[電脳]「939Dual-SATA2とAM2CPU Board」マザボとCPU交換(4/5)

 (つづき
 そんなこんなで、急速にAMDのCPUを中心とした自作パソコン新構成への気分が醸成されていた。「急速に」と述べたが、メモリとグラフィックカード各々の新旧規格を意識した両対応マザーボードを明確に意識し始めたのは2005年6月のことであって...というのも自作パソコンのコミュニティにて
両対応マザー(もしくはパーツ)をウォッチしよう!
というトピックを私が立てたのが2005年6月15日だったからである。それから早一年。(自分にとって)機は熟していたように思う。

[推敲度 5/10]

[出た!AM2 CPU Boardの発売]

 そんなこんなの6月初め、mixiのASrockコミュニティで「AM2 CPU Board」の発売を知る。

 すなわち以下のような記事の情報が流れた。
・「5000円でSocket AM2対応マザーボードに早変り! ASRockから同社製マザーに装着可能なSocket AM2拡張カード『AM2CPU Board』が発売に!
・「Socket AM2へのアップグレードカードがASRockから

 それを読んだ私は、もう矢も盾も堪らなくなってしまった。

[秋葉原へ直行、各店にはASrock AM2 CPU Board在庫なし]

 上の情報を元に秋葉へ向かう。
 faithで売られ始めたと読んだが、フェイスに行く前にDOSパラ、TWO TOP、クレバリーなどめぼしいパーツ屋で聞いてみたところ、AM2CPU Boardの入荷・在庫は確認できなかった。いよいよ本命のfaith(フェイス)に向かう。

 でフェイスで聞いてみたのだが、店員さんの反応がすぐにない。
 「あれ?」
 AKiba Hotlineに載っているくらい大話題なのに...不安が過ぎる。
 「もしかするとフライング記事?」
 むにゃむにゃという店員さんに
「でもAkiba Hotlineに載ってましたよ!値段も4980円とまで出てましたよ!」
と私にしては?ちょっと珍しく、激しく駄々をこねると店員さん達は一生懸命調べるのを続けてくれた。そして結構待たされた結果...

 「ありました、残った在庫一個です。」

 在庫一個....上のASCIIの記事は後で見つけたのだが、そこによればフェイスでは5/31から発売されていたとのことなので、私が買いに来たのは遅まきながら3日目だった。だがAkiba Hotlineの記事では正式に載った6/3にはもう売り切れてしまったことになる。

 ともあれ、今回の在庫唯一の残り一個を手に入れた私は、一緒に買ったSempron2800+、別な店で買った(フェイスさんごめん)939Dual-SATA2と共に家路を急いだ。

[何も考えずに組んで見た...で動かない]

 で、帰ってきて何も考えずにイソイソと組んでみた。
 「AM2 CPU Board
は20cm×15cmほどのかなり大きいボードでAM2ソケットとDDR2用スロットがついている。CPUとクーラーを取り附けるとズシリと重い。

(左)写真のオレンジ色の箱がAM2CPUボードの箱。ASRockの箱はマザーボードの箱は緑色なのが特徴だけれどもこのボードはオレンジだ。(右)CPUとクーラを取り付けた写真。ごちゃごちゃ別なものが映っていて見難いが結構大きいのが分かるだろう。

 早速接続してスイッチオン。
...がBIOSが起動しない。CPUファンは回り、通電はしているっぽい。さ~てマニュアルでも読むか~、と読んでみると「Future CPU Port 」の扱い方が載っており、ジャンパーを替えなくてはいけないらしい。まあそりゃそうだわな。

[ジャンパーを変えてもやっぱり動かず]

 が、ジャンパーを付け替えても起動しない。「うう~」。

939Dual-SATA2上の写真。写っているのはAM2 CPUボードを使う際に切り替えなくてはいけないジャンパーの一部と、AM2CPU BOARDを取り付けるための「Future CPU Port」。このポートに取り付けるためのボードが速やかに出ることは疑いの声もあったようなのだが、AM2のCPUが一斉発売されて10日余りで対応ボードが出たことはなかなか驚きだ。

 メモリを差す位置を変えたり、CMOSをクリアしたり、変なショートを起こしていないかマザボの置く場所を変えたりと、一通りを試すが同現象であった。

 さて、まずそもそも私はこの「AM2 CPU Board」にDDR2のメモリを差さずに、マザーボードにDDR1のメモリを差して動作させようとしていたことを述べねばならない。それで動いてこそ「メモリに関して両対応のマザーボード」だったからで、私はそれを期待していたのだ。そしてまた、ざっと説明を見たところ「DDR2メモリを差さねば使えない」とは注意書きがしていなかったから。
 だが上のように動かない状況で、その可能性を考えざるを得なくなった。また、そうやってASrockのサイトで紹介している頁などを読むと
「If you own one of those boards, you can upgrade to the AM2 platform by installing the AM2 CPU board with AM2 CPU + DDR2 memory. Thus you can save and prolong the usage of your board.」
などとあって、どう見てもやはりDDR2は必須のように読める。

[考えられる不具合原因]

 その結果、おかしい理由は以下のようなものが考えられた。

1・マザーボード939Dual-SATA2が初期不良
2・Sempron2800+が初期不良
3・AM2 CPU Boardが初期不良
4・AM2 CPU Boardがキワモノで特殊な条件を要求する(=私のやり方がおかしい)
5・メモリがDDR1では駄目でAM2 CPU BoardにDDR2を乗せねばならない

