(つづき)
というわけで、とりあえずは「強引な上書きインストール」でお茶を濁そうとしたのだが、所詮は濁ったお茶であって、クリーンインストールと違って気分的には全くすっきりしない。しかもアプリケーションは再インストールし直しだから通常のOSクリーンインストールに比べてその後が楽になるわけでもない。
こんなことなら、やはりHDDフォーマットを含むクリーンインストールをしてしまいたい。
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しかし相変わらずデータの待避などは面倒だ。それならいっそのこと新しいハードディスクを買って、そこにインストールを行い、データについてはそこから少しずつ戻したいなあ、そんなことをすぐ考え始めた。手間の軽減を金で買うのである。
実際、ハードディスクの容量もここ最近、若干不足しがちなこともある。今回のようにクリーンインストールをしたい場合に、十分にデータを待避させる余裕の領域も確保できない状況なのだ。
実はなけなしで買った250GBのハードディスクをいつの間にか壊しちゃったりしているので、ハードディスクは不足気味なのだ。その一方で世の中でのハードディスクの大容量化と低価格化は相変わらず進んでいる。
ということで、ハードディスクを買うことを検討し始めた。
[さらに一歩進めちゃおう!]
そんなところでさらに思ったのがシリアルATAの導入である。
自作ユーザなら御存じの人も多いと思うが、現在の自作パソコンは移行時期にある規格が多いのだが、その一つがHDDのコネクタだ。
IDEの規格は長らくパラレルIDEであったが、その次世代の規格が数年前から普及し始めており、それがシリアルATAである。最近のハードディスク市場はシリアルATAとパラレルIDEがほぼ同数を占めている状況になっている。
[シリアルATAハードディスクのメリットはない!?]
だが私は、シリアルATAには全く手を出すつもりがなかった。というのも、シリアルATAのメリットはパラレルATAに比べて大きいものではないとすごく感じていたからだ。
シリアルATAのメリットを解説したページに
・元麻布春男の週刊PCホットライン 普及の兆しが見えるシリアルATA
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0712/hot375.htm
などがあるが、そこを読んでも私としてはメリットを感じないのだ。SATAのメリットの導入は以下の5つだと言う。
1) 広いインターフェイス帯域
従来使われていたパラレルATAの帯域が133MB/sec(UltraDMA/133)が上限となっているのに対し、SATAのスタート地点は1.5Gbps(150MB/sec)と上回る。
→って1割しか早くならないやんかっ!
2) 将来に向けた帯域拡張のロードマップ
1.5Gbpsはほんの始まりに過ぎず、3Gbps(300MB/sec)、6Gbps(600MB/sec)と倍々に拡大していくロードマップが計画されている。現在、3Gbpsに準拠した製品が出始めたところだ。→ぐう、やっとパラレルIDEの2倍レベルが始まったところ?
3) マスタースレーブの設定が不要
これには2つの側面がある。1つは使い勝手の向上、もう1つは性能面でのアドバンテージだ。まず前者だが、パラレルATAでは1つのチャンネルに2台のデバイスを接続することが可能なものの、それぞれのデバイスについてマスターとスレーブに設定する必要があった。
→しょちゅう変えるわけでもあるまいし、別に設定が面倒だとは思わんが。
4) 小型のコネクタ
SATAは、2対の差動信号線(AペアとBペア)と3本のグラウンドの計7本の信号線で構成される。したがって40ピンもあるATAに比べ、はるかに小型のコネクタで済む。小型のコネクタはコスト面で有利なだけでなく、脱着のしやすさも意味する。
5) 細いケーブル
信号線が7本しかないSATAのケーブルは、パラレルATAのケーブルに比べ細い。これはケーブルが安価に製造できるだけでなく、PC内部の通風を妨げない、という利点もある。また、最大ケーブル長も1mと、パラレルATAの規格上の上限値である46cmの2倍以上となっており、大型のケースでも使いやすい。しかも実用上、パラレルATAは46cmといっても、同じケーブルに2台のデバイスを接続する関係上、46cmという長さを十分に生かせないことも少なくなかった。
→これについては全部のHDDで実現されたら確かに筐体内がすっきりして良さそうだが、そうでなければ効果が薄い。
加えて...
