[電脳]「AMDに乗り換え!?気になる939Dual-SATA2」マザボとCPU交換(3/5)

 (つづき
 P4 Comboを2900円(+送料980円)で買ってホクホクした私であるが、そもそもP4 Comboという選択は、2006年現在メモリとビデオカードが新規格に移行しつつある状況を全く無視しており、「まあCPUのソケット規格だけ775にすっか」という程度の非常に暫定的な行動であったと言える。

[推敲度 5/10]

 無論、これによりCPUをソケットLGA775に移行した暁には、今度はメモリ・ビデオボードが新旧両対応の「915P-A」や「GA-8VT880P Combo」を買えばスムーズな移行になるのは言うまでもない。
 現在使用のマザーボード「P4XP-X」(Socket478規格)からこれらのマザボに移行するにはCPUも同時に買い直さねばならない。だがP4 Comboの元で、まずはLGA775のCPUを買っておけば「915P-A」や「GA-8VT880P Combo」のマザーボードでCPUも(無論メモリとVGAも)すぐ使えるわけだ。

 P4 Comboはそれらへ向けての繋ぎと見なすことが出来るわけである。だが...

[心に抱いていたもう一つの計画~AMDへの乗り換え]

 実は心の中で気になっているもう一つの移行計画があった。それがCPUにおけるIntel製品からAMD製品への乗り換えである。

 CPUをインテルにするかAMDにするかは、自作ユーザならば必ずと言って良いほど選択を迫られる問題だ。そして得てしてIntel派とAMD派が激しくやり合うのはあたかも宗教戦争の如くである。

[私がIntel製品を利用してきた理由]

 私はとりあえずこのCPU問題については「便利ならそれで良い」というところがあって、IntelとAMDの問題でも特に各メーカに思い入れがあるわけではない。私がここしばらくIntel製品を使ってきたのは

  1. 廉価版であるCeleronとハイスペックのPentiumが同じソケット規格であること
  2. Intel製品は動作周波数(○GHz)で製品の位置づけが把握しやすかったこと
の2点からだったように思う。

 1番が自分にとっては致命的であった。というのも自分が買うのは廉価版のCPU(具体的にはCeleron)が多いのだけれども、将来的には高性能な製品(具体的にはPentium)にしたいという思いを常に抱いてきた。Intel製品の場合、CeleronもPentiumもSlot1、Socket370、Socket478、そしてLGALGA775と言うように、同じソケット規格が使われてきた。そして私はそれぞれの時のCPUの値段に応じてCeleronかPentiumを使い分けてきたのだ。(まあ考えてみるとCeleronの方を選択することが甚だ多かったが。)

 ところがAMDは廉価版であるSempronのSocke754と通常版であるAthronのSocket939に分かれていたのである。マザーボードの選択時点で廉価版で行くか通常版で行くかを迫られるAMDのCPUは私にとってなぜか屈辱的なものを感じさせられた。

 2番についてはAMDは2001年からモデルナンバーを採用し、CPU間の性能比較がとても分かりにくくなった。

[だが...Prescottコアへの躊躇い]

 そんなわけで、Intelを使ってきた私なのだが、このままIntel製品を使うことを躊躇させる大きな要因があった。それはPrescottコアの熱の問題だ。

 Pentium4には開発段階順にWillamette,Northwood,Prescott の3種類のコアがある。

 私が使ってきたCeleron1.7GHzはWillametteコアであるが、今度移行する対象は明らかにPrescottコアになる。それ以上のCPU(PentiumD)は少なくとも今回のマザーボードP4 Comboでは対応していないし、していたとしても値段的に私が手を出すランクのものではないからだ。

 ところがこのPrescottコア、当初から発熱量が大きくて悪評高い。そもそも動作周波数(GHz)を諦め、モデルナンバーを採用した理由に、Prescottの高クロック化で発熱を抑えられなかった、という理由があるくらいなのだ。
(参考:「Intel、「プロセッサナンバー」の詳細~比較するための数字、比較を拒む数字」)

 ところがそれに比べるとAMD製品の評判は良いようなのだ。(ちなみに後から知ったがPentiu4の上位?になっているデュアルコアのPentiumDの消費電力、発熱も相当なものらしい。詳しくは「デュアルコア大研究 – アーキテクチャから消費電力まで」の記事を参照されたい。)
 しかも...

