詐称:中村充夫氏から恭賀新年spamメールがpostmaster宛に来た2026年正月

 自分が25年以上前から悩まされているspam(スパム)メール。spamメールは迷惑で、詐欺で、悪質だ。手を替え品を替え、受信者より金を、情報を引き出そうと狙ってくる。その結果、意図が簡単には察することが出来ないメールもしばしばあった。今回紹介するのもそんなメールの一つだ。

[推敲度 1/10]

★重要★注意喚起

今回のメールで名乗られている「中村充夫」なる名前はほぼ間違いなく「詐称」だと思われます。通常、そのような名称や組織名を公開すると、2次被害(知識の浅い者がその人に問い合わせなどをする)が発生する可能性があるため、その部分は伏せることが多いですが、今回の場合、その名前がspamの特徴付けとして数少ないポイントであるため、やむを得ず公表しています。くれぐれも実在の「中村充夫」さんが関係したと考えたりしないよう、中村充夫氏に問い合わせたりすることの無きよう、お願いいたします。

【目次】

1■2026/1/2に来た恭賀新年メール
2■このメールをspamと断じる理由
 2.1■全部で4通、3つのpostmaster宛に来た
 2.2■メールヘッダをAIに分析させた
 2.3■以上によりこのメールはspamと100%断定
3■このspamメールの目的は?
4■このspamの悪質さ
5■ネット上の情報
6■終わりに~spamが憎い

【本文】

1■2026/1/2に来た恭賀新年メール

 今年の1/2に恭賀新年メールを受け取った。フィルタリングソフト「POPFiles」で日本語spam判定され、タイトルが薄くなっていたのですぐには気がつかなかったが整理していて気がつく。

差出人:info<fcpj@XXXX-shop.net>(一部伏せ字)
宛先:postmaster<postmaster@独自ドメインA>(一部仮名)
Fri, 2 Jan 2026 14:35:07 +0900
本文

明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします
中村充夫

 不肖、中村充夫という方は御存じあげていない。25年前ならば「宛先アドレス間違えてませんか?」、そんなメールを返信したかもしれない。だが今では一見しただけでspamメールだろうという判断をする。

 そもそも送ってきたアドレス先は、自分が所有する独自ドメインpostmaster宛である。「独自ドメイン」とはホームページURLアドレスや、電子メールの@以降の文字列で、独自に取得しているもので、たとえばexample.comなどがある。postmasterは独自ドメインの管理者が、独自ドメインの管理のために連絡先として設けろと義務化されているアドレスpostmaster@example.comで、通常は管理業務に関するやりとりしかされない、されるべきではない。

 仮に、仮にである。この発信者が、非常に中途半端な知識を得て

「いつも有用な情報を得ることが出来て、お世話になっているstakasaki.netの管理者さんに年賀の挨拶をしよう。特に連絡先メールアドレスが見つからなかった(いや、公開しているが)ので、調べたところ「postmaser」というのが一般に管理者宛らしいのでそに送らせて貰おう」

という頓珍漢な理解をして、送ってきた、と、仮に、超善意に、解釈したとする。

 だが、悲しいかな、それはあり得ないのだ。今回、最初に届いた宛先はstakasaki.netではなく、それとは別の「ネット上で公には公開していない独自ドメイン」なのだから。Webサイトでも、ブログでも、使っておらず、そのドメインのposmasterで挨拶をしようとする人などいるわけがない。

 ではなぜ「公に公開していない」のに、その独自ドメインをspammerが知ってしまうかというと、独自ドメインはインターネット上で使うものである以上、登録情報はしかるべきところ(Whoisなど)に登録されており、その情報は誰でも調べることが出来る。spammerはメールアドレスの情報を手当たり次第に欲しがっている。よってそのデータから卑劣にも独自ドメインを収集し、spamの宛先として利用しているのである。

2■このメールをspamと断じる理由

 前節で紹介した中村充夫を名乗る方からのメール、その本文のみを読む限り、悪意があるようには見えない。にも関わらず、どうして私がspamと断定するのか。それについて、複数受け取っていることによる分析と、メールヘッダの調査による2つの観点から論じてみる。

2.1■全部で4通、3つのpostmaster宛に来た

 自分は複数の独自ドメインを所有し、それにより多数のメールアドレス(言わば無限数のメールアドレス)を持っているが、前述の中村充夫氏からの恭賀新年は全部で4通届いた。

順番宛先(仮名)着信日差出人アドレス(詐称のため一部XXにて伏せ字)
1通目postmaster@独自ドメインAFri, 2 Jan 2026 14:35:07 +0900info <tubublw@XXXX-container.com>
3通目postmaster@独自ドメインBSat, 3 Jan 2026 09:02:13 +0900info <fcpj@XXXX-shop.net>
4通目postmaster@独自ドメインCSat, 3 Jan 2026 23:46:48 +0900info <ptlhknie@can-XXX.net>