6) HDDの大きさは変わらない
7) ホットプラグには結局対応していない
以前に唯一少し惹かれる話としては、シリアルATAがホットプラグに対応するという話があった。ホットプラグというのはUSBのようにパソコンの電源をつけたまま、コネクタの取付取外が出来るもの。IDEケーブルは電源を入れたまま外したりしてはいけない規格の代表であったので、それがホットプラグになるとちょっと嬉しい感じがするのだ。
ところがシリアルATAでのホットプラグも結局完全には導入されなかったらしい。
まあそんなこんなであるから、私にはSATAがメリットなのか未だにさっぱり分からない。
そんなわけで以前にはさらさら導入する気はなかったのだが、それが今回導入する気になったのは...
- 私が検証している「OS再インストールなしにマザーボード交換」
にてシリアルATAでの検証が長らく懸案事項になっていること。(この問題の識者としてSATAの場合には何も言えないのは結構問題)
- 将来的にシリアルATAに移行するのは避けられない雰囲気がある?
実際、IDEコネクタが一つしかないマザーボードなども登場しているようだ。現在の規格の製品が使えないようになるかもしれない、という不安感はかなりのものがあり、本当に移行が進むのなら早いうちに準備をするに越したことはない。(ただし様子を見ているうちにその規格の普及が結局普及しない、すなわちポシャるといのはよくあるようだ。)
- もともとは自分の十八番の敗北から生じたイベントを前向きな事象に転換するため。(「災い転じて福と成す」ということ)
だがどの理由も絶対的なものではないことは一見して明らかだ。我ながらなんという強引な論法だろう!まあ所詮自作なんて
「そこにパーツがあるからさ」
というものに過ぎないと言える。
[目指すドライブ構成]
私の場合の現状と目指す構成は以下のようなものである。
●現状
HDD0:IDE
Drive C:(WindowsMeのシステムドライブ)
HDD1:IDE
Drive D:(WindowsXPのシステムドライブ)
Drive E:
●目指すもの
HDD0:IDE 以前のもの
Drive C: (WindowsMeのシステムドライブ)
HDD2:SATA 新しいもの
Drive D:(WindowsXPのシステムドライブ,、新規インストール)
Drive E:
Drive F:
HDD1:IDE 以前のもの
Drive G:←元のDrive D:
Drive H:←元のDrive E:
その際に特にポイントになるのは2点。
- 「OS再インストールなしにマザーボード交換」
の体制は維持したいので、もしSATAでそれが出来ない場合には困る。
- それ以前に私にとってデュアルブートの環境は必須。上のようなIDEとSATAが入り乱れる使用法が可能なのか。
[下調べ、事前調査の手抜き]
ちなみに自作パソコンの素晴らしいところはインターネット上に情報がわんさかあるところである。また、各種コミュニティで質問をすることも出来る。だから今回のSATAハードディスク導入についても意見を聞こうかと思ったのだが
「OS再インストールなしにマザーボード交換」
については何しろ私が主な提唱者であるから、他人になかなか聞けない。というか、上の手法については批判的な意見も根強くあるようで、結構いろいろあり、OS再インストールなしのマザーボード交換に関し、SATAハードディスクでの状況を聞いたりすると、なんとなく個人的に不快な結果を招きそうな予感がした。
また、上のことではなくて単純なSATAハードディスクでのデュアルブートの可不可については、調べられたり、聞けたりしたかもしれないが、ぶっちゃけ、面倒になったのだ!(笑)
自作パソコンでは自分のパソコン関係サイトの緒言で書いたように、事前に調べようと思えば徹底的に調べられることが多い。私も、かなり徹底的な調査をすることがある一方で、それを省くことも覚えるようになった。
ごちゃごちゃ考える前に当たって碎けろ、ってそんなことが相応しい場合も結構あるのである。
[秋葉でお買い物]
ここまで考えていても、秋葉原に来ても、断固としてSATAを買おうと決心していたのではない。非常に逡巡していた。
この頃のHDDの値段は
AKIBA HOTLINEのHDD最安値情報(2006/10/21)
を見るとよく分かる。市場ではパラレルIDEとシリアルATAがほぼ半分ずつ出回っていて、値段は300GBまで程度だと両者ではほとんど差がない。
まあでも結局買う決心がつき
Barracuda 7200.10 (7200rpm,Serial ATA II/3Gbps)
ST3250620AS (250GB,16MB)
を購入したのであった。
(つづく)