OUKITELというマイナーなメーカーから出ているタフネススマホ
OUKITEL WP21
は6.78インチという昨今のスマホ最大クラスの画面を持ち、何より9800mAhというバカでかいバッテリーを持つスマホだ(重量が398gであることを忘れるべきでない)。
いかにして自分はそこに辿り着いたか。
本記事はOUKITEL WP21の購入前にその仕様を検討し、購入を決意するまでの経緯を書いている。購入後の感想は後日作成予定。
(このブログ記事はシリーズ「9800mAh OUKITEL WP21へ至る道」の第3回目です。全5回予定)
前回の記事で書いたように自分の好む「仕様」すなわちバッテリー交換可能だったり、画面が7インチ以上のスマートフォン(特にハイエンド)は世界レベルで登場してくれていないのはウォッチしていた。ましてやハイエンドではmicroSDスロットもなくなりつつある。
そんなところへ、前々回の記事で書いたように使用していた
Galaxy Note10+ (plus) SM-N975C(楽天版)
のバッテリーが劣化していると感じ、代替のスマホの選定の必要性が出てきた。そうして探した所、まず目に止まったのが以下のOUKITEL製品であった。(私が買ったOUKITEL WP21とは別製品である。)
OUKITEL WP19
バッテリー21000mAh
画面6.78インチ
重量:560g
このバッテリーの容量を見たとき「こいつぁバカだ!ヘンタイだ!」と思ってしまった。(変態とは褒め言葉である。)
Galaxy Note10+ (plus) SM-N975C(楽天版)
のバッテリーが4400mAhであるが、その5倍近くあるのだから。そして重さは3倍近くある。
ここまで容量を大きいのは必要ない、と調べているうちに辿り着いたのが、その後継機種の下記(今回買った機種)だったわけだ。この機種は2022年11月に発売された。
OUKITEL WP21
バッテリー9800mAh
画面6.78インチ
重量:398g
Antutuスコア 35万くらい
・OUKITEL WP21 メーカー公式
https://garumax.com/oukitel-wp21-spec-band
上記のサイトの情報をこの機種のポイントを見ていこう。
(1)バッテリー9800mAh、、、、と重さ398g
もともと、自分がバッテリー交換可能に拘っていたのはバッテリーが尽きることを何よりも危惧しているからだった。
バッテリーが0になる心配がなければバッテリー交換などそもそも必要ない。バッテリー容量9800mAhというのは今まで使ってきたGalaxy Note10+の4300mAhの2.3倍であり、終日バッテリーが尽きる心配をしなくて済む、、、、かもしれない。
相反して起こるデメリットとして端末が重くなることがある。本機の場合、398gということで、一般のスマホに比べると相当重い。
・400gってどのくらい?肉や野菜、家にあるもので400gの目安
https://7dogs.net/2869.html
今回買うにあたり400gがどれくらいなのか、いろいろなものを持って想像してみたが、物の重さの「体感」というのは大きさや形状にも左右されると言われる。すなわち大きいものほど「重たいはずだ」という感覚があり、それに「体感」は左右される。
たとえば自分が使っているSurfaceGO(初代)は522gもあり、今回検討しているOUKITEL WP21の1.3倍あるが、大きくて薄い形状なため、持ってみて重たいとはあまり感じない。だがスマートフォンのサイズで398gとなるとかなり重たい機種であろう。
しかしもともと私はバッテリーのためなら重くなるのを厭わない傾向にあった。すなわち、バッテリー交換可能機種だった時に、通常よりも分厚いバッテリー(「デカバ」と読んだ)が非公式(すなわちサードパーティ製)で売られていて、使ったことがたびたびあった。現在写真を確認するだけで、少なくとも使用18機種中、3機種でそのような「デカバ」を使っていた。
バッテリーを優先するために重さを厭わないのは昔からだったのだ。
(2)画面は6.78インチ
今まで使用してきた
Galaxy Note10+
は画面が6.8インチ、それに比べると0.02インチ小さい。
たった0.02インチ!