 以上に届いたメール3通は前節で紹介したものとすべて内容同じ。

2通目postmaster@独自ドメインASat, 3 Jan 2026 04:59:38 +0900info <rwrxquun@XXXX-hudousan.com>

 この内容は少しだけ内容が違う。以下のようにメール本文中に宛先が書かれている。

XXマンションセンター有限会社
XXXXさま:
明けましておめでとうございます
本年もよろしくお願いいたします
中村充夫

 この宛先はXXXXの部分は伏せ字にしたが、勿論自分ではない。実際に調べてみるとWebサイトが存在しており、実存する有限会社、代表者のようだ。冒頭の注意書きで述べたように、「中村充夫」の名前も間違いなく詐称だが、この宛先も間違いなく全く根拠のないもので、spammerが適当にWebサイトから引っ張り出してきたものに違いない。

 差出人アドレスはいずれも存在するメールアドレスで、それぞれ独自ドメインのWebサイトが存在する。

XXXX-container.com:東京都大田区の電気工事事業者
XXXX-shop.net:東京都の古物商
can-XXX.net:個人運営の通販ショップ
XXXX-hudousan.com:東京都足立区の不動産屋

 これらは間違いなく詐称メールアドレス、ドメインである。(よってXXXXとして伏せ字にしている。)

 長らく、spamメールでは差出人に勝手に第三者を名乗るのが日常になっており、25年ほど前に自分は以下のようなWebページを作っている。
あなたの苦情で無罪の人が泣いている
スパム行為冤罪被害対策調査室(spamアドレス詐称被害対策調査室/Spoofed,Forged Email問題)

上記のようにspamメールの差出人は大部分、第三者の詐称であるため、spamのエラーメールや言われもない苦情を受け取っている被害者です。特殊な事情がない限り、spamに返信をすべきではありません。

 仮に、仮に出である。最初の1通しか受け取らなければ
・東京都大田区の電気工事事業者
に所属している
・中村充夫さん
が、何かの間違いで自分に恭賀新年メールを送ってしまった、
とも考えられるが、この中村充夫さんとやらが
・東京都の古物商
・個人運営の通販ショップ
・東京都足立区の不動産屋さん
にも属しており、それを名乗ってメールを送ってきた、というのは100%あり得ないだろう。

 さて、電子メールには「メールヘッダ」というものがある。メールヘッダの中には差出人アドレスや宛先アドレス、着信時間などが含まれるが、その他にも発信から着信までの履歴がある程度記録されており、情報を得ることが出来る。

Return-Path: <>
Delivered-To: ***@***.com
Received: (qmail ***** invoked by uid 89);
2 Jan 2026 14:35:17 +0900
Received: from unknown (HELO *****-container.com) (133.125.236.xxx)
by ***.com with SMTP;
2 Jan 2026 14:35:17 +0900
Received-SPF: none (***.com: domain at *****-container.com does not designate permitted sender hosts)
Message-ID: <********@*****-container.com>
From: info <****@*****-container.com>
To: postmaster@*******.org
Subject: 恭賀新年
Date: Fri, 2 Jan 2026 14:35:07 +0900
MIME-Version: 1.0
Content-Type: multipart/alternative; boundary=”—-=_001_********”
X-Priority: 3
X-Mailer: Supmailer 45.1.1
X-Text-Classification: spam-j

 今回メールヘッダは上の内容(個人情報、詐称情報を含むので一部は伏せ字)だが、それをChatGPTに分析させたところ、以下のような結論となった。

技術的事実だけを積み上げた結論
感情や推測を排して整理すると:
・Return-Path: <>
・SPF 未設定
・Supmailer 使用
・From ローカル部がランダム
・宛先と配送先の乖離
・postmaster 宛年賀挨拶という非合理性
これらは 単独でも怪しいですが、
同時に成立するのはスパム以外にほぼ存在しません。

との結論を出してきた。
 すなわちこのメールは技術的にも一般の人が出すようなメール送信手段では送られていない、それは単独のメールのヘッダを見ただけで分かるのである。

2.3■以上によりこのメールはspamと100%断定

 以上のような2点により、本文だけではspamとは断言できないこのメールも、100%spamメールだと断定できるのである。

3■このspamメールの目的は?

