あんな、そんなでGPSロガー兼レシーバを買うことに決めたのだが、結局買ったのは最初が
Wintec WBT-201(G-Rays2)
次に一週間も経たないうちに
GlobalSat BT-335
という製品であった。
今回の記事ではそれらについて仕様と使い勝手を中心に紹介する。
[Wintec WBT-201の特徴と使い勝手]
Wintec社製 WBT-201(G-Rays2)
はBluetooth接続可能なGPSデータロガー兼レシーバとして日本で多く使われている製品だ。小型で性能もそこそこ、USB充電が可能などに加えロガーデータを取り込むためのTimeMachineXというソフトがかなり使いやすい。
私は普通に書くとすぐに冗長になるので、まずはサクッとその特徴と使い勝手感を箇条書きにしておこう。
- GPSデータロガー兼GPSレシーバ
- パソコンへの接続方式としてBluetoothとUSB(一般的なminiUSB)
- しかもそれぞれの接続でレシーバの際にもロガーデータの取込でも使える(他の製品にはロガーデータの取込はUSB接続だけの機種が結構ある)
- レシーバとして使いながら同時にロガーとしてのデータ記録が可能。しかも専用ソフトでデータを取込ながらGPSとして働かせることが可能みたい。
- 電池はリチウムイオン充電池で約12時間継続。充電方式はUSBからの充電が可能。
- データ取得用パソコンソフトが非常に使いやすい。
- GoogleMap用ファイル(html)、GoogleEarth用ファイル(kmz)、csvへの変換などが容易な操作で出来る(特にGoogleMap用ファイルが便利でこれについては後述)
- 一般にGPSデータはデータ飛びが避けられないが、やる気さえあればデータの改修などがし易いっぽい。
- 基本的にロガーデータの取込と変換の実行後には自動で保存されるため、敢えて保存行為をする必要がない。
- GSPの設定をさまざまに変えられる(上級者向き?)
- ただしGoogleMap、GoogleEarthはインターネット接続が前提なのでネット接続がされていない際のデータ利用は必ずしもスムーズではない。
- チップはで最新のSiRFstarIIIに比べると感度が劣る。すなわち位置などがずれやすい、ビルの谷間や木陰などでは衛星を失いやすい。また衛星を失った後の再補足が遅いのもチップのせい?(調査継続中)
- 小さくて鞄などにぶらぶらぶら下げることも可能(ただしそうした場合に感度の保証は出来ないが。)
- 日本人の使用者が多く、ネット上で情報が多い。
以下、上の項目についていくつか補足する。
タイトルで「幻滅」と述べたのだけど、それは必ずしもWBT-201固有の欠点ではなく、
この製品を代表として?GPS機器というのは私が思っていた以上にビルが建ち並ぶ街中での使用が難しいと知ったからである。
すなわち私も山登りや旅行はちょこっとするのだが、やっぱり生活の基本は都会が多く、レシーバにせよ、ロガーにせよ、街中で、しかも徒歩で使うことが多いと気がついたのだ。その場合にはこの製品WBT-201はかなり使いにくく、それを改善するには最新チップとされるSiRFstarIII搭載の製品が良いことに気がついた。
それが「WBT-201への幻滅」ということである。
具体的にはWBT-201の場合、木陰や道路脇の店の軒先に入っただけで衛星を失ってしまうことがしばしばあるようだ。しかも長時間(数時間~半日以上?)衛星を失った後の補足が随分すなわち5~10分かかる。それについては全ての衛星情報を失ったときの補足は13分かかるとマニュアルに書いてあり、そうでなければ最大34秒と書いてあるのだけどとてもじゃないが34秒で補足できる気がしない。(なお、この件についてはもうちょっと調査が必要。)
そんなわけで「道に迷ったと時の案内に使えねえ!」と感じてしまい、SiRFstarIII搭載のBluetooth製品を探すこととなり、それで買ったのがBT-335なわけである。
で、BT-335を入手した暁にはとっととWBT-201は売ることを考えていたのだけど、1~2日併用してみてWBT-201にはBT-335にはない良さがあることにも気がつき、もう少し使ってみることに決めたのがこの記事を最初に書いた今の段階の感想だ。