 このうち、1は判断が困難なのでとりあえず置いておく。2,3,4の可能性だが、これはSocket939のCPUを買って939DualSATA2と組み合わせて動くかを確認すれば判明する。5はDDR2 SDRAMのメモリを買って試せば良い。

 こうなると「Socket939のCPU」か「DDR2 SDRAMのメモリ」かのどちらかを買うことを迫られた。
 Socket939のCPUを購入したとする。それを取り付けても使えなければマザボの不良の可能性が大になる。加えて「とりあえず」買ったマザボを稼働することが出来る。ただし、おかしかった原因は2~5のどれかだったことが分かるが、それ以上は原因を絞ることが出来ない。
 DDR2のメモリを購入したとする。もしそれで使えるようになれば5であったことが明らかになり、全て解決するが、使えなかった場合には1~4になり、それ以上は問題点を絞れない。

 どちらを買っても決定的な原因究明にはならないことは同じだということになる。

[Socket939を買うことのジレンマと前向きなDDR2購入]

 そのような中で不具合状況打破の為に買う物を、メモリと939CPUのどっちにするか。

 Socket939のCPUを買うことは一端「AM2 CPU Board」とAM2のCPUの使用を諦めることになり、結構屈辱的なことである。とりわけSocket939のCPUは廉価版のSempronではなく、通常版のAthlonしかないので、値段が最低でも1万円台前半する。自分が買った本命のCPUよりもランクの高いCPUを検証の為に買わねばならぬ。これはケチるためにSempronを買った身としては悔しいことではないか。
 しかも、なんやかんやの後で仮に最終的にAM2CPUボードとAM2ソケットのSempronが使えるようになった場合、旧規格のSocket939のAthlonを使うか、将来規格のAM2のSempronを使うか、最終的な判断を迫られることになり、ややこしい事態となる。

 それに対してDDR2を買うことについては或る種、前向きなことであろう。両対応パーツを買うということはメモリもいずれ新規格のものを買うつもりだったのだから。しかもDDR2はDDR1よりも若干安くなっているくらいなのだ!

 そんなわけで、どう考えてもメモリを買う方が楽観的で前向きなので、もともと悲観主義の私であるが、自作パソコンでは悲観主義ではやってられないのを知っているので、不安を押し殺して楽観主義でGO!

[メモリを買ったが...状況変わらず]

 再び同じ日に秋葉へ向かい、メモリはクレバリーさんで「PC2-5300(DDR2-667)」512MBを2枚購入。相性保証付きで8737円であった。昨年買ったDDR1も当時こんなもんだった。昔に比べればメモリも隨分安くなったものである。

 こういう時の買い物が一番落ち着かない。不安と期待を抱えながら早々に帰宅し、今度はDDR2を差してみたが...やはりBIOSが起動しない!!ああ!

 で、悩んだが、もはや同日に秋葉に三度行くことは諦めている。
 とりあえず方針としては翌日以降、Socket939のCPUを買うしかない、と考えた。だがこれが使えても使えなくてもあまり嬉しい結果ではない。使えなければマザーボードの不具合、使えれば「AM2 CPU Board」周りの不具合が考えられ、どちらにしても困った事だからだ。

[もしかするとBIOSが原因?]

 だがいろいろ調べているうちにマザボ939DualSATA2の情報サイト
PukiWiki – 939Dual-SATA2
の「BIOS 1.70登場。CnQで電圧が1.1Vまで下がるように。Modify to support AM2 CPU Board.Windows上アップデートファイルもあり」という記述に気がつく。
 「うん?マザーボードのBIOSが最新じゃないとAM2CPU Board自体が使えない?」

 実はこの問題は以前にもこのボードの購入を検討した際に「ちら」と頭を横切ったことがあったのだがすっかり忘れていた。それはともかく、BIOSをアップするというのは無論、AM2 CPU Boardを使ってではなく、本来のSocket939のCPUを使ってである。

[BIOSアップの為に939CPUを買うのか!?]

 結局Socket939のCPUを買わねばならないではないか...とほほ、な結論である。

 そんなこんなをmixiのASrockコミュなどで吐露していたら、そもそも「AM2 CPU Board」の発売情報をmixiで流してくださった方が有力な情報と示唆に富むアドバイスを貰った。すなわちその方も別なASrockのマザボで似たような経験があり、その時もBIOSアップで解決したとのこと。BIOSアップはそれをしてくれる店が秋葉などにあるのではないかと言うこと。

 そこで探してみたところ、以前自作コミュで流れていた「AKIBA自作SPACE(秋葉自作スペース)」というサービスを思い出した。パーツの検証や組み立てのために、スペースと部品を貸してくれるというものだ。ここでSocket939のCPUだけ借りれば、自分でBIOSアップが出来るではないか!
 「これで行ける!」

 しかも現在では金曜と土曜しかやっていないとのことだが、奇しくもそのゴタゴタだった日は金曜であり、翌日土曜は昼から夜までそのサービスはやっているとのこと。これぞ天の思し召しに違いない!
つづく

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コメント

  1. コンミゴ より:

    バカじゃねーの。
    AM2や939はCPUにメモリーコントローラー積んでんのに。
    常識だよ。
    >「DDR2メモリを差さねば使えない」とは注意書きがしていなかったから。
    人を殺してはいけないという法律がないから人を殺しました。ってのと一緒だよ。

  2. Neo-japan より:

    こんにちは。
    今手元に939DualとAm2Boardがあります。
    10年経ってしまいましたがとても参考になりました。
    本日稼動し、Windows10-64bit導入完了です