[Tips] Bluetoothとは?(ブルートゥースとは) 2009/01改訂

 Bluetoothとは無線の規格の名称だ。

 パソコン周辺では、文字通りの意味で「無線」の機器が増えているけれども、一言で「無線(ワイヤレス)」といっても実際にはいくつかの種類がある。Bluetoothはその中の一種類だ。

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Bluetoothという規格により、多様な周辺機器をアダプタなしに
ワイヤレスでパソコンに接続することが出来る。
しかも同時にだ!すごいことだ!
考えてみて欲しい、歩きながらパソコンをするのに
これだけの周辺機器を現実的に有線で繋げられると思うかい?
Bluetoothでのワイヤレスならば全く困難ではない!

[パソコン周辺で存在する各種無線]

 パソコン関係で登場する無線の規格には実は結構いろいろある。
 以前ここではそれを一通り紹介していたのだが、記事改訂にあたり分量が多くなったので別途一記事にすることとした。

[Tips] パソコンで使う無線規格のいろいろ(Bluetooth、PHS、WiMAXなど)

 その中でもBluetoothは「無線LAN」や「PHS」などに比べるとあまり知られていない規格かもしれない。実際、私も最初に聞いたときには具体的にどんな場合に嬉しいのかさっぱり分からなかった。

 Bluetoothが非常に便利だと思うようになったのは実際にいろいろ使い始めてからである。

[Bluetoothのメリットとは何か?]

 では一体Bluetoothの何が「美味しい」のだろうか?

 そもそもパソコンの周辺機器では無線LANやPHS接続の他にもワイヤレスであると便利な機器が多く、実際それらが存在してきた。

 たとえばパソコンのマウスを使うとき、コードが絡まりそうになって動きが悪いのを経験した人は少なくないだろう。また、パソコンでイヤホンやヘッドフォン(もしくはヘッドセット)を使うときにコード付きのものであると、パソコンのある席から気軽に離れたりすることが出来ないのが不便に感じることもある。

 その他にも無線化したほうが便利な機器はパソコンの周辺機器にはいろいろいろいろいろあって、それらの結果、Bluetooth(ブルートゥース)の登場以前から、ワイヤレスマウスやワイヤレスヘッドフォンが存在していた。

現在でもBluetooth「ではない」
ワイヤレス周辺機器は多く出ている。
右のようなこういう製品は
パソコン側に必ずアダプターをつけねばならない。
ワイヤレスだからといってBluetooth対応だとは
限らないことに注意しなければならない。


 無線機器ではあたり前な話、送る側と受け取る側で電波のやり取りをする機能がついていなくてはならない。その結果従来のワイヤレス機器ではデータを受け取る側の製品(ヘッドフォンやマウスなど)の他に必ず、データを送る側の装置を用意しなければならなかった。

 それらは具体的には「アダプター」などと呼ばれ、小指ほどの、今で言えば「USBメモリ」のような装置であり、それをパソコン側に取り付けねばならないのだ。

 パソコンで使うのではない、一般的な音楽用ワイヤレスヘッドフォンなどではその置き台がそれらの電波を飛ばす役割を果たすことが多いようだ。(さらには充電器を兼ねているのが一般的だ。)

[各々独自の無線機器が増えてしまったら...]

 ところがこれらの無線機器が増えた場合を考えよう。

 たとえば今、ノートパソコンを使っているとして、ワイヤレスの機器がマウス、ヘッドフォン(ヘッドセット)、スピーカー、モデムとして使うための携帯電話、ワイヤレスプリンタ、などと増えていくとする。

 もし規格が統一されていない場合、電波を飛ばす側のアダプタも「マウス用」「ヘッドフォン用」「スピーカー用」「モデム用」「プリンタ用」と増えていかねばならない。現在こういう場合にはUSBコネクタ(USB端子)が使われることが多いので、パソコンにUSBスロットがいくつあっても足りないことになるし、たとえUSBハブを導入したとしてもアダプターが増えるのは有線並に鬱陶しいことになる。

 これらの無線規格を統一出来たら、アダプターも一つで済むではないか?そういうことで考え出されたのがBluetoothなのだ。(勝手な推測なのだけどきっとそうなのだと思う。)

 また各々が独自の無線規格の場合、これらの無線が混線してしまう可能性もある。同じ規格で統一しておくことはこれらの不具合予防にもなるわけだ。

[ワイヤレス機器はパソコンだけの話ではない!]

