昨今「テザリング」なる言葉が流行るようになったけれども、私は2004年にPHS音声端末を所有して以来、一貫して携帯端末を通じてパソコンでモバイルインターネット接続すなわちテザリングすることに拘ってきた。
私はケータイ(PHS)、スマフォ端末は全部で6台使ってきたけれども、一台たりともパソコン接続すなわち今で言うところの「テザリング」が出来ない機種(サービス)は所有(利用)したことがない。そのことからも、私がどんなにテザリング(PCでのネット接続利用)に拘ってきたか分かるだろう。
パソコンと端末の間のつなげ方に関して、最初は「WiFiテザリング」なるものはなく、PHS端末に有線を繋げてのエアーエッジ接続であった。その次がBluetooth接続で、これもいくつかパターンがあったが、しかしその後のWiFiを含めてもBluetooth DUN接続が一番便利であった。今現在はWiFiテザリングとBluetooth PAN接続を併用しているがどちらもBluetooth DUN接続に比べるとイマイチ、というかイマサンくらいである。
だがここで書きたいのはPC-端末間のテザリング方法の話題ではない。端末から先のWAN回線、モバイル回線の方のことだ。
【いつの間にか5キャリアの回線を経験】
時間で言えば計8年の間、テザリングを利用しモバイルPCで外出先インターネット接続を楽しんで来た。
- PHS(WILLCOMのAirH、エアーエッジ)
- イー・モバイル(イー・アクセス)
- FOMA回線(WILLCOMのMVNO)
- au+WiMAX
そのWiMAXを使っている1年半ほど、この8年間の間でテザリングに不満に感じたことはなかった気がする。
【+WiMAXに大不満!】
WiMAX(もしくはスマートフォンでの+WiMAX)が、とにかく繋がりが悪いのである。特に建物内。私は歩きながらもパソコンを操作する人間だけれども、それでもやはりテザリングは座って落ち着いた状態ですることの方が多い。そしてそれは都市のビル内(特に喫茶店などなど)であることが多いが、その際にWiMAXが微妙に、いやかなり繋がりが悪いのである。
電波が入ってきていてもアンテナ0本で実際には繋がらない、データが受信できないことがしばしばある。そして繋ぎ直すのを余儀させられる。繋がっていてもしばらくして途中で切れる。とにかく建物内で安定しないことが多いのだ。
【そもそも建物内に弱いWiMAX、2.5GHz】
半年以上経った2012年始め頃だったであろうか、私は遅まきながらWiMAXが2.5GHzという周波数帯を使っていて、この周波数特性により建物などの中へ入って行きにくいことを知った。
・周波数帯からみるWiMAXとイー・モバイルの特性MobaZine(モバジン)
Powerd by GMOとくとくBB|高速モバイル調査機関
http://gmobb.jp/mobazine/?p=339
まさしくそうなのだ。私は使い始めてからそれを知ったし「痛感」いや「激痛感」したのである。
建物内に入ると。ビルの奥深くどころではない、数メートル入っただけで電波が極めて弱くなる。大きな窓があっても「窓際でない」というだけで電波が弱まるのだ。
喫茶店に入る場合には基本的に窓際を確保しなければならない。窓から少しでも離れた席だとWiMAX電波が大変心許ないことになる。私は非喫煙者なので普通であれば禁煙席に行くが、喫煙席でもそれほど苦痛には感じない。だから禁煙席で窓際が空いてなければ喫煙席の窓際に行く。そんな習慣がついてしまった。
私がそれまで使ってきた電波はイーモバイルとかWILLCOMとかがあったが、そういう微妙な電波はなかった。今まで使ってきたサービスの電波は「入るか入らないか」「繋がったらほぼ安定、電波が無ければそもそも繋がらない」という感じだったのだ。潔かった。
それがWiMAXのなんとも中途半端なこと。
しかもスマートフォンの+WiMAXはエリアを補うべく3Gと補完出来るようになっており、要はWiMAX電波がないところでは3Gに切り替わるのだが、それがまだ繋がりにくさに拍車をかけている感がある。すなわち切り替わりの時には当然のように接続が切れるわけだが、WiMAX電波が弱い場合、3GとWiMAXの間でふらふらするような感じでそれがまたタイムラグを発生してイライラさせられる。
自宅は都内のマンションの一階だが、WiMAX電波は入っているように見えるものの、実際にはアンテナ0本で使えない。そんなにビル内部の部屋というわけではないのだが、その状態である。
ただし長らく使っているWILLCOMも同様なのだがもともと(今では)電波の弱いとされるPHSならまだしも、次世代通信と呼ばれる規格がその状態とは...
