本記事は2018年6月15日に発売されたSIMフリースマートフォンASUS ZenFone 5Z(ZS620KL)のレビュー記事2回めである。前記事は以下。
「ZenFone 5Z(ZS620KL)購入後レビュー(1)操作感、画面、ノッチ、指紋認証、顔認証」
レビューにあたっての比較対象となる前の機種についてはその記事の冒頭で紹介しているので参照されたい。
●動画と音楽再生、サウンド、スピーカー
動作のトロさでは不満の多々出始めていた
前機種 ZenFone2Laser(ZE601KL)
であるが、音楽再生や数十MB以上のお気に入り動作の再生については意外に不満な動きはなく、カクつくようなこともなかった(使用アプリはPowerAMPとBSPlayer)。ステレオスピーカーで音質も十分に感じた。
前機種でもそうなくらいなので本機種ZenFone 5Z(ZS620KL)での音質は良く、ステレオスピーカーもなかなかの迫力がある。
自分の歴代スマホ13台の中でほとんどがモノラルスピーカーで、ステレオスピーカーな機種を使い始めたのはかなり最近だが、モノラルスピーカーはやはり音がイマイチだった。今のメインパソコン(モバイルパソコン)もモノラルスピーカーで音はイマイチで、ジャンクショップ?特価999円で購入した
TMY製BluetoothスピーカーBSB-03BS
で聞くほうが遥かにマシな状態だ。それらに比べると前機種ZenFone2Laser(ZE601KL)や本機種ZenFone 5Z(ZS620KL)はステレオスピーカで音も十分だと感じ、別なスピーカーを繋げる必要性を特に感じない。
またZenFone 5Z(ZS620KL)は今までの機種に比べて音量がかなり大きい。私はBluetoothにせよスピーカーにせよ「大音量」で聞きたくなることが時々あるのだが、今までのスマホなどでは最大音量にしてもイマイチ物足りずにイコライザを使ったりすることもあった(そうすると音が割れてかなりひどい)。しかし本機種ZenFone 5Z(ZS620KL)は音がもともと大きいように感じられ、イコライザが欲しいと思うことがとても少なくなった。
なお、この機種もイコライザ的な機能で周囲の音が煩い場合のための音量を上げる機能が付いていた気がする(具体的には失念)のだが、使ったところかなり音量が割れた。
音量が大きいという点については従来スマホの音量は自宅に帰ってくると全音量最大にして枕元に置いておくのだが、本機種は通知音も大きめなのでそれも絞っておくようになったくらいなので、やはり音量が従来の機種に比べると大きめなのだと思われる。
これに関する設定としては(Oreoの機能なのか分からないが)「音とバイブレーション」の「ボリュームの同期」で着信音と通知音を一緒にするかしないか選べる。さらにAI機能の中に周囲の音により着信音を自動調整してくれるAI着信音というのがある。
動画再生だが、前記事で書いたようにこの機種は16:9の旧タイプ6インチに比べると画面の幅は大きくない。動画は得てしてスマホを横置きにして再生するわけだが、昨今動画はワイドなものが増えたとは言え、本機種ZenFone 5Z(ZS620KL)19:9を横置きにした時ほどワイドな画像は多くなく、そうなると液晶の縦の長さ、すなわち横置きにした時の横幅の長さを多くの動画では活かすことが出来ない。すなわち以下のような問題が発生する。
- 普通に表示するとかなり大きな左右に黒い帯を発生させる。
- 映像のアスペクト比を19:9に合わせるとかなり変形する。
- 映像の拡大を(横置きの)横幅に合わせると映像の上下が切られることになる。ワイドな映像は得てして左右が切られることを想定して作られているが上下が切られることを前提に作られることは少ないので不自然になる。
ということで、自分のお気に入り動画は16:9の6インチ機種の方が映像が大きく迫力があったし、本機種ZenFone 5Z(ZS620KL)では縦(横置きでの幅)が大きいからといって自分のお気に入り動画ではそれを活かせない。
この点ではやはり16:9の5.8インチ機種Xperia XZ2 Premiumの方が楽しそうである。
●デザイン
この機種は画面占有率が高く90%だとされ、レビューではしばしば指摘されている。ただし「GSMARENA」では83.6%となっているが(基準が違う?)。
確かに見た目にも画面占有率が大きいことが実感出来、特にノッチにまでした上部の作りはベゼルを小さくしようとした意気込みを感じる。ただし近年のGalaxyシリーズ特にEdgeなどのように極限までベゼルを小さく、もしくは小さく見せようとした感じはなく、ベゼルははっきりと残存している(感覚的に1mmくらい以上)。また上辺部と異なり、下辺部にはそれなりの幅があり、これはステレオスピーカーの片方を配置するためらしい。
Galaxy Edgeのようにはなっていないものの、液晶の縁は若干丸みを帯びており、私が選んだような強化ガラスタイプの硬い液晶シートだと端まで貼れず、何となく液晶より一回り小さい感じの液晶シートになってしまっている。(通常の柔らかい液晶シートでは端まで貼れるものをウリに売っていたものがあった。)