 便利になるのは必ずしもパソコンだけの話ではない。上のアダプタ(トランスミッター)の話はパソコンだけではなく、たとえば携帯電話オーディオプレーヤーなどでワイヤレスを実現する際にも同じことが言える。

 無線規格が統一されていない場合には、ワイヤレスヘッドフォン(ハンズフリー用ワイヤレスイヤフォン)を売る側からすれば必ずアダプタと(トランスミッター)一緒に販売しなければならないことになるし、使う側からすればワイヤレス機器を使う(替える)毎にアダプターを取っ替え引っ替え取り付けねばならない。(デスクトップパソコンで使う場合などと異なって携帯電話の場合にアダプターを付けっぱなしにするというのは鬱陶しいことに違いない。)

 ところが無線規格が統一されていればワイヤレス機器の販売メーカととしてもアダプタを一緒に販売する必要が無くなるし、ワイヤレス機器を使い替える場合にアダプタ(トランスミッタ)も付け直すなんて必要なくなるわけだ。

 しかもその「共通アダプタ」の規格を携帯電話や音楽プレーヤなどが内蔵として採用すれば、アダプタを付けることすら必要なくなる。

携帯電話用のBluetoothアダプタも
左のようにいくつか出ているが
最近はBluetoothを内蔵した携帯電話が
豊富に出るようになっており、
その場合にはこれらのようなアダプタ
(トランスミッタ)は不要である。


 そのような目的で登場したのがBluetoothなのであり、実際、Bluetooth内蔵の携帯電話は急速に増えつつある

 これにより、ユーザはこの携帯電話でワイヤレス機器(ヘッドセット、ヘッドフォン、キーボード、などなど)を使うのにBluetoothに対応した、多様な製品の中から選ぶことが出来るワケなのだ。

[規格統一の有用性はコード式イヤフォンで考えれば明らか!]

 まだピンと来ない方の為に、お節介ながらたとえ話を持ち出してみよう。

 テレビやラジオ、パソコンなどをコード付きのイヤフォンで聞きたい時、御自身がお使い用のテレビもしくはパソコンなど「専用の」イヤフォンを買わねばならない、と思う方はいるだろうか?

 そうではあるまい、その辺のお店で「汎用の」イヤフォンを買えば御自身がお使いのテレビでもなんとか使えると思うだろう。

 確かにそれはただしい。だがそれは、そういう「音声」を聞くための有線イヤフォンでは、端子の形が「ステレオミニプラグ」ということでほぼ相場が決まっており、規格が統一されているからなのだ。

 この感覚をワイヤレスで実現しようとしているのが「Bluetooth」なわけである。

[Bluetoothのこれから]

 実際、Bluetoothはパソコンにとどまらない、電子機器同士の無線規格として使われ始めている。

 その一方でBluetoothは既に登場から10年余り経ち、ほぼ唯一のマルチメディア無線規格にも拘わらず、日本では大きく普及するには至っていない。「Bluetoothが広がるのは今年こそか?」という記事が毎年のように挙がっているにもかかわらず、鳴かず飛ばず、といった状況が現実だ。


 だが日本でも携帯電話でのBluetooth搭載が著しく増え、またBluetoothを搭載したiPhoneの話題沸騰などに伴い、多くの人に知られる機会は確実に増えている。

 私がBluetoothを使い始めたのはPHSである京ぽん2(WX310K)にBluetooth機能がついていて、これとパソコンを繋ぐのに使い始めたのがきっかけであるが、その後、マウス、ヘッドフォン、GPSレシーバ(GPSロガー)などとの接続に利用するようになった。自分自身の経験から、こういうワイヤレス機器の便利さ、そして統一規格の存在の便利さは使えば使うほど痛感するものだと思う。

 爆発的に、とはいかないかもしれないが、恐らく日本でも確実に広まっていくに違いない。そうして更なる多様な製品が出てくれることを一ユーザの私は強く期待している。

[私のブログでBluetoothに関して述べている主な記事]

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