォンに買い替えようとした時にはもはやバッテリー交換可能(ハイエンド)機種は「絶滅」していた。

 結局、メインスマホでバッテリー取り外し可能機種を続けることは諦めた。ただ私は2010年以降スマートフォン2台持ちだ。メインスマホはバッテリー交換不可でもサブスマホは2023年の今でもバッテリー交換可能なものを選んでいる。 

 なお、バッテリー交換可能機能は過去の遺物というわけでもない。欧州連合EUはエコロジーの観点からバッテリー交換不可は望ましくない製品だとみなし、スマートフォンのバッテリー交換可能義務化を検討しているという。

・スマホブランドは取り外し可能なバッテリーの搭載を義務付けられる可能性 – iPhone Mania
https://iphone-mania.jp/news-511275/

 防水性能を上げるという大義名分でバッテリー不可になった流れだが、自分は防水性能なんてどうでもいい、スマホを14年使っているが防水の機能を活用した記憶は一度もない。それよりもバッテリー交換可能の時代がまたやってくることを自分は熱望している。

3.外部メモリ(microSD)が使えること。

 SDカードはスマートフォンの記憶領域を拡張するカードである。スマートフォンは内蔵ストレージと呼ばれる記憶領域を持っているが、それを補うために取り外しの可能な外部メモリを挿入することが出来るスロットを持つことが一般的だった。
 このような外部メモリを持つことはメリットがいろいろある。
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外部メモリのメリット(その1)少ない内蔵ストレージの容量を補うことが出来る。

 記憶装置を担うハードウェアは「メモリ」であるが、CPUと同様にメモリもこの30年、少しずつ発展してきたもので、スマートフォンが登場した頃はどうしても十分な容量があるとは言い難かった。たとえば私自身、最初の頃のスマートフォンではアプリを沢山インストールするとそれだけで内蔵ストレージの容量が一杯になってしまい、動作がおかしくなったのを覚えている。

 外部メモリ(外部ストレージ)はこれを補うことが出来た。アプリを外部メモリにインストール出来るとは限らないが、内蔵ストレージにある必要はないデータは外部メモリに入れることで、内蔵ストレージに余裕を持たせることが出来た。

 特に外部メモリがスマートフォンの内蔵ストレージと比較して優れているのは、内蔵ストレージ容量は購入した時のものから変更が出来ないのに対し、外部メモリはその規格の最大容量まで交換することが出来ることである。すなわち、外部メモリ(外部ストレージ、具体的にはmicroSD)をどれくらい必要とするか分からない人は小さめのストレージ(SDカード)を買っておき、使用状況に応じて大きいものに買い直すということが出来た。また、SDカード(miniSD,microSD)の最大容量でも満足できない場合、技術の進歩によりより大きな容量のSDカードが登場することを期待することが出来た。実際、私も以下のようにmicroSDは買い替えてきている。

初めはminiSD→microSDHC 32GB→64GB(これよりmicroSDXC)→128GB→200GB→256GB→512GB

 スマートフォン本体の内蔵メモリが購入後は増やせないのはやむを得ないだろう。パソコンがストレージ(HDD,SSD)やメモリを増やすことが出来るのとはやはり違う。しかし外部メモリを使えることで、その容量を技術の進展に合わせて増やせていけるというのはなんと素晴らしいことだろう!このような柔軟性、拡張性こそが自分がAndroidが好きだったところだった。

外部メモリのメリット(その2)外部とのデータやり取りに使うことが出来る。

 たとえばスマートフォンで撮った写真をパソコンにコピーして印刷する。各種目的に使う。あるいはパソコンで持っているお気に入りの動画、画像をスマートフォンに入れていつでも見れるようにする。どんなものであれ、データをスマートフォンの外へ、あるいはスマートフォンの中に移動(コピー)したい場合、外部メモリを経由して出し入れするのが一番「速く」「早く」分かりやすい

 当初はスマートフォンのデータを無線方式で他のデバイス取りする手段がスムーズに設けられていなかった。そのような中で物理的に行き来できるカード類は分かりやすい方法だった。今は無線(WiFi、Bluetooth、クラウド)などを利用してデータをやり取りする手法が出て、自分も利用しているが、しかし速度のことを考えるをカードを介して移動する容易さには及ばない。

外部メモリのメリット(その3)前項の延長としてスマートフォンの買い替えのときに特に威力を発揮する。

 外部メモリが威力を発揮するのは前項の応用としてスマートフォン買い替えの時である。確かにハイスペック機で内蔵ストレージの容量は多くなったが、いざスマートフォンを買い替える際にはこの内蔵メモリのデータを引っ越さねばならぬ。最近のスマートフォンは引っ越しの時に新旧のスマートフォンを繋ぎデータを転送する方式があるようだ。先日、私もしようとしたが時間が時間がかかりそうでキャンセルしてしまった。

