自作PC8年ぶりのマザボ交換 Socket AM5のAMD Ryzen 7000シリーズに注目

昔使っていたIntelとAMDのCPU

[推敲度 5/10]

 自分は一応、20年以上自作パソコンを使っている。だが現在は熱心な「ジサカー」(自作PC愛好者)とは言い難く、前回CPU、マザーボードを交換したのは8年前にもなる。そろそろマザーボード周りを交換しようかと思い始めたのだが、そんな私が注目しているのがAMDソケットAM5対応Ryzen 7000シリーズだ。

この記事は当初、記事4回シリーズのうちの1回目のつもりで「1/4」とタイトルにつけていましたが、実際にはこの時にはマザーボード交換は行われず、記事もこの1回きりになったので「1/4」は外しました(2024/11/7)

  

[CPUメーカー、IntelとAMD]

パソコンCPUには2大メーカー、IntelとAMDがある。昔から有名なのはIntel(インテル)だ。日本では「インテル入ってる」のキャッチコピーで1990年代から有名で、自作パソコンとは無縁な人でもインテルの名前は知っている人が多いだろう。一方でAMD(エーエムディー)はIntelの互換品を作るところから始まり、2000年代には次第にインテルに張り合うような感じになり、ところどころでIntelより良い製品を出したりして、CPUの発展では重要な役割を果たしてきた。

 そしてとうとうCPU単体の発売ではIntelを追い抜く時期も発生するようになり、一般ユーザーが買うようなパソコンでも採用されるようになった。両者の長い長い戦いは下記のようなサイトで紹介されている。

・IntelとAMDの長いライバル関係を解説【2022年】 | BTOパソコンマガジン
https://btopcs.jp/hikaku/hikaku_cpu/inteloramd/

 私自身はAMDのIntel互換製品を2001年に買ったのが最初で、その後もAMD製CPUを3回ほど買ったようだが、8年前(2014年)のマザーボード更新ではIntelを選んだ。その頃、AMDはあんまりぱっとしなかったし、IntelのCPUはそのしばらく前からからCore iシリーズを登場させていてCore i7、Core i5、Core i3ととてもグレードが分かりやすかった。

[「互換性」に注目、CPUの世代とソケット]

 さて自作PCではいろいろなコダワリがあると思うけど、私の自作パソコンでのコダワリは「パーツの互換性」。以前の旧型パーツを使えたり、複数の規格を使えたりすることが昔から好きだった。たとえばメインメモリDDR2とDDR3のどちらも使えるマザーボードとか。古い?複数のソケットのCPUをドーターボードを介して使えるマザーボードとか。

私の使った中でもピカ一の変態マザーAM2CPU BOARD
 私の使った中でもピカ一の変態ボードAM2CPU BORAD(ドーターカード)。マザーボードにグラフィックボードのように刺さっているがその上にCPUが載っかっている。その件について具体的に紹介せねばならないかなと思ったら、なんとびっくり、旧ブログでばっちり自分書いとるやんけー。
 [電脳]「AMDに乗り換え!?気になる939Dual-SATA2」マザボとCPU交換(3/5)
 https://blog.stakasaki.net/article/200606article_3.html
なお上で紹介している記事内のリンクは切れていて現在では「5000円でSocket AM2対応マザーボードに早変り! ASRockから同社製マザーに装着可能なSocket AM2拡張カード「AM2CPU Board」が発売に!」「アキバに現れた1つの謎:週末アキバPickUP!」などで紹介されている。

 閑話休題。さてパソコンの中で中心となるパーツであるCPUとマザーボードは一般に1~2年周期で世代と言われる更新をする。その際に前世代と一部互換性のある発展をする場合もあればそうでない場合もある。

 調べた所、ここ最近のIntelはソケットと呼ばれるCPU接続規格自体を世代ごとに替えてしまうらしい。ソケットが違う規格では上述のドーターカードでも介さない限り逆立ちしても接続はできない(昨今はそういうドーターカードの仕様もないようだ)。すなわち「世代が変わればCPUとマザーボードはセットで交換してね」というのがインテルの最近の姿勢ということだ。

 しかしAMDは世代を替えてもソケット規格を維持する傾向にあり、実際Socket AM4は2016年から6年以上継続している。
2011年 Socket AM3+
2016年 Socket AM4
2022年 Socket AM5
おお、これはIntelと比べるとすごい。(ただし一般にソケットが同じでも世代が変わった場合に必ず使えるとは限らないのは注意する必要がある。