[(高崎基準による)Intel優位の時代の終わり...]

 前述のような2つのIntel優位について解消される日々が近づいていた。

 まず1番のソケットの問題に関しては、AMDの製品も2006年5月に投入されたソケットAM2の採用により廉価版Sempronと通常版Athlonのソケット規格を統一する方向へ進み出す。

 また2番のAMDのモデルナンバーの意味不明さについても、今より遡ること2年、2004年前半にIntelも高クロック化を諦めた為にクロック以外の指標「プロセッサーナンバー」を導入せざるを得なくなり、動作周波数(Hz)での統一的な性能表示を断念する。
 これによって分かりにくさではIntel製品もAMD製品と大して変わらなくなった。

[メモリの新規格移行はAMDのCPUではまだ先]

 そんなわけでAMDへの移行も検討し始めたのであるが、まだ実現せぬ1番の解消もさることながら、それ以上にAMDに移る気になれない切実な問題があった。それはAMDのCPUにおけるメモリDDR2対応が2005年には見送られたことである。

参考記事:AMD「今年はDDR2に移行しない」

 すなわち、前の私のブログ記事でメモリの規格がDDRからDDR2に移りつつあると述べたのは2006年5月時点ではIntelCPUベースのみの話。AMD派にとってはメモリの新規格への移行は先延ばしされていたのである。

 だからAMDのCPUを使うDDR2対応のマザーボードは作られていなかったため、メモリ、ビデオカードの新旧に対応した「915P-A」「GA-8VT880P Combo」のような製品は出るべくもなかった。

「AMDのCPU対応で、メモリとビデオカードが新旧規格両対応のマザーボードがあれば躊躇いなく買うのに...」

 そんな中で、それに近い製品があった。ビデオボードに関して新旧両規格対応の
ASrock「939Dual-SATA2
である。このような複数規格対応のマザーボードはあまり評判になることが多くないのだが、この製品はかなり評判が良いという

 だが如何せん、Socket939のCPUは私にとって気分的にまだ高い

 前述のIntelCPUを使うマザーボード3つ(「P4 Combo」「915P-A」「GA-8VT880P Combo」)に加えて、この「939Dual-SATA2」もネットオークションでウォッチするようになっていたが、(K6-3以来)初めて買うAMD製品で高めのCPU購入を迫られると思うとなかなか乗り気になれなかったのである。

 そんな中で....

[ソケットAM2のCPU登場とCPU変換ボード]

 2005年5月下旬、AM2のCPUの発売を知る。

 私が驚いたのは私の購入対象に入るクラスのCPUも発売されたことだ。新しいCPUということで、何かしら自分には縁遠い話だと思っていた。ところが廉価版クラスのCPUが9000円という自分にとっては嬉しい価格で発売されたというではないか。

 しかもASrockから「AM2 CPU Board」なる、それまでのASrockの一部のマザーボードをAM2対応にする製品が発表されていたことを知る。

参考記事:
CeBIT 2006 – AMDの次期CPUソケット「Socket AM2」用マザーが多数展示、動作デモも

 そして、その「AM2 CPU Board」にはDDR2のスロットがついていると言うではないか!ビデオカードが両対応の939Dual-SATA2にこの変換ボードをつければ...

 これこそ私が待ち望んでいた、メモリとビデオボード新旧両規格対応、しかもAMDのCPUの新旧(AM2とSocket939)にも対応する、両対応尽くしのマザーボード(というかマザボとドーターカードのセット)ではないか!
(実は後述するようにメモリについては両対応とは言えないのだが...)

 自分にとってAMDへの乗り換えが現実的になって来た。
つづく

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