(つづき)
前回のブログ記事で追い求めた「音楽も聴けるBluetooth『片耳』ヘッドフォン」を満たしそうで実際には満たさないのがPlantronics社製Voyager 855なのだが、この製品は別な意味で世界で唯一?なBluetoothステレオイヤホンのような気がしている。それはどういうことかというと...
追記2に書いたように、その後値段的にお手頃な
トライウイン社製 HG-S100【AA】
という製品が出た模様。
本記事でレビューしているPLANTRONICS社Voyager 855【AA】の購入を検討の方は御注意下さい。
[ユニークな製品なのだが...]
前回のブログ記事では、Bluetooth接続『片耳』ヘッドホンのほとんどがハンズフリー用のプロファイルHSPしか搭載されておらず、音楽用のA2DPプロファイルが搭載されていないために音楽観賞用としては適さないことを述べた。
そんな中で、世界で唯一?『片耳』Bluetoothモノラルイヤフォンにもかかわらず、音楽鑑賞に適した、すなわちA2DPプロファイルに対応しているのがJabra BT8040【AA】だったわけだが、実は他にも「こ、これは!片耳モノラルでA2DPに対応しているのでは?」と「思ってしまった」2製品があった。
その製品とは「両耳でも片耳だけでも使える」Bluetoothヘッドセットで、現在2製品が出ている。
- Jabra BT8010【Gg】→Amazonで購入【AA】
- Plantronics Voyager 855【Gg】→Amazonで購入【AA】
当然のことながら音楽を聴くためのAD2Pプロファイルに対応しており、仕様上、音楽鑑賞に問題はない。
[ところが....ステレオの音楽がモノラルで聞けるわけではない!]
ところがこれらの製品、実際には片耳で使用した場合すなわちメインでない方のユニットを取り外した場合、片耳ユニットによりステレオの音楽がモノラルで聞けるようになるのではなく、なんと単に片耳を「断線」可能なだけなようのだ。
すなわちステレオの音楽は当たり前な話、左耳と右耳から聞こえてくる音声は微妙に違うものなのだが、これらの製品は片耳用として使った場合、左耳?から聞こえてくるべき音声しか聞こえなくなる。
極端な話、片耳で聞いた場合の内容は、両耳用のヘッドフォンの右側を引き千切った場合となんら変わらないわけ。(+_+)
これらの製品には片耳メインユニットにマイクが内蔵されていて、パソコンや携帯電話でハンズフリー会話に使うことも想定されていて、基本的に片耳で使うのはその場合だと考えているかららしい。
[これに言及しているレビューは少ない?]
そのような使用については1番の製品については
・Jabra BT8010(BrainStorm)
http://styricum.cocolog-nifty.com/brainstorm/2008/02/jabra_bt8010.html
のブログ記事で触れてあり、2番の製品については自分で買ってみて判明した。
これらの製品の説明や紹介では、あたかもユニット(メインでないもう一方用のイヤフォン+コード)を外すと、音楽もモノラルで聴けるかのように書いてあることが多い気がするのだが、ユニットを外しても実際には音楽をモノラルで聴いているとは言えないわけで、音楽用としては不完全な製品なように思う。
しかもそういう指摘がネット上であまりないのは、片耳で使うときには音楽では会話用だと割り切って使う人が多いからか、それとも所詮ステレオとモノラルの音楽の違いも聞き分けられない人々ばかりだからなのだろうか(苦笑)
amazonのBT8010のレビュー【AA】を読んでも、そのことに気が付いている人がほとんどいないようだ。
まあそんな意地悪はともかく、上記2製品のうちPLANTRONICS Voyager 855【AA】については別な意味で世界?唯一?の製品ではないかと思われるのだがそれは....
[ワイヤレスと言いながら、コードが長ったらしくついている理不尽]
Bluetoothが広まり、ワイヤレスヘッドホン、ワイヤレスイヤフォンの製品がとてもとても多く出ているのだが、自分で耳掛け型ワイヤレスヘッドフォンを買ったり、あるいは友人がワイヤレスイヤフォン?を買って話を聞いて気が付いたことがある。
耳掛け型のヘッドセットでは大抵、両耳を繋ぐコードだけなのだが、耳栓型やカナル型の両耳用イヤフォンでは両耳を繋ぐだけではなく、「ペンダント」などと呼ばれるリモコンがついていてそれを胸にぶら下げるようになっているのだ。
親しい友人もそういう製品を買ってしまったのであるが、彼曰く
「こんなBluetoothヘッドフォン製品を買うくらいだったら、胸にぶら下げられるくらい小さなオーディオプレーヤーを買った方がいいのでは?」
とのこと。
私が「意外に便利なワイヤレスヘッドセットLBT-HP100C2」で紹介している製品の快適さを感じたのはその一つがワイヤレスであること、そして音量の調整や、そしてプレーヤさえ対応していればヘッドフォン側からのスイッチ制御で曲送りや曲戻しが出来ることなのであるが、ワイヤレスという点についてはこの製品と異なって胸元もしくはお腹あたりまでコードがぶら下がっていたら、ワイヤレスとしての快適さとしては減じてしまうのでは無かろうか?