【新参・弱小のキャリアだからではない】
WiMAXをKDDIが資本の一部をだしているUQコミュニケーションが提供しているがこれは新参入のキャリアだ。新参入のキャリアがアンテナ設置などで不利、不十分なのは良く分かっており、エリアの広がりが最初は苦しいのはよく知っている。というのもそれよりも先に(先日ソフトバンクに買収された)イー・モバイルをサービス開始9ヶ月後の2007年12月から使い始め、3年4ヶ月(メインとしてはそのうち2年あまり)使いソコソコ満足していたからだ。
少なくともイー・モバイルのサービスではこのような内容の、憎しみ募る不満を感じたことはなかったように思う。
前述のサイトにも書いてあるがイー・モバイルは1.7GHzを使っていて、周波数特性的にUQコミュニケーションのWiMAX2.5GHzよりもはるかに室内への浸透はマシだったのであろう。
その前から、そして今でもセカンドとしてに使っているWILLCOMは確かに電波とエリアが弱かった。だが繋がるか繋がらないかがはっきりしていたので微妙な所でイライラというのはあまり記憶にないのである。
【スマートフォン端末も替えてみたが...】
3大キャリアの一つが初めてテザリングを許可した、しかも従来の3Gと次世代通信併用のhtc EVO WiMAX ISW11HTに2011年4月に飛びついた私であったが「あ、あれ~?」という感じで、次第に鬱憤は積もっていった。
もともとスマートフォンは「音楽プレーヤーとPCモデム(テザリング)用」と考えていた私であったが、それでもAndroidスマートフォンの単独での各種利用を楽しむようになり、その結果、2012年に入ってしばらくすると、端末の性能的にhtc EVO WiMAX ISW11HTでは満足出来なくなった。端的には内蔵メモリ(特にRAM)が不足で、アプリを好きなだけ入れられないことに非常な不満を感じるようになった。(この問題はテザリング性能とは無関係。)
そこで「テザリング機能を除く」スマートフォン単独の快適性を求めて
htc EVO WiMAX ISW11HT
から
GALAXY SII WiMAX ISW11SC
HTC J ISW13HT
と彷徨う(白ロム購入、持ち込み機種変更)ことになったが、この時
「もしかするとテザリングに対する不満も機種変更で解決するのでは?」
という淡い期待を抱いていたことを否定しない。
だが、なるべく期待していなかったのが正しかったように、3機種とも結局+WiMAXテザリングはダメダメだった。ただ
HTC J ISW13HT
では他の2機種が出来なかったBluetoothテザリングが出来、WiFiテザリングがスムーズに繋がらない場合にそちらでやってみたりして右往左往することが出来た。この点はHTC Jには大変満足し、今後も出来たらBluetooth PAN接続がついているものを選びたいと思うようになった。
が、結局Bluetoothテザリングが出来ても「繋がりにくい」という不満は解消されず、それは取りも直さず、PCー端末間の問題ではなくWiMAXの問題という結論に至ることとなる。
【さて憎きWiMAXからどこに移るか?】
上の変遷を見て貰っても分かるようにキャリアへの縛りがない私はNTTドコモかソフトバンクに移っても良いと考えていたが、ドコモLTEを使っている同僚からあまり良い評判を聞かない。ソフトバンクは(当時)テザリングを一切認めていないので論外。
古巣のイー・モバイルもLTEを初めてそれがなかなか評判みたい、そこに戻ってもいいか、などと考えていたところに2012年前半、auがとっておきのLTEを2年越しで準備中、しかもプラチナバンド(ゴールデンバンド)の周波数を使う予定だと聞いたのだ。(友人と旅行に行った2012年5月頃だっただろうか。)
そもそも私のWiMAXへの不満は上述の通り建物内に電波が入ってこないこと。それは利用周波数の高い2.5GHzだからだ。それに対して周波数800Hz、900Hzの電波はあちこちに届きやすくてプラチナバンド(ゴールデンバンド)と呼ばれる。
すなわち本来、私がテザリングで求めていたのはそういう周波数の電波だったわけで、2.5GHzのWiMAXとは対局にあるものであり、1.7GHzのイーモバイルでさえ私はそれほど不満がなかったのだから、800Hzなら尚更素晴らしいのでは!?と期待し始めたのだ。
私のauへの期待が再び高まったのは言うまでもない!
【秋にauのプラチナバンドLTEがやってくる!】
しかも調べてみていろいろな情報を知る。
ソフトバンクがTD-LTEだけでなく、FDD-LTEも秋に開始すると春に発表したこと。KDDIはLTEを当初の12月から秋に前倒す方針を示したこと。
KDDIの2012年春夏機種は少なめで、これは秋冬のLTE対応機種へのシフトだと識者が述べたこと。KDDIの田中孝司社長が「秋冬はドカンといく」と宣言したこと。
http://weekly.ascii.jp/elem/000/000/090/90631/
これらのは何を意味しているか、そう、この2つのキャリアに共通する話題はiPhoneである。これらの情報を集めた2012年夏の時点で私はもう確信を持つようになっていた。
「きっと2012年春の段階で、Apple社がソフトバンクとauにFDD-LTE対応(TD-LTE非対応)のiPhoneを秋頃に出すと情報を流したのだ。それに合わせるべく両者ともLTEの秋のサービスインに必死になりはじめたんだ!」
「2012年秋にauでプラチナバンドのLTEが登場する!で、ソフトバンクと違い『選べるau』だ。田中社長が言っているようにきっとAndroid対応の機種がわんさか出るんだ!」
そして私のauのLTEを待ち望む日々が始まったのだった。(つづく?)