前回の記事で述べたように、近年、自分は超大画面の機種を求めるようになっていたが、現在、ハイスペック・ハイエンドの最大が6.9インチ程度になっており、6.8~6.9インチがほぼ最大クラスである。
自分が今まで使ってきたGalaxy Note10+の6.8インチも他の機種と比べまくった上で最大クラスだったために2年前に決めた覚えがあるが、その時に対抗として悩んだ機種が6.9インチのRakuten BIGである。その後、大画面の機種をずっとウォッチしているが、ハイスペック・ハイエンドの機種で7インチを超える機種は(世界中で)出ていない。未だに6.8~6.9インチがハイスペック・ハイエンドのスマートフォンでは最大クラスである。
ちなみにハイエンドでなければ7インチを超える機種は(世界的には)稀にある。ただしほとんどない。
その点、OUKITEL WP21の6.78インチというのは確かに6.8インチに足りないとは言え、ほぼ誤差の範囲ではあり、すなわち現行のスマートフォンでの最大クラスと言えるであろう。勿論、自分としては7インチを越えてほしいのだが、それでも大きな画面を求めて量販店の中の右往左往した自分としてはまあ満足できるサイズだと期待した。
(3)Antutuスコア35万
実は、、、、Oukitel製品を使うのは始めてではない。Galaxy Note10+(メインスマホ13台目)の前に、7インチを超えるOukitel機種(メインスマホ12台目)を使ったことがあった。画面7インチ超えは大変満足なものだったが、性能が劣り過ぎた。
スマートフォンの性能を示す指標にAntutuというベンチマークテストの数値があるが、Oukitelの画面7インチオーバーの製品の前に使っていたのは
ASUS ZenFone 5Z(ZS620KL)(メインスマホ11台目)
でAntutuスコアは36万程度であった。ところがOukitelのその製品は8万程度であったのだ。それでも大画面に惹かれて買ってみたのだが、さすがに36万→8万というスペックダウンはキツすぎた。画面に満足しつつも、各種の処理の遅さに耐えられず(メインスマホ12台目)、約半年は使ったが、Galaxy Note10+に買い換えた(メインスマホ13台目)という経緯があるのだ。
今回のOUKITEL WP21はAntutuスコア35万だという。Galaxy Note10+(メインスマホ13台目)が60万なのに比べるとスペックダウンになる。Galaxy Note10+はリリースされたのがすでに3年半前(2019年夏)になるというのにさすが天下のGalaxyである。
Oukitelはもともとスペックを落として低価格の端末を作ることを得意としていたようだ。上述したようにAntutuスコアは惨憺たるものだ。しかしその中でもWP21は最高クラスを誇る。
・OUKITEL Antutuベンチマーク、スマートフォンのフルランキング 2023
Antutuスコア35万というのはGalaxy Note10+の前に使っていたASUS ZenFone 5Z(ZS620KL)と概ね同じように見える。その機種にストレスを感じた覚えは全く無かったので、それと同程度ならば許容できるのではないか?
いやいや、しかしそれも3年前である、状況は違うのか。特にGalaxy Note10+のAntutu60万を使っていた身からすると苦しいのでは?と、あれやこれや悩み始めたのである。
(4)充電能力65W
バッテリーの容量が大きいだけで、充電速度が遅いと不便なことがままある。ところがOUKITEL WP21は充電速度が65Wだという。この65Wがどれくらいすごいかというと、以下の3年前の記事(2019/11)で、Galaxy Note10+の充電速度が45Wだったことからその1.4倍である。
・【山田祥平のRe:config.sys】とにもかくにもType-C、Galaxy Note 10+が示す急速充電の方向性 – PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/config/1217555.html
この記事が書かれた1年半後に自分は記事中のGalaxy Note10+を使い始めることになるが、そこで45Wの威力を痛感することになる。すなわち体感としては1%/分以上の充電速度があった。OUKITEL WP21の65Wがどれほどのものかわからないが、容量は多いけど充電速度が遅すぎるという不満は出ないことを期待したい。、
(5)5Gではなく4G
通信速度の世代が現在はLTEと名付けられた4G(LTE)が主流だが、すでに2020年に5Gが登場し、広まりつつある。3Gは役割を終え、KDDI(au)は2022/3にすでに停波、今後はソフトバンクが2024/1、ドコモが2026/3の停波の予定となっている。
