すでに記事をいくつか書き始めているが自作パソコン10年ぶりマザーボード交換を行った。その際にWindows10のライセンス認証がスムーズに出来ず、危うくWindows10のライセンスを失うところであった。最終的には「Microsoftアカウントへのライセンス紐づけ」と「電話サポートによるライセンス認証」により成功したのでここにメモする。
[推敲度 3/10]
1■結論から書くと、必要だったのはマイクロソフトアカウントとの紐づけと電話手続き
自分のWindowsはWindows8 DSP版(当時はパーツバンドル不要)のWindows10無料アップグレード版であった。2024年11月にマザーボードを交換したところ、OSが入ったSSD(記憶装置)でWindows10がそのまま起動できたものの、ライセンス認証が無効になった。
自分は長い文章を書くのが好きだが今回は結論から書こう。現在「WindowsOSのライセンス再認証を受けるには少なくとも事前にライセンスとマイクロソフトアカウントとの紐づけ」が必要だ。ライセンスが無効になった状態ではこの紐づけは(多分)出来ない。
だが、もし前の機器構成(マザーボードなど)に一時的にでも戻せるならその戻した状態でライセンス認証が復活すればマイクロソフトアカウントとの紐づけ、リンクが出来るようだ(少なくとも自分は2週間後でも出来た)。
そうすれば新規のマザーボードに再度交換した後は素直にデジタルライセンス認証が出来る、、、はずだった。
ところが自分の場合には
Windowsをライセンス認証できません
Windowsを再度ライセンス認証することができません。現在、弊社のサーバーが利用できないためです。
とのエラーが出て結局、インターネットを通じて認証は受けることが出来なかった。
そこで電話でのやり取りを通じて改めてプロダクトキーの発行を受け、認証して貰った。
電話口で必要だった情報は
- Windows10を導入する前の元のライセンスWindows8のライセンスキー
- Microsoftアカウント(自分はメールアドレス)
- 経緯の説明
だった。やり取りで1時間以上かかったものの(別に揉めたわけではない)、最終的に自分の場合には
「ライセンスの権利はあるがインターネットを通じて認証されない原因は不明」
ということになったようで「特別対応」でプロダクトキーが発行された。
ちなみにインターネットを通じてライセンス認証出来なかった原因は、自分の場合はマザーボードを新旧取っ替え引っ替えしたためと思われる。
さて、マザーボード交換で同じ状況になっている人にとっては以上の情報で十分だと思うのだが、ぐちぐち書くのが大好きなので、経緯の細かい点について以下書いていく。例のごとく冗長なので注意されたい。
2■経緯詳細1。自分のWindowsライセンス使用状況
・使用中のWindows10 ProはWindows8 Pro DSP版(2012年購入)からの無料アップグレード(実は自分のこのライセンスの使用変遷についてはネット上で事実上公開している。)
・DSP版(OEM版)の規約は時代(時期)により変遷しているが、当時はパーツとのバンドル条件はなく、パッケージ版と同様に機器が変わっても使用できた。
参考:「Windows 8の予約が開始、アップグレードとDSP版のみ ~DSP版は単体売り可能でサポートなし – PC Watch」
・自分はWindowsOSは長らくローカルアカウントで使用し、マイクロソフトアカウントとの紐づけはしていなかった。(昔、自宅内ネットワークの通信でローカルアカウントで行わないと支障が出たことがあったため。)
・本件での出来事は自作パソコンのWindowsOSであるが、このパソコンはサブマシンであり、メインパソコンはモバイルパソコンであるが、そちらは別なライセンスを使用している。ただしそちらでもローカルアカウントで利用しており、Microsoftアカウントとの紐づけについては本件に遭遇するまで理解していなかった。
・ただしマイクロソフトアカウントは別なパソコン(Windowsタブレットか?)を契機に取得、使用していた。
3■経緯詳細2。調査不足と後悔、そして旧マザーボードでの再認証。
今回のマザーボード交換では、Windowsライセンス認証については完全に事前の調査不足だった。
・無料アップグレードしたWindows10をマザーボード交換後でも使い続ける権利があるのか自信がなかった(調べもしなかった)。
