[電脳] 「グラボ新調」(1/3) BattleField2142のために~VGAの基礎知識

 バトルフィールド2142というゲームをするために、グラフィックボードを買うことにした。当記事ではグラフィックアダプターに関する2006年現在の知識を概観しよう。

[推敲度 1/10]

[自作パソコンパーツとしては特殊なグラフィックアダプター]

 グラフィックボード(略してグラボ、別名グラフィックアダプター=G/A、ビデオカード、ビデオボード、グラフィックカードなどなど、呼び方は多い)は自作パソコンユーザの中でも金をかける人とかけない人が極端に別れるパーツである。

 WindowsXPの場合、ゲームを中心とする3D処理の必要性がある人だけが高機能なグラボが必要で、それ以外の人はマザーボードにおまけ程度についているオンボードVGAによる画面出力機能で十分なのだ。

 しかもビデオカードの値段は新品でも下は6000円ほどのものから、上は5,6万以上の製品まで多く出回っているのである。(すごいと思うのは高いビデオカードも全く珍しいものではなく、すなわちそれを買う人も多いということだ。)

 実際、私もスターウォーズバトルフロントをするまで、高性能なグラボはほとんど必要はなかった。その経緯は以前にホームページの方に載せている

 その前はせいぜいDVD表示のために少しはマシなグラフィックアダプターが欲しかっただけである。当時はマザーボードのオンボードでついているVGA(ビデオグラフィックアダプター)は貧弱だったが、現在ではDVDを見るくらいの作業だったらオンボードのVGAで十分だろう。

 だがスターウォーズのゲーム「バトルフロント」は私をFPS(ファーストパーソン・シューティングゲーム)というジャンルのゲームに目覚めさせ、FPSでは有名な(というかバトルフロントと同じ製作会社の)ゲームであるバトルフィールドの最新作「バトルフィールド2142」をやってみたいという気にまでさせてしまった。

 そんなわけで、ソコソコの性能のグラボが必要になってしまったのだ。

 StarWarsEA BEST HITS BattleFrontはFPSゲームとしてはあまり評価が高くないようで、だからなのかグラボの性能もずば抜けて高いものは要求していなかった。3Dゲームをするには最低限のレベルと言える
GeforceFX5200
で十分な程度だった。

[ATiとnVidiaすなわちRadeonとGeforce]

 現在、ビデオカード業界を二分しているのがチップメーカーであるATinVidiaという会社である。それぞれRadeonGeforceという名称ブランドの製品を作っている。

 面白いのは上の会社、ブランドはビデオボード(基盤)の上に載っているチップの話であって、そのチップを乗せたビデオカードはいろいろな会社から出ていることである。
 ビデオカード全体がチップメーカ純正の品もあるにはあるが、他のメーカーのものがわんさかとあって、普通はそれを使うことが多いようだ。

 だからとりあえずビデオカードを選ぶ場合には、どちらのチップメーカの製品にするか、すなわちRadeonとGeforceのどちらかを使うかを決めることになる。

 私の場合、バトルフロントの時に最初に買った3D用ビデオボードが
ASUS V9520/TD
GeForceFX5200 128M AGP
というATIチップのASUS製製品。

 その次に買ったのが
Gecube GC-R96XTG-C3
Radeon9600XT 128M AGP
というnVidiaチップのGecube製品。

 この両者の関係は、ランク的には
GeforceFX5200<Radeon9600XT
だったようだ。
 私の場合、上の2社の間には特にコダワリがないので、なるべく両方の製品を経験して行きたいと考えており、そうなると今度はランク的にも順番的にもGeforceがいいなあ、と考えた。(実は上で買ったRadeon製品がイマイチだったせいもあったりするが。)

[とにかく複雑なチップの比較]

 それにしてもビデオカードのチップほど、どれが良いのか悪いのか、どのようなランクになっているのか、さっぱりワケワカメな製品はない。
 私が気に入っている頁にshima様

・各ビデオチップについて
http://laputa.cs.shinshu-u.ac.jp/~shimahara/vgachip.html

というサイトがあって、ビデオチップについて丁寧・詳細に解説してあり、しかも大体のランク付けがしてあるのだけど、そこを見てもチップ名が非常にややこしいことが分かる。

 チップ別の性能順位について、その頁からとりあえずコピペさせて貰うと以下のようになるらしい。

●Radeonシリーズ内の性能(shima様の判断によるおおよその性能)
X1900XTX > X1900XT > X1800XT > X1800XL > X850XT PE > X800XT PE > X850XT > X800XT PCIEx > X800XL > X1600XT > X850Pro > X800Pro > X800GTO > X1600Pro > X800 > X800GT > X700Pro ≒ 9800XT > X1300Pro > 9800Pro 256MB ≒ 9800Pro ≒ X800SE > 9700Pro > 9800 > 9700 > X700 > X600XT > X600Pro ≒ 9600XT ≒ X1300 > 9500Pro > 9800SE > 9600Pro > 9500 > 9600 ≒ 8500 ≒ X300 ≒ 9200Pro > 9100 ≒ 8500LE ≒ 9000Pro > 9200 ≒ 9000 > 9600SE > 7500 > 7500LE > 9200SE > 7200 > 7000