今回のOUKITEL WP21は5Gには対応しておらず4Gのみである。最新の機能を使えないのは残念な思いもあるが、正直、4Gの速度で特に不満は感じていない。5Gになるとバッテリー消費が大きくなるという話もある。
自分は3.5GのWiMAXが非常に不満で、4Gの登場時には心待ちにした経緯があり、ブログにも書いている。
・待望のau LTE Androidスマートフォン Optimus G LGL21を使った感想: ハマる生活
https://blog.stakasaki.net/article/201211article_2.html
だが繰り返しになるが4Gには不満を感じたことはほとんどなく、5Gの必要性を感じていない。4Gが3Gのように停波になると困るが、4Gはまだまだ主力でその停波は5Gの広がりによっても変わってくるだろうが、4Gは2030年頃までは使えるだろうと思われる。今回の機種がどんなに気に入るにしても7年後の2030年頃まで現役で使い続けることは考えられないだろう。
自分の14年間のメインスマホの使用年数は実績平均1年、今回の目標は3年としているくらいなのだから。
参考:「3G」とは何だったのか、停波を機に振り返る | 日経クロステック(xTECH)
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01977/031600003/
(6)有機ELではなくIPS液晶
その昔、スマートフォンや携帯電話の「画面」は全てが「液晶」だと思っていた。今でも「画面」の意味で「液晶」と言ってしまうことがよくある。だが、「液晶」というのは画面(ディスプレイ)の一方式で液晶でない画面の一つが有機EL(有機エレクトロルミネッセンス)だという。
素人には液晶と有機ELは区別がつかないと思う。有機ELは省電力だという。
だが両者を見分ける方法がある。液晶であるが、「真っ黒」な画面でも、暗闇の中で「点灯」しているのを見たことはないだろうか。すなわち液晶の「真っ黒」は「真っ暗」ではない。「黒」を表示するのにも点灯を必要とするのが「液晶」だ。
それを不要とするのが有機ELで有機ELでは黒い部分は電灯が点かず、電力を消費しないという。
私がこの話を理解したのはGalaxy Note10+に通知ランプがないことに悩んだときだ。それまで通知ランプは重要な通知が来ていることを知る重要な機能だった。ところがそれがなくなってしまったときに
「有機ELは表示されているところしか点灯しないので通知で画面の一部をランプ代わりに点灯してもバッテリーをそれほど消費しない」
という記述であった。
その記述を信じ、通知があると画面に通知の表示が出るようにしていたのだが、、、これは今から思うと失敗だったかもしれない。
ともあれ、バッテリー消費の点ではIPS液晶なのは残念だが、結局Galaxy Note10+での有機ELの効果もいまいち良くわからなかったし、大きな問題ではないだろう。
(7)カメラは超広角付き。
前々回の記事に書いたように、Galaxy Note10+のカメラで初めて超広角を体験し、非常に便利に感じた。OUKITEL WP21でも超広角がついているようだ。
(8)指紋認証、顔認証。
セキュリティは指紋認証と顔認証の両方だという。特に嬉しいのはGalaxy Note10+で使いにくかった画面上での指紋認証ではなく、電源ボタンでの指紋認証であることだ。画面での認証がなかなかされないイライラが解消されると良いが。
(9)技適認証あり。
世界的にマイナーなメーカーのスマートフォンは日本では技適、「電気通信事業法に基づく、技術基準適合認定」と「電波法に基づく技術基準適合証明」を受けていないものが多い。技適を受けていないスマートフォンは電波法の違反となる。だがこの製品を含め、最近のOUKITELの製品は技適を受けるようになっているのだ。
自分の感覚では日本で違法な製品をどうどうとレビューするわけにはいかないので、このブログでOUKITEL WP21を取り上げることが出来るのも技適認証のお陰である。
(10)おサイフケータイはついていない。
日本の技適認証を受けて入るが残念ながらおサイフケータイは非搭載だ。自分はおサイフケータイの役割は専らサブスマホで行うようにしていたので、幸いに不要である。
以上のように、仕様を検討した結果、重量398gは覚悟するとして、性能(Antutuスコア)35万点以外については特に不満を感じることはないのではないかと思われた。しかしAntutuスコアの件があり、Amazonでの販売6万円弱が決断がつかなかった。
しかししばらく悩んでいるうちに、AmazonのOUKITEL公式ストアでセールがあり、5万円を切るまでになった。そこでようやく買う決心がついたのであった。
購入後のレビュー「OUKITEL WP21レビュー(1):バッテリー9800mAhと65W充電 、重量398g、性能」に続く。