・そもそもマザーボード交換後にそのままWindows10が起動出来ることを期待していなかったので、クリーンインストールを半ば覚悟していた。その場合には、Windows10無料アップグレードの権利は尚更怪しいと思ったし、これを機会にWindowsOSを買えば良いとも思っていた。
・ただし元々のWindows8のライセンス認証の権利は未だにあると思っていたので、今更だがWindows8をインストールする可能性もあると思っていた。
・いずれにせよ、大元のWindows8のライセンスは正規なもので、少なくともそれについては最終的に電話やり取りをすれば確保できるはずだし、無料アップグレードしたWindows10の権利があるかは分からないが、権利があるのならばそれも最後は電話をすればなんとかなるだろう、と思っていた。
我ながら油断したものだ。そのような状況でマザーボード、CPU、メモリの交換をしたところ、まず「Windows10がそのまま起動して使えるようになってしまった」。
だがWindowsライセンスは案の定無効になり、その旨を示す記述が右下に常時出るようになった。その状態で数日、様子を見ていた。すぐに対応しなかったのは、新しいマザーボードで不具合が出たらまたパーツ交換が必要で、その場合またライセンス認証が必要になる可能性があるからで、少し様子を見たほうが良いという認識があったからだ。
そして数日後にWindowsライセンス認証に関する件を調べてみて、私の上述した考えに大きな間違いがあったことを知る。
Windowsのライセンス認証は従来のプロダクキー、ライセンス認証キー方式からMicrosoftアカウント紐づけ方式に替わっていた(正確には併存か)。後者へ移行するにはライセンス認証を受けていたときに紐づけをしなければならない。
下調べ不十分をここまで後悔したことは久しぶりだろう。この状態でライセンス認証を受けようとWindows8のライセンスキーを入れたり、MSカウントとの紐づけが出来るか試みたが出来ず、どうやらそのままでは新たにライセンスを購入(Proなので3万円弱?)する以外はなさそうだった。
- Windowsのライセンスをマイクロソフトアカウントと事前に紐づけをしていれば、マザーボード交換後も認証が受けられて無料アップグレードのWindows10を使い続けられる。
- そうでなければライセンス認証は受けられない。Windows10を使い続ける権利は失う。
- Windows7/8からWindows10への無料アップグレードは完全に終了したとのことで、一旦Windows8をインストールしても、無料アップグレードを利用してWindows10にすることは出来ない。
(参考:MS、「Windows 7/8」から「Windows 10」への無償アップグレードを完全に終了 – ZDNET Japan)
この事実に気が付いた時、マザーボードの交換が概ねうまくいき、そのままWindows10が起動して大勝利気分を味わっていた私は、一転してどん底に突き落とされたような気分になった。
だが私は一つ思いついたことがあった。それは
「前のマザーボードに戻したらライセンス認証状態に復活できて、そこで紐づけが出来るのでは?」
ということだ。だが、もうこの時点でマザーボードは押し入れの奥底にしまっており、引っ張り出すのは億劫であった。
「下調べが不十分で面倒になった後悔」と「旧マザーボードを取り出して試すということの面倒さ」「どうせクリーンインストールではWinodwsOSはそろそろ買わねばならぬと思っていたくらいなので、素直に諦めて購入するか、という思い」、それらが綯い交ぜになりながら2週間近く?過ごしてしまった。
このままずるずるとしばらくライセンス認証を受けないまま行きそうだったが、別な事情からやはりWindowsライセンス認証を受ける必要を感じ、とうとう旧マザーボードを取り付けた。その昔、マザーボードの取っ替え引っ替えをやっていた頃はPCケースを横倒しにして、その上でマザーボードを仮組みしたものだったが、その方法を使った。
そしてライセンスを確認した結果、、、、
旧マザーボードでWindowsライセンスが認証された!そしてMicrosoftアカウントとの紐づけも出来た。MicrosoftアカウントでWebサイトにログインするとデバイスに自作パソコンが加わっている。大勝利である。
4■経緯詳細3。しかし新マザーボードでインターネットを通じた再認証が通らない?