 一般にspamメールの目的は受信者から金もしくは情報を巻き上げることである。その手段として主に二つの方法を狙う。

1.メールのやりとりを開始、続けさせる。(ナイジェリアからの手紙、419詐欺、ロマンス詐欺)
2.メールの中にWebサイトのURLを載せ、そこにアクセスさせる。(フィッシング詐欺)

 ところが今回のメールは差出人アドレスに詐称と思われるものを使い、またメール本文にはURLを載せていない。上の両方の目的とも達成することは出来ないように見える。考えられるのは

1.メールアドレスの有効性確認。
2.あまり使われないメールアカウントでメールが届いたことを注目させ、その後に届くメールに注意を向けさせる。

などである。実際、この後で、3者のアドレスいずれにも以下のようなフィッシング詐欺spamメールが届いた。

 毎日150通以上spamを受け取っている自分だが、特に
postmaster@独自ドメインA
というアドレスへのspamはこの5年間で今回の自称:中村充夫氏からのメールが初めてだったようだ。それが今回、自称:中村充夫氏のspamが届いた後、ほどなくして上の詐欺spamメールが届いた。偶然とは思いがたい。

 まあ上のように書いたものの、疑問としてはいろいろあるが、正直、spammerの考えることなど分からないし、分かる必要も無い。

 spammerは詐欺者であり、犯罪者であり、人から金を奪うことしか考えていない碌でもない連中だ。2節3節で書いたように、このspamが他の大多数のspamと同様なspamなのは明らかであって、そうである以上、spammerの意図であれこれ思い悩むまでするのはアホらしいことである。

4■このspamの悪質さ

 spamメールはおしなべて迷惑で、悪質な物であるが、本spamは悪質さを極めている。その理由を挙げる。

1●postmaster宛に送ってきている

 上述のようにpostmasterのアドレスというのはドメイン管理者が設置を義務づけられているアドレスで、ドメイン管理者である以上、受け取りを拒否することは出来ない。独自ドメインを使ったメール管理では、たとえばabc@独自ドメインというメールアドレスのspamが増えた場合にはabc@独自ドメインのみの使用を停止し、受け取りを拒絶することが出来る。ところがpostmasterのアドレスはそういうわけにはいかない。

 「postmaster宛先を悪用しない」というのは、最低限のモラルであるべきなのに、このspammerは平然とそれを破っている。上述したように私は件の独自ドメインを5年間使用しているが、その独自ドメインのpostmaster宛にspamが届いたのは初めてである。(他の独自ドメインにはあるが。)

 これを見ても、通常のspammerは犯さない禁忌を犯していることが分かる。

2●実在の人物の名前を騙っている

 spamメールで個人の名前が騙られることは必ずしも多くない。最近ではフィッシングメールで実在の企業、サービスが騙られているが個人は普通騙られない。それが騙られなた場合、同姓同名の人物が青天の霹靂とも言える被害を被る可能性がある。

3●本文中の宛先でも実在の企業、人物を使っている

4●差出人アドレスでやはり第三者ドメインを詐称している

 これはspamではもはや定番なのだが、差出人アドレスで、勝手に第三者のメールアドレス、ドメインを名乗っている。しかも、あたかも返事を送られそうな内容にしているにもかかわらず、アドレスを詐称しているのだ。詐称された方々のところにはエラーメールが山ほどと、
「中村充夫さん、こちらは存じ上げませんよ、間違えではないですか」
「こちらはマンション管理センターではありませんよ」
というメールが多く来ているのではないかと危惧される。

 もっとも、postmaster宛にしか出されていないspamならば、一般にpostmaster(ドメイン管理者)のネットスキル、知識は高いことが期待され、本メールもspamと判断し、返信などは送らない人がほとんどであろう、と思いたい。

5■ネット上の情報

(追記予定)

6■終わりに~spamが憎い

 当初は最後の節として情報募集を呼びかける文章を作ったが、正直、個別のspamに煩わされることは正直、かなりアホらしい思いがあり、訪問者にその時間を割かせることも申し訳ないように感じたので止めることにした。(コメントで自発的に情報を頂くことは歓迎する。)

 自分は25年前にspamメール問題で啓発サイトを作り、ネット上の多くの仲間とこの問題に取り組んだ。それは今のようなspam塗れの電子メール社会になることを危惧したからだったが、残念ながら危惧したような状況となり、電子メールは現在、信頼できないツールになってしまっている。まっとうな契約企業からのメールと、フィッシングメールは多くの人にとって区別が付かず、メール本文中のURLは怖くてクリック出来ないような状況になってしまった。2025年春に証券会社各社で発生した不正アクセス事件はフィッシングメールが原因となっているという説があり、それはspamメールに他ならない。

 電子メール一ユーザとして活動していたに過ぎないが、どこか忸怩たる思いがあり、またとても残念な思いだ。
 spamとspammerが、本当に憎々しい。

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