 確かにアプリのデータなどは内蔵メモリ同士でデータ移行するしかないものもある。しかし画像データや動画データなどは外部メモリに入れたまま引っ越すのが一番簡単だ。スマートフォンのカメラアプリの中には内蔵ストレージではなく、外部メモリに保存できるようになっているものもある。
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 以上のように外部メモリは柔軟性、拡張性に優れた仕様だと言えるが、前述のバッテリー交換可能な仕様と同様、徐々に外部メモリを備えない製品が登場し、特にハイエンド製品でmicroSDスロットを持たないものが増えている(2023年初め現在)。たとえばAndroidスマホの代表と言えるサムスンのGalaxy製品ではGalaxy S20、Galaxy Note 20までで、2021年に登場したS21ではmicroSDを搭載しなくなった。

 microSDスロットがなくなる流れではコンパクトにするためなどの理屈がつけられていたが、やはりApple製のiPhoneが一貫して外部メモリ不可だったこともあると考えられている。だからAppleは嫌いなんだ。二葉亭四迷。

4.(メイン機種)大画面であること(横幅80mm以上が理想)

 これについては自分も最初からバカでかいスマホを好んでいたわけではない。上述したように「音楽プレーヤー」と「パソコンをネットに繋げるためのテザリング(ルーター機能)端末」が目的だった自分としてはコンパクトなもので十分だった。

 そもそも私はモバイルパソコンを愛用していて、街中、それこそ歩きながらでもモバイルパソコンを操作していたような人間なので、(スマートフォンに比べれば)大きな画面はモバイルPCで十分だったのだ。

 しかしモバイルパソコンも徐々に大きくなり、街中で動きながら操作するのは困難になるにつれ、街中で操作するスマートフォンの役割が大きくなっていった。その結果、スマートフォンに片手で持つギリギリくらいにデカいスマートフォンを求めるようになったのである。
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写真上3機種が16:9の機種、下2機種が18:9に近い機種。
右下はGalaxy Note 10+、日本で販売されているスマホでは最大クラスの6.8インチだが
幅は旧機種6インチに及ばないことが分かる。

 特にスマートフォンは2016年~2019年前後で16:9から18:9への縦横比率変更が行われた。それにより16:9だった頃は6インチスマートフォンといえば幅が80mm以上で「デカい」という感じの端末で「ファブレット」などと呼ばれたが、18:9になると6インチ台では幅が70mm半ばしかなくなった。そしてこれが重要なことだが幅が80mm以上の「デカい」製品が世界中から姿を消した。

 ちなみに幅80mm以上の端末で、名前を轟かした機種がある。2013年発売
Xperia Z Ultra(通称「ズルトラ」)
である。幅が80mm以上どころか92mm、縦は179mm。「超でかっ!」って感じの端末で、一般受けしたとは言い難いが「一部のガジェットファンに多大な人気を博した」(Wikipedia記述より)。そして、後継機種が出なかったことから、買い替え機種に頭を悩ます「ズルトラ難民」を生み出した。私が大画面スマホに拘り始めたのはもう少しあとで、しかも後から振り返ると幅80mm半ばの機種を志向していたので、ズルトラは当時の私としてもデカすぎたのだが、その後何年かして、結局私もズルトラと大差ない大きさのスマホを求め続ける「ズルトラ難民」になる。

 覚えておくと良い、技術の進歩と製品の普及は多様性に繋がるとは決して限らない。幅80mmオーバーのスマートフォンが世の中から消えてしまったのがその顕著な例だ。

 これについてはしかし、また再び、バカでかい、ハイスペックなスマホをどこかのメーカーが出しててくれるのではないか、と期待して毎日情報を漁っている。

5.ハイスペックであること。

 自分は「ハイスペック」も大画面と同様に最初はそんなに求めていたのではない。しかし大画面のスマホは当初、必然的にハイスペックなものが多かった。また、私自身、お気に入りの動画再生やブラウザゲーム(2019年頃より)をプレイするようになり、ハイスペックなものを求めるようになった。ただ、これについてはいまでも通常の操作とお気に入りのブラウザゲームが過度なストレスなくスムーズに動けばいいかなと思っている。

6.通知ランプ(通知LED)

 通知ランプについてはランプについてはそれほど拘ったわけではないこともあり、後日の記事で言及する。

 自分がスマートフォンに求めていた必須の機能はテザリングこそ普及したものの、バッテリー取り外し幅80mm以上の大画面などはほとんど姿を消し、microSDスロット搭載の機種も(特にハイスペック、ハイエンドの中で)減りつつある。近々書くように、OUKITEL WP21に辿り着いたわけだが、これとて上で書いたような必須の機能を十分満たす製品とは言い難く、自分の中の妥協の結果である。上で書いた満たす製品が登場することを願って、日々情報を注視する毎日だ。

 (自分の)理想のスマホへの道は遠い。

最終更新日 2024年10月15日 17時03分