ノッチについては前回の記事 で書いた。
裏側は鏡面?作りになっていて放射状に光が反射している。裏側も液晶並みに指紋などが付きやすく汚れやすい。高級感はあると言えるのだろうか。
表は液晶、裏は鏡面仕上げ、厚みは7.7mmということで「板」という感じの作りになっている。その点は液晶の大きさで自分が惹かれているXperia XZ2 Premium(「ランチパック」と揶揄されている)とは対象的な作りと言って良い。
ただ本機種には標準でゴム製の透明ケースが付いていて、自分もそれを装着しているが、それをつけると鏡面の煌めきは残るとは言え、高級感ははイマイチ失われる感じがする。
裏面真ん中の指紋認証と裏面左側のカメラの配置がそこそこ離れているはとても良い。自分はいくつか前の機種から、スマホを取り出す時にカメラのレンズを触ってしまい、汚れて撮影写真がぼやけるということが良く起こり、レンズを拭く手間が悩みの一つとなっていたが、本機種の配置だとなるべく真ん中を触るようにしてレンズを触ることを避けることが出来ている。
色はミッドナイトブルー、、、、じゃなくてシャイニーブラックとスペースシルバー、自分は前者である。多少青みというか紺が入った黒である。
個人的には青とか赤とかが好きだがスマホでは基本的に機能優先なので深くは拘らない。
●バッテリー容量
バッテリー容量は3400mAh。最近のAndroidスマホとしては大きい方だろう。
バッテリー取り外しは出来ない。 もう一度書く、ユーザーによるバッテリー交換は出来ない。
自分にとって液晶6インチへの拘りがこの3年半のことなら、バッテリー取り外し可能(交換可能)についてはスマホを買い始めて8年半、ほぼバッテリー交換可能機種を買ってきたし、予備バッテリーは必ず買って持ち歩いて来たという強い拘りがあり、ブログの記事にしてきたくらいだ。
→Galaxy S6の衝撃:バッテリー交換可能、取り外し可能スマートフォンは消滅するのか? ハマる生活/ウェブリブログ
その記事の頃に危惧したように2018年現在、バッテリー取外し可能な機種はほとんど絶滅しかけており、ハイエンド機(ハイスペック機種、フラグシップ)であるなら尚更だ。とうとう私もメインスマホではバッテリー交換可能を諦めることとし、本機種ZenFone 5Z(ZS620KL) がまともに使う初めてのバッテリー取り外し不可(すなわちバッテリー内蔵)機種である。
さてZenFone5の3機種が発表された時、5Zだけは待ち受け時間が発表されず「計測中」となっていたが、発売後二週間経つ6/30も公式サイトでは未だに未公表である。
私が今回本機種ZenFone 5Z(ZS620KL)を買う気になった理由の一つのは前機種ZenFone2Laser(ZE601KL)のバッテリー管理を評価したからであった。すなわち「自動起動マネージャー」が数日間使っていないアプリは止めてくれるなどしてくれて、全体としてバッテリー消費減へのASUSへの心意気が感じられた。本機種でもその「自動起動マネージャー」は導入されており、バッテリー消費抑制の機能の大きな柱となっている。
バッテリー関係の調整アプリは「モバイルマネージャー」というアプリの中の「PowerMaster」の中にまとめられていて「自動マネージャー」はその中の一つであり、その他にも「バッテリーモード」「節電オプション」などがある。ただ私はバッテリーを節約するために使い勝手を落とすのは嫌いなので、どの程度の使うかはバッテリーの減り方により調整する予定。
二週間使った状況でのバッテリー消費加減であるが、は前機種ZenFone2Laser(ZE601KL)と大きくは変わらず、すなわち概ね会社に出勤する日は帰りまでバッテリーが尽きること無く済むことが大半である。バッテリーが尽きそうになって帰り着く前に給電したことは1ヶ月の中で2回程であった。
●バッテリー充電性能
バッテリー充電速度は相当早く、付属のACアダプターであれば1時間で50%以上充電可能なようだ。1分1%以上の充電速度の時もあり、たとえば充電時間64分間で11%→94%という時があった。
私はバッテリー状況把握にBatteryMixを愛用しているが、今までの機種では赤線の「充電中」表示になるのにこの機種では青線の「使用中」という記録になる。通常ではない充電機能を使っているのであろうか?
ただしすでに多くの方は御存知だろうが、昨今のスマホの充電能力は付属のACアダプタ、USBケーブルに依存し、一般には製品付属のそれらで最適化されていることが多い。それらを使わずに、パソコンから充電した場合には赤線「充電中」になり、この時は充電性能が著しく高いとは云い難かった。1時間で30~40%ほどだったようだ(すなわち0.5%/分くらい)。
自分は自宅外で充電するのが嫌いなこともあって、バッテリー交換可能に拘ってきた。外で短時間に充電するにはACアダプターで行うに越したことはないが、しかしその為にわざわざ持ち歩きたくない。ケーブルとパソコンだけなら普段持ち歩いてるので良いのだが。
3回目に続く、、、、かも。