その後、すぐに新マザーボードに再交換し、ライセンス再認証を試みた。
「ライセンス認証」
の画面から
「トラブルシューティング」
に進み
「このデバイス上のハードウェアを最近変更しました」
に進むと、Microsoftアカウントを入れる画面が出てくる。
巷の情報では、そこからそのアカウントに紐づけされているライセンス認証済みのパソコンが出てくるはずなのだが、
Windowsをライセンス認証できません
Windowsを再度ライセンス認証することができません。現在、弊社のサーバーが利用できないためです。数分間待機するか、Microsoftアカウントをもう一度追加してみてください。
という画面が出てきて、にっちもさっちもいかない。
ネット上にはこの場合の解決方法が書いてある記事が複数あり、
- 一度ローカルアカウントでログインし直す。
- マイクロソフトログイン(Webの?)からログアウトし、完全シャットダウン(シャットダウンのときにShiftキーを押しながら)をして再起動する。
- 時間を数時間置いて試す。
などが書かれていたがいずれを試しても出来なかった。
これを実施していたのが休日の早朝5時頃。時間を置くという記事もあったし、とりあえず落ち着かない気分のまま一眠りすることにした。
そして10時頃。上記のアドバイスのことを一通り試し、ローカルカウントとMicrosoftアカウントでのログインを何度行き来したのかわからなくなってきた頃に、マイクロソフトと電話での交渉をすることを決心。
そもそも自分はWindowsXPの頃よりWindowsのライセンス認証に関心を持ち
「WindowsXPアクティベーション編(Windows再インストールなしにマザーボード交換)」
というホームページを作っていたくらいであった。この時の経験から
「ライセンス認証を受ける権利がある、すなわち正規で買ったWindowsOSならば最後は電話認証で受ければ良い」
という気持ちがあった。今回、Microsoftアカウントとの紐づけが必要になっていたことを知らず、危うく権利を失いそうになったが、最終的には紐づけ出来た。それならば後は電話で手続きすれば良い。
5■経緯詳細4。電話でのライセンス認証に80分
そこで、最終的にはマイクロソフトと電話をやり取りをすべく、上記の表示にある
「サポートに問い合わせてヘルプを表示する」
から電話をコールバックしてくれるよう手続きをした。
マイクロソフトからかかってきたのはちょうど10分ほど経ったころだった。
(ネットで調べると24時間対応ではないようだ。)
かかってきた電話だが自動応答で始まり、通話の録音などを了承。まもなくオペレーター(女性)に繋がり、ライセンス認証できなかった経緯を一通り説明。
電話が切れた場合のために電話暗号を聞かれる(向こうからかけてきたのにプライバシーのために電話番号はオペレータには見えなくなっているようだ。)
オペレータにはまずWindowsのバージョンを聞かれた。その後、Windows8からの無料アップグレードであることを伝えた。
そこで5分ほど待たされたあと、通常の窓口ではなく技術窓口での対応が必要と言われ、10桁の「受付番号」を伝えられ、技術サポートでそれを伝えてくれと言われた。その段階ですでに15分ほど経っていた。
数分ほど待たされて新たな担当者が出てくる(やはり女性)。「ご相談内容は?」と聞かれたが「番号を伝えろと言われたが」とこちらから言って伝える。そしてまたこちらの電話番号を伝える(プライバシー保護のため共有していないのだろう)。
ここでもバージョンを聞かれたが、今回はOSビルドまで聞かれた。
ここのサポートでは、マイクロソフトアカウント(自分の場合にはメールアドレス)を伝え、そのアカウントを向こうで確認できたようだった。
ここではWindows8 Pro DSP版からのアップグレードであることを伝えた。前のオペレーターの時には実はDSP版ではあることは説明していなかったが、この時にははっきり伝え、Windows8 当時のDSP版はパーツのバンドルが不要だったはずだということも言い添えた。
プロダクトキーを聞かれたので、大元のWindows8のパッケージを取り出してきてライセンスキーを読み上げ。なにしろ25桁もあるので手間がかかる。
話を進めているうちに2番目のサポートでは1番目のサポートに伝えたエラーの内容を把握していないことが分かり、「Windowsを再度ライセンス認証することができません。現在、弊社のサーバーが利用できないためです。」で進まないのだと改めて伝えると「遠隔操作で確認したい」と申し出があった。
ライセンス認証の電話やり取りで遠隔操作支援を求めてくるのは自分としては想定外だったし、遠隔操作支援を受けるのは初めてだったが、特に問題はないので了解した。
「Ctrl+Winキー+Q」
で開始し、向こうの指定するキーを入力して始めた。
遠隔操作では簡単な確認の後で「プロダクトキーにWindows8の時のライセンスキーを入れて欲しい」と言われたので実施。
それではエラーコードが出てやはり認証が出来なかった。ここで状況を確認するとのことでしばらく待たされた。
自分の場合には「特別対応」で認証を行うとのこと、マイクロソフトアカウントのメアドにプロダクトキーを送るので受け取るよう言われた。
加えてWindows8のライセンスキーをMS側でも入手したいとのことで、ファイルとしてメモ帳として保存、遠隔操作で入手操作をしていた。
やがてライセンスが記されたメールが送られてきたので、それを入力して無事認証!