WBT-201の良さというのは後半に書いたTimeMachineXの使い勝手の良さである。
購入前はそんなに重視していなかったのだが、ロガーデータを有効に利用するには専用取込ソフトの性能や機能が大きく左右することに(専用ソフトがタコな)BT-335を使ってみて改めて気がついたのだ。
このWBT-201についているTimeMachineXはBT-335の専用ソフトに比べると遙かに良くできている。
上の箇条書きでも書いたけれども、まずはロガー記録を取りながら、ロガーデータを取得出来る。そして取り込むと基本的にはソフトに自動で保存され、TMZ、GoogleMap形式、CSVへの変換も容易だ。
特に便利だと思うのはGoogleMapで表示するためのHTMLファイルへの変換である。TMZはGoogleEarthで使えるのだけど、GoogleEarthは私の知る限り地図ではなく、あくまで航空写真であり、ロガーデータを確認する際には地図の方が便利なことが多い。そこでGoogleMapの登場になるのだが、TimeMachineXで変換したHTML形式では記録点毎に方向の矢印がついていて分かりやすい。
しかもこのファイル、GoogleMapの性質であろうが一度オンラインで読み込んでおけばネットがオフラインでも見れることが多い。すなわちFirefoxだとネットに未接続でも「ファイル-オフライン作業」を選択して再読込をするとキャッシュから読み出して表示してくれる。
ネット未接続の場合を常に念頭に置いている私からすればこのような利便性はとても嬉しい。
[BT-335の特徴と使い勝手]
この製品の特徴を一言で述べると「高機能であるSiRFstarIIIチップを使用」「PCへの接続法がBluetoothのみ」「専用ソフトでGoogleEarthのファイル方式KMLに変換可能」という点である。
- GPSデータロガー兼GPSレシーバ
- パソコンへの接続方式としてBluetoothのみ(しかも日本では無認可、なのでBT使うのは違法。汗)
- レシーバとして使いながら同時にロガーとしてのデータ記録が可能。ただし専用ソフトでデータを取込む時にはGPS機能を失い、衛星の補足などが出来なくなる。すなわちロガーデータを取り出す際にはレシーバとしての使用やロガー記録が中断される。(「データを取り出す際」であってロガー記録をしながらレシーバ機能が使えないわけではないので大きな支障はないと思う)
- 電池はリチウムイオン充電池で約30時間継続?。専用ACアダプタだが最近しばしば売られている充電端子付きのUSBコードが使用できる。ただしこれはあくまでユーザ自己責任で、かつノートからの充電で十分に充電できるかは未検証。
- チップはで最SiRFstarIII。たしかに感度が良さげ。
- でもこの製品も衛星を失った後の再補足が遅い時がある。
- データ取得用パソコンソフトが非常に使いにくい。
- ロガーデータの取込、変換後に自分で保存しなければならない。この際、いちいち手動で名前をつける必要がある上、保存する場所も基本的に決まっている。
- GoogleEarth用ファイル(kmz)への変換は一応可能。
- csvへの変換は出来るがデータが単純な緯度、経度ではなく、多分普通の人は変換が必要(変換が容易なエクセルマクロを作ったので後日公表予定)
- KMZ、CSVファイルへの変換では保存フォルダの標準を設定で指定できるものの、保存の際に手動で名前をつけなければならないなど、かなり面倒。
- その面倒に拍車をかけるのがロガーデータがかなりの頻度でぶち切れること。一日使うと数十以上にログが分かれ、CSVやKMZへの変換もそれぞれのデータ毎に行う必要があり、極めて面倒(複数のCSVファイルを合体させることが少しでも簡単になるエクセルマクロを作ったので後日公表予定)
- データ飛びなどに対してデータの改修などは出来ないっぽい。
- GSPの設定変更があまり出来ない。記録時間間隔、移動距離が一定以下の場合には記録しない程度の設定。
- 大きさは折りたたみ式携帯を折りたたんだよりも一回り小さいくらい。鞄でぶらぶらさせるのには大きさ、重さ的にちょっときつそう。
- ネット上での日本語の情報が限られている。
その後、BT-335を使って思ったが、ロガーとしては駄目駄目。何しろ5分毎にファイルが出来るので非常に後で処理が面倒。やってられない。しくしく。