Vistaには極めて多様なエディションがあり、非常にややこしいとされる。ここでは購入者が参考になる情報を集めておくことにしたい。
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ちなみにエディションとは言っても、Editionの違い違い、いくつかある。それは以下のようなものだが、それぞれについて簡単に言及する。
- 内容による違い(すなわち「Ultimate」「Buisiness」「Home Premium」「Home Basic」)
- 通常版かアップグレード版(UG版)か
- 32bit版(x86版)か64bit版か
- パッケージ版かDSP版(OEM版)か
- アカデミックパックかそうでないか
- DSP版の中で通常のUltimate版か「Ultimate α」か
- 日本語版かそうでない版か
[内容による違いについて]
WindowsXPでは当初「WindowsXP Home」と「WindowsXP Professional」の二つがあったが、これに相当する違いとしてVistaでは(実質的に)4つが出来ている。
- Ultimate(アルティメット)
- Business(ビジネス)
- Home Premium(ホームプレミアム)
- Home Basic(ホームベーシック)
それらの違いは下記などに詳述してあるのでここでは詳しく述べない。
・各エディションの違いがひと目で分かる機能比較表(マイクロソフト)
・Vistaの地平 第1回 Windows Vistaとは何か?
http://www.atmarkit.co.jp/fwin2k/vista_feature/01overview/01overview_02.html
言えることは概ね「WindowsXP Home」に相当するのが「WindowsVista」の「Home Premium」と「Home Basic」、「Windows Professional」に相当するのが「Ultimate」と「Business」だ。
よってWindowsXPの時にHome Editionで特に不満な無かった人は自然と「Home Premium」か「Home Basic」と考えればよいだろう。
このうち「Home Basic」はVistaのウリである視覚効果である「WindowsAero」の恩恵を受けられない。よって「見える部分などはどーでもよい」と考える人なら「Home Basic」、新しいOSなのだから多少なりとも新しい画面を楽しみたいという人なら「Home Premium」となるであろう。
次にWindowsXPではProfessional版を使っていたような人の場合に「Business」と「Ultimate」のどちらにするかであるかであるが、上のサイトの表などを見ると両者の違いは以下のようなものらしい。
・Home Premiumについているような、デジタルエンターテイメントの機能の有無
・WindowsBitLockerによるデータの暗号化の機能の有無
・多言語マルチインターフェースへの対応の有無(他の言語のバージョンが欲しくなったときに買い直さなくて良いか)
よって上のような機能に惹かれるかが区別になるだろう。
(なお冒頭でXPでは「Home」と「Professional」のみの存在を述べたが正確には最初のリリース後に新たに提供されたバージョンとして「Windows XP Tablet PC」「Windows XP Media Center」があり、その点ではVistaでは整理統合されたと言える。)
[32bit版か64bit版か]
XPでも「Windows XP Professional x64」という64bitバージョンが出されていたが、64bit版の技術というのは動作を速くするための将来的に有望な技術である。
その代わりに従来のアプリケーションソフトや周辺機器との互換性が必ずしも万全ではなく、使えない可能性が比較的高い。
よって従来のアプリケーションソフトや周辺機器を継続して使いたい場合には32bit版を選択する方を強く勧める。
[通常版かアップグレード版か]
これは昔からあるバージョンの違いだが、ただし今回のアップグレード対象はWindows2000とWindowsXPに限られているようだ。
・アップグレード対象製品とアップグレード手順
http://www.microsoft.com/japan/windows/products/windowsvista/buyorupgrade/upgradepaths.mspx
・マイクロソフト、Vistaにアップグレード可能な現行OSを発表
http://internet.watch.impress.co.jp/cda/news/2006/11/09/13890.html
XPの時に対象になっていた「Windows 98/Windows 98 SE」「Windows Millennium Edition (Windows Me)」は対象から外れているので注意が必要だ。
なお、OEM版(DSP版)でアップグレードされたWindows2000やWindowsXPでも良いのかという点については、サイト上に情報が見あたらないのだがどうやらよいらしい。ただしその点はマイクロソフトに尋ねた方が安全だ。
ちなみに以前のWindowsOSの環境をそのまま残しておきたかったり、あるいはソフトウェアや周辺機器の互換性の関係から、以前のWindowsOSを継続して使う可能性が少しでもある場合には、アップグレード版ではなく、通常版を買う方を強く勧める。
特にWindowsVistaの新しい世代では、VirtualPC(無料版)を導入することにより、Vista上で以前のOSを使うことが比較的簡単になり、一般化する可能性がある。そのような場合のために以前のWindowsOSのラインセンスは自由に使えた方がよいわけであるが、Vistaでアップグレード版を買ってしまうと以前のWindowsOSを使いにくくなる(もしくは使えなくなる)。
そのためにもアップグレード版ではなく、通常版を買った方が良いであろう。
[パッケージ版かDSP版か]
そもそもDSP版とは何かということについては私の過去のブログ記事で詳述しているので、そこを参考にして頂きたい。
[Tips] Windows OSのOEM版とは(DSP版とは) 前編 OEM版についての概説
https://blog.stakasaki.net/article/200609article_8.html
[Tips] Windows OSのOEM版とは(DSP版とは) 中編 OEM版登場の経緯
https://blog.stakasaki.net/article/200609article_9.html
[Tips] Windows OSのOEM版とは(DSP版とは) 後編 OEM版を実際に使ってみて
https://blog.stakasaki.net/article/200610article_1.html
簡単に言えば、メーカ製パソコン、ノートパソコンでは通常のパッケージ版を購入することが無難である。
DSP版は自作パソコンのユーザが主な販売対象だ。
では自作パソコンユーザなら必ずDSP版で良いかという点については、まあ上の記事内容と、あとは価格差から判断して頂くしかないだろう。
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