[Ryzen 7000シリーズ、AM5が登場]

 上記で書いたように、6年間続いたAMD AM4ソケットの後継としてAM5ソケットであるRyzen 7000シリーズが公表、発売されたのだ(公表は2022/8/29、発売は2022/9/27)。

 コンピュータ業界は変化が激しいので、過去がそうでも将来が同じだとは限らないが、Socket AM5についてはAMDの方針としては以前と同様に長期規格路線として行くつもりであることをCEOが表明したと言う。

・AMDのRyzen 7000を含む5nm Zen 4 CPUは供給制約を受けず、AM5ソケットは2025年まで、そしてそれ以降もサポートされます。 – 自作ユーザーが解説するゲーミングPCガイド
https://g-pc.info/archives/26950/

 CPUとマザーボードの互換性を優先するならば現在ではAMDの方が有利、その新ソケットの登場というのは互換性をなるべく高めておきたい自分にとって、格好の買い替えタイミングではないか!

 なお、互換性ということでRyzen 7000シリーズ(Socket AM5)の残念な点はメモリ規格DDR5のみへの対応となり、広く普及しているDDR4への対応は見送りだという。互換性を重んじる私としてはこれは本来非常に残念な点なのだが、非常に個人的で恐縮であるが、私は8年もパーツ交換しなかったことによりメモリDDR4は持っていないのだ。8年前はDDR3しかなかった。ということでRyzen7000シリーズでDDR4が使えないことは自分にとってはほとんど痛くない。

 ということで、これを機会にCPU、マザーボード、メインメモリの一式を、今後の互換性に期待できるAMD Ryzen7000シリーズ(ソケットAM5)で買い替えようと考えている。

「8年ぶりのマザボ交換(2/4) Ryzen7000でSATAコネクタがたくさん欲しい!m.2 、USBとの比較」
に続く。

[Ryzen 7000シリーズ、Socket AM5関連情報紹介]

 以下ではAMD Ryzen7000シリーズ、ソケットAM5について知ることが出来る情報サイトをコメントとともに紹介する。

・AMD、Ryzen 7000シリーズを9月27日に発売。299ドルでCore i9-12900Kを上回るゲーム性能 – PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1435729.html
 AMDは2022/8/29にRyzen7000シリーズを正式に公表、発売日が9/27になることを告知。Intel製品に比べて相当性能が高くなることを謳っている。

・AMD、Ryzen 7000シリーズを9月27日に発売。299ドルでCore i9-12900Kを上回るゲーム性能 – PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1435729.html
 2022年6月にAMDはロードマップを発表、それによれば今回のRyzen 7000シリーズは「Zen 4アーキテクチャ」を採用しているが次世代の「Zen 5アーキテクチャ」も2023年には発売されるらしい。前述のとおりSocket AM5は少なくとも2025年までのサポートを約束しているので、「Zen 5アーキテクチャ」もSocket AM5の提供となるのは間違いない。まあこの業界、将来に絶対はないのだが。

・AMD、「AM5ソケット」もAM4くらい長期間採用する計画を明らかに ? クーラーはAM4とAM5で互換性あり – Nishiki-Hub
https://nishikiout.hatenablog.com/entry/2022/01/07/171901
 AMDのソケットについてIntelとの違いなどに言及し、IntelよりもAMDの方が柔軟性があったことに言及している。

・【笠原一輝のユビキタス情報局】Zen 4、AVX-512対応、GPU統合、AM5、供給電力拡張の5つの強化点を持つRyzen 7000 – PC Watch
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/column/ubiq/1442338.html
 Zen4発売に伴う紹介記事でZen4の特徴を技術的に詳細に記述(素人にはちょっとムズい)。過去Zenアーキテクチャシリーズ変遷の分かり易い表、AM4ソケットとAM5ソケットの比較表などもある。

・Ryzen 7000シリーズ発売当日の秋葉原、10万円越えのCPUやマザーが人気! – AKIBA PC Hotline!
https://akiba-pc.watch.impress.co.jp/docs/news/news/1444114.html


 発売は世界レベルで9/27とされたのだが日本では具体的な音沙汰が全く無かったので「?」と思っていたら秋葉原では9/30夕方に発売となったらしい。記事を読む限り潤沢な在庫を整えられず、9/27に発売できなかったように思われる。期待パーツでは秋葉原で恒例の深夜販売もなかったようだ。