最後に
「今のマザーボードでクリーンインストールした場合に今回貰ったプロダクトキーで使用継続出来るか」
などを質問していたためもあるが、合計で電話は80分もかかっていた。
6■今回、手間がかかった原因
今回、Windows上での手続きでは完結せず、MSの言うところの「特別対応」になった原因は向こうでもはっきり分からないようであったが、
旧マザーボード(ライセンス認証状態)
↓
新マザーボード(ライセンス認証無効)
↓
旧マザーボード(再びライセンス認証状態)この状態でMicrosoftアカウントと紐づけ
↓
新マザーボード(ライセンス認証無効)
という状態で、再認証を受けようとしたためだと思われる。なお、マザーボードの交換に関して上のようなことを行ったことは今回の電話窓口では特に述べなかった。ライセンス認証窓口で、述べるべきことは
「自分が正規な手段でライセンス認証の権利を持っていること」
であり、向こうもそれ以外の情報は必要としていないはずだと思ったからだ。
WindowsXP、Vistaを使っていた当時、自作パーツを取っ替え控えしていると、インターネットを通じたライセンス認証が出来なくなることはよくあることであったし、自分自身、当時は何回も電話での認証を受けた。その際にも「どういうパーツを交換してそれに至ったか」など、細かい話は向こうにとっては(そしてこちらにとっても)どうでもいいことだった。
案の定、時間はかかったがマイクロソフト窓口は
「インターネットを通じてのライセンス認証が通らない原因は不明だが、正規のライセンス権利を持っているユーザ」
だと自分を認識し「特別対応」を行ってくれたが、特別というのは「インターネットを通じて自動認証が出来ないユーザー」という意味の「特別」という意味であるはずだ。
7■終わりに~Windowsは大好きだ
自分はWindowsOSはWindows95(1995年)からの、そして自作パソコンは1998年頃からのユーザであり、WindowsXPでライセンス認証システム(アクティベーション)が導入された時の騒ぎ、特にパーツを取っ替え引っ替えする「自作パソコンユーザ(今で言うジサカーか?)」の間で起こった動揺をよく覚えている。
すなわち「WindowsOSを正規で買ったユーザーがOSが使えなくなるようなことはないのか」という危惧である。
そのときにマイクロソフトが言っていた趣旨は以下のようなものだった(私の印象で引用ではない)。
「ライセンス認証は蔓延する違法ユーザー対応で導入されたシステムだ。正規のライセンスユーザーには御不便、御不自由をおかけするが、ライセンスが正規である限り、最終的にはそのユーザがライセンス認証を受けられるように対応する」
その後、自分自身マザーボードを含めてパソコンのパーツを取っ替え引っ替えした時期があり、インターネット認証は通らず、電話窓口による認証を何回も受けたような記憶がある。
その時の印象から「マイクロソフトは正規ユーザーには最終的にはきちんと対応してくれる」というある種の信頼感が醸成されていた。その油断のために今回「Microsoftアカウントとの紐づけ」方式に変更されていることに気が付かなかったが、マザーボードを一時的に戻して紐づけが出来た結果、結局は電話対応によりライセンス認証を受けることが出来た。
自分としては改めて
「自作パソコンユーザーにとっては七面倒なライセンス認証手続きだが、初期にマイクロソフトが言っていた『正規なユーザに対してはきちんと対応する』という見解は20年以上経った今でも守られている」
と感じることとなった。
正直、基本的には何万円も出して(ただしWindows10は無料アップグレエードだったけど)OSを買っており、正規なユーザーにとしては使えるようになって当然であり、マイクロソフトに多大な感謝を捧げるのは何か少し違うと思っているが、それでも上の考えを一貫して守っている姿勢についてはMicrosoftという企業を一ユーザーとして評価したいと思う。
それも含めて、自分はWindowsが大好きなのだ。