●GeFoeceシリーズ内の性能(shima様の判断によるおおよその性能)
7800 GTX SLI > 7800GT SLI > 6800 Ultra SLI > 6800GT SLI > 7800 GTX > 6800 SLI > 7800GT > 6800Ultra > 6800GT ≒ 6600GT SLI > 6800 > 6600GT > FX5950 Ultra > FX5900 Ultra > FX5800 Ultra > 5900 > 5900XT > FX5800 > 6600 > FX5700 Ultra > 4Ti4600 > 4Ti4400 > FX5700 ≒ 6200 > 4Ti4200 > FX5600 Ultra > 3Ti500 > FX5600 > 3Ti200 > FX5200 Ultra > 4MX460 > FX5200 > 4MX440 > FX5600XT > 2GTS > 5200(メモリバス64bit) > 256(DDR)> 4MX 4000 ≒ 4MX 440SE ≒ MX420 > 2MX400 > 2MX > 256(SDRAM) > 2MX200

 なんか傾向があるような、無いようなで、製品同士の比較がすごく難しい。

 おおざっぱに言って、RadeonもGeforceも数字が大きい方が性能がよいのだが、必ずしもそうでにし、特に数字の後につくProとかXTとかGTとかGSが結構大切で、それらによっては前者の数字の逆転がしばしばあるようなのだ。

 Shima様の頁ではチップの特徴についても細かく書いて下さっているので非常に参考になる。(ただし新しい製品の説明を付け加えていく形なので、すでに古いチップについてもリリース当時に近い雰囲気で書かれていることに注意。)

 Geforceの製品をなるべく買おうと思ったことは述べたが、そこでShima様の記述を見ると、Geforce7600というのがミドルレンジ(すなわち中庸)のランクの新しい製品らしい。
 ふむふむと思っていると全く別な頁の
「DOS/V Power Report 特選!!!!! 安うまパーツ2006 ビデオカード」
 http://www.dosv.jp/other/0610/06.htm
で知ったのだが、今年2006年の特徴はオーバーロック仕様の、コストパフォーマンス高い製品が出たことだそうで、しかもオーバークロック製品はATi社は当初それを認めなかったので、nVidia社製すなわちGeforceのものが主だったという。

 その代表が新しいチップであるGeforce7600GSの製品で、これが1万円代でほどほどのパフォーマンスの製品らしいのだ。

 まあそうでなくても、値段的に見た場合、Geforce7800以上はハイエンド向けと言うことで2万とかを超えることが多い。私が今まで買ったビデオボードは高くても1万円強だったので流石に二万円以上を出す気にはなれない。
 一方で安い方、つまり値段が1万円を切るようなやつは、私が前に買ったGeforceFX5200やそれよりは結構イイらしいRadeon9600XTと大して性能が変わらなさそうである。
 ということで、値段的に見ても、自然にGeforce7600GSに目を付けることになったと言える。

[規格は?ファン付き?ファンレス?]

 規格についての話についてであるが、2006年現在、パソコンパーツの規格移行がいろいろあることは以前に述べた。ビデオカードの規格もその重要な一つだ。
 すなわち、従来のAGP規格からPCI-Express x16への移行が進められている。私が今回買う規格は新しい
PCI-Express x16
のものを買うことに決めていた。

 現在まだまだ市場にはAGP製品も多い。店頭では半々くらい、最近ではちょっとPCI Express x16が押してきたかな、という感じである。だからAGP製品を買うのはまだまだアリかもしれない。しかしマザーボードは
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 (つづき)  そんなこんなで、急速にAMDのCPUを中心とした自作パソコン新構成への気分が醸成されていた。「急速に」と述べたが、メモリとグラフィックカード各々の新旧規格を意識した両対応マザーボードを明確に意識し始めたのは2005年6月のことであって...というのも自作パソコンのコミュニティにて 「両対応マザー(もしく...

775Dual-VSTA
 この記事とは別に さらばPentium、Core2DUO発売記念リンク集 を作っております。そこではCore2DUOのベンチマークを行ったサイトなどを中心にいろいろ紹介しておりますので、御関心のある方は是非どうぞ(^^)。  この話題、もう一度引きずることにする。 ◆↓広告↓◆ (私も買った)TWO TO...
など、折角PCI-Expressを使える製品を整えたのだから、今更AGPでもあるまい、という気持ちが強かった。(今から考えると上のような両対応製品を買ったからこそ、AGPでもよいではないか、とも言えるのであるが。)

 次にファンレスとファン付きがある。私が今まで買ったのはファン付きで、実はファンの異音にも悩まされているのであるが、しかしファンレスに対しては「そんなにうまくいくんかいな」という疑念がある。昨年の夏から温度の問題には敏感

になっているので、無理にファンレスを選ばなくても、というよりもファンレスよりも少しでも安い値段で性能が上がって欲しい、という思いがある。まー、どーせビデオカードのファンが無くても、CPUファンや電源ファンの音が相当あるし、という諦めもあった。

 実はこれで痛い目に遭うのだがそれは後の話

 値段的にはファンレスとファン付きはあまり変わらないように見える。とりあえずはファン付きで行こうかと考えた。

 まあ以上のような見繕い、すなわち
・チップはGeforce7600GS
・目指すは1万円代
・同じ値段ならファン付き?
というくらいを目安にして秋葉原に向かうことになった。

グラボ新調(2/3) 「目指せGeforce9600GS!店頭での戸惑い様々」につづく 

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