→「スマートフォンを買い換えようと思った理由~htc EVO WiMAX ISW11HT導入検討 1/4」からのつづき
前の記事で述べたように、昨年後半にスマートフォンの買い換えを検討したときには、適当な機種がなくて見送った私であったが、htc EVO WiMAX ISW11HTはまさしく私が待っていたような機種であった。
[htc EVO WiMAX ISW11HTに惹かれた理由]
次世代通信規格(モバイル)WiMAXに対応する点が一番私が惹かれた点であるが、そのことを筆頭にしてhtc EVO WiMAX ISW11HTに私が魅力を感じた点は以下のようになるだろう。
- 携帯電話3大キャリアでは初の低額テザリング対応(詳細後述)
- 速度で有利な次世代通信規格WiMAXと、エリアで有利な3Gとのハイブリッド仕様
- 3GはKDDIのauであるがauはいずれ使ってみたかった。
- OSは前述のように私が期待する、そして現在もっとも躍進著しいAndroidOS(Version2.2)
- 画面が4.2インチと大きく、パソコンの代わりに使うネット端末として魅力的(ソフトバンクから出されたHTC Desireと同じ画面サイズ)
- 電子コンパスのついている機種をいずれ欲しかった。(1~2年前に探したところ、iPhone以外ではほとんどなかった。)
- 私にとってHTCというメーカーは、Touch Diamondを使って馴染みがあり、信頼感がある上、Android機としては直接Google(?)と組んでいるメーカーとして定評がある。
- 海外で昨年に発売された機種であるため、サードパーティによる関連機器の発売が既に豊富で、特に私が重要視する長時間バッテリーとその専用ケースがもうすでに発売されている(例えば右上製品↑)
冒頭のテザリング対応について補足しておこう。
[3大キャリアが敬遠してきたテザリング対応]
携帯電話やスマートフォンをパソコンをインターネットに繋げるためのモデム(もしくはルーター)として利用することは近年、テザリングと呼ばれている。ところがパソコンでインターネットをする場合、端末でチマチマインターネットに接続するよりもかなり多くのデータ通信量を必要とするため、大手携帯電話会社(NTT docomo、KDDI=au、Softbank)は何やかやと制限を設けてテザリングの使用を制限してきた。例えば一般のパケット定額が適用されず、パソコンでの接続に利用した場合には1万円前後まで費用が課せられる、利用量が大きいと速度制限(帯域制限)がされる、などなど。
端末自身で使った場合とテザリングで繋げて使用した場合に値段的に区別がないのは、データ通信をウリとして顧客を維持してきたPHSのウィルコムと、パソコンでのデータ通信に特に力を入れて来た新興キャリアのイー・モバイルである。テザリングという言葉こそなかったものの、私は2004年に初めて携帯通話機(PHS)を持って以来、一貫してパソコンをインターネットに繋げることに拘ってきた。だから現在使っている携帯通話機もウィルコム(HYBRID W-ZERO3)とイー・モバイル(Touch Diamond)なわけである。
ところが今回3大キャリアの一つであるKDDIはhtc EVO WiMAX ISW11HT提供においてテザリング機能を「解禁」した。大手キャリアにもかかわらずそれが出来たのは次世代通信規格のモバイルWiMAXも併用することにより、3G側回線が逼迫するまでには至らない、とみなしたからである。
・「ちょっとくらい収入減ってもいい」テザリング解禁に込めるauの「ワクワク感」 http://www.itmedia.co.jp/news/articles/1102/28/news091.html
それでも来年1月以降は3G回線で月間の通信量が5GBを超えた場合、帯域制限をかける、すなわちそのユーザの接続速度を遅くするとのこと(WiMAX使用では制限がかからない)。「テザリング」をウリにしながら、このような条件を設定せざるを得ない得ないところに、どんなに大手キャリアが無制限なテザリング開放で3G回線が逼迫するのを恐れているか分かるだろう。
[モバイルWiMAXとは?次の時代の最初の製品!]
言うまでもないかもしれないが、モバイルWiMAXは次世代通信規格の一つで、KDDIも出資するUQコミュニケーションズが2009年から開始しているサービスだ。(ここではややこしい説明を省くので詳しい人は無視して欲しい。)
必ずしも同じ世代とは言い難いのだが、ライバルになる他社の次世代通信規格としては
- NTTドコモのXi(クロッシィ、LTE)
- イーモバイルのEMOBILE G4(DC-HSDPA)
- ウィルコムのXGP(次世代PHS)
3Gの規格をベースにしている現在の3大キャリアは3G回線では今後の通信の増大、特にスマートフォンの普及やテザリング可能にした場合の需要を支えきれないと認識していて、だからこそテザリングを簡単には認めないわけであるが、どのように次世代規格に繋げていくかが鍵となる。
UQコミュニケーションズのモバイルWiMAX、そして上述した3つのサービスとも、今まで出した製品はパソコン用のデータ通信カード(データ通信アダプタ)であり、その点で一部のユーザに向けた、若干特殊なサービスに留まるものだった(まあモバイルパソコンでインターネットをするのを重視する私が言うのもなんだが)。
それが今回のauの製品htc EVOにおいてスマートフォンとしてWiMAX対応をさせたというのは携帯電話・スマートフォンにとって次の時代の第一歩の製品と言えると思うのだ。
他のキャリアもこのような製品は当然出したいと考えているのであろう、実際、最大手のNTTドコモはLTE対応のスマートフォンを今年2011年の冬以降に出すことを昨年2010年末の段階で述べている。
・ドコモの「Xi」スタート、山田社長「スマートフォンは来冬」
http://k-tai.impress.co.jp/docs/news/20101224_416928.html
また私が使っているウィルコムのHYBRID W-ZERO3という製品は今でこそNTTドコモやソフトバンクの3Gとの「ハイブリッド」であるが、開発されたときには数年後のXGPとのハイブリットが夢に描かれていたと思うのだ。
だが結局「3G+次世代通信規格」を出したのは、スマートフォンでは最初に遅れをとってしまったと言われている、KDDIのauだったのである。