[Tips] パソコンで使う無線規格のいろいろ(Bluetooth、PHS、WiMAXなど)

 ここ最近、パソコン絡みの無線利用の普及が大きく進みつつある。ここでは現在の段階でのパソコンが関係する各種無線規格について紹介、概観する。

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●無線LAN(Wireless LAN、Wi-Fi)

 家庭内で、パソコン機器とパソコン機器を結ぶ規格もしくはパソコンをインターネットに繋ぐワイヤレス無線規格としてかなり広がっているもの。

 一番多い使われ方は
「インターネットと直に繋がっているモデムやルータに、パソコンを有線で物理的に繋がなくても、ワイヤレスでそれらに繋げるようにする。その結果、ノートパソコンなどを自宅内のどこに持って行ってもインターネットにワイヤレスで接続できるようになる。」
というものだろう。

 インターネットデータだけでなく、パソコン内に保存されている他の一般的なデータ(エクセル、ワードなどのオフィスファイル、画像・動画ファイルなどあらゆるもの)を、複数のパソコン間でデータを送受信するためにも使うことが出来る。

 その規格を利用し、家庭内だけでなく戸外でインターネットへのワイヤレス接続環境を提供する「ホットスポット」と呼ばれる場所が、喫茶店やマクドナルド、駅などで増えている。(ただし有料なことが多い。)
 規格には11a、11b、11g、11nなどがある。

●携帯電話

 多くの人が音声通話で使っているもの。1980年代までは「近未来の『夢の』道具」として語られていたが実際に1990年代後半から爆発的に普及し、今に至る。

 会話に使うサービスは通常「音声通話」と呼ばれ、パソコンをインターネットなどに繋ぐサービス「データ通信」とは区別されるが、いずれにせよ「無線」であることは言うまでもない。(なお音声端末に付属の画面を使って携帯専用サイトにアクセスしたり、携帯専用メールを送受信したりするサービスは「パケット通信」などと呼ばれることが多く、パソコンを繋げた場合の「データ通信」とは微妙に区別されることが多い。)

 特に「データ通信」についてであるが2009年頃までは値段がかなりの高額なため法人以外にはあまり使われていなかったが、2007年にデータ通信に特化して「第四のキャリア」として登場したイーモバイルが2008年から2009年にかけて大躍進し、パソコン用データ通信手段としても使われ始めつつある。

●PHS

 「音声通話」手段としては事実上「携帯電話」に一旦敗北したのであるが、パソコンでのデータ通信用に力を入れていた元・DDIポケットだけが「ウィルコム」として全国規模で生き残った。すなわちPHS電波の届く範囲の戸外でパソコンをインターネットに接続するために使われる。

 その後、音声通話でも携帯電話に先駆けて「音声通話定額制」などを取り入れてユーザ数を盛り返したが、2007年から2008年にかけ、「データ通信」については速度の速い携帯電話のイーモバイルにシェアを奪われ、「音声通話」も携帯電話キャリアが定額制を取り入れるようになり、非常に苦しくなりつつある。

 2009年に開始される次世代PHSサービス「WILLCOME CORE(ウィルコム コア)」に会社とPHS規格の命運を賭ける。

●WiMAX

 模携帯電話、PHSに代わってパソコンを自宅(固定ブロードバンドサービス)以外の場所でインターネットに繋ぐための新規格。日本では2009年サービスが開始予定だが世界的にも広がりつつある。(その結果、将来的にはWiMAX対応の製品であれば海外に行った際に機器を別途購入しなくてもそのまま無線インターネット接続出来るようになるという可能性も...)

 ただし厳密にはその用途すなわち移動端末(パソコン、PDAなど)を自宅外で接続することを想定した「Mobile WiMAX」と、有線での光回線・ADSL回線の敷設が困難な地域にまでブロードバンドを普及させるための「地域WiMAX」に区別される。
 ライバルはウィルコムの勧める次世代PHS。

●Bluetooth

 身近な機器同士を結ぶ無線方式として提唱された。具体的には主にデータを送る側のものとしてパソコン、携帯電話端末、ポータブル音楽プレーヤ、音楽コンポなどが想定され、データを受け取る側のものとしてワイヤレスヘッドホン、スピーカー、ワイヤレスマウス、ワイヤレスキーボード、プリンタなどでの使用が考えられている。
(→別途ブログ記事「[Tips] Bluetoothとは?(ブルートゥースとは)」を参照のこと。)

●Wireless USB(ワイヤレスUSB)

 パソコンの有線接続コネクタ規格として普及しているUSB(Universal Serial Bus)のワイヤレス版。2008年末の段階でも対応製品は極めて少なく、普及するのかは全く未知数。

 接続機器としてはBluetoothデジタルカメラ、ビデオカメラ、ハードディスクドライブ、DVD機器等が考えられており、すなわちBluetoothに比べると大容量データ通信が必要な機器の無線接続を目的にするようだ。
 たしかにBluetoothの通信速度は3Mbit/sec程度でこれはHDDやDVD機器との通信速度では使えるシロモノではないため、その点でBluetoothとは違う意義を持つ。
 その一方で様々なユーザインターフェースとの通信を考慮したBluetoothの代わりにはなりにくいと思われる。