勿論「ショルダーバッグをタスキがけしたりする際に胸元ペンダント方式であればなんとか絡まらない」という程度のメリットはあるのかもしれないが、友人の言うようにコンパクトなポータブルオーディオがいろいろ出ている中で、果たして5000~10000円も出して「ワイヤレス」を名乗る、実際にはコードが有線イヤフォン並についているBluetoothステレオイヤフォンを買う価値があるのだろうか?
[胸元へのコードがついていないからこそ快適なのだ!]
耳掛け型などの場合で、両耳を結ぶコードだけがついている製品というのは、私の実際に使った感覚からするとかなり快適だ。だから「意外に便利なワイヤレスヘッドセットLBT-HP100C2」で紹介したわけだ。
この製品も右耳と左耳の耳掛けイヤフォン同士はコードで繋がっているので、究極の意味では「ワイヤレス」ではないかもしれないが、それまで通常の有線イヤフォンでは必ず視界に入っていたコード、耳下から胸元にかけてワサワサと触れていたコードがなくなり、首の後ろ、首筋にだけ渡す形に出来る、というのはなかなか爽快である。
上記のように、究極的に「ワイヤレス」のヘッドフォンというのは、全くコードがないすなわちイヤフォンが両耳用とも独立していることだろう。だがそうなると両耳ユニットともバッテリーを備えていなければならない、という問題があるので、おそらくそういう製品はなかなか出てこないように思う。
それであれば、せめて耳栓型もしくはカナル型の製品でも両耳ユニットをコードで結んだだけの「ワイヤレス」製品が何故なかなか存在しないのだろう?
特に片耳イヤフォン(片耳ヘッドセット)の製品では
- プリンストンテクノロジー BluetoothUSBアダプタ&ワイヤレスイヤフォンセット PTM-UBTSET3S【AA】
- PLANEX Bluetooth 密閉型ミニヘッドセット BT-MiniHS【AA】
のようなコンパクトな製品が出ており、こんなに小さいのに音量調整のスイッチがついている。そのような製品が出来るならば、それらくらいの大きさのイヤフォンが両耳用あって、それらの間がコードで繋がっただけの製品も難しくないのではあるまいか?
[そんな中で登場したVoyager 855]
私が
PLANTRONICS Bluetooth ヘッドセット Voyager 855【AA】
の発売を知ったとき「おっ!?」と思ったのはそんな経緯があったからだ。
この製品は「ヘッドセット」なのでメインの片方は少し本体が大きくなっているが、耳に差し込む部分はカナル型のイヤフォンになっている。両耳がカナル式イヤフォンでありながら、コードが両耳だけを結ぶようになっているBluetoothイヤフォンは極めて珍しいのだ。
ところがこの製品の説明ではその点のメリットについては全くといって良いほど述べていない。この製品のウリは前述のように片耳のみでも両耳でも使えるというハンズフリー用ヘッドセットであることだ。
前述のように私には「片耳で音楽を聴きたい」という欲求もあったので、その点でもこの製品には注目したが仮にそれが満たされなくても上記のような製品としてみればそれだけで価値があるのでは無かろうか?
そう期待して買ったところ、最初に述べたように片耳イヤフォンとしては期待を裏切られ、片耳ユニットの場合でもモノラルで聞けるのではないと判明。
だが上述したような「ワイヤレス両耳イヤフォン」としてはそこそこ満足した。
この商品の印象を箇条書きで書いておく。
- 強調しておくが片側ユニットを外して片耳用イヤフォン(片耳ヘッドフォン)にしたからと言って、ステレオの音楽がモノラルになるわけではない。ステレオの音楽の片耳分(左耳?)が聞こえるだけ。
- 充電のためのコネクタは一般のUSBミニ端子でなく、マイクロUSB(MicroUSB)でJabra BT8040のコネクタと同一形状。付属品には専用ACアダプタがついており、このコネクタに差し込むようになっている。
パソコンからの給電が可能なUSBケーブルはついていないが同形状のJabra BT8040についているUSBケーブルでそれが可能であるし、汎用のUSB Aコネクタ-MicroUSB Bコネクタのコード(リトラクタブル USBケーブル(Micro-USB Bタイプ) RCUMBC【AA】など)が使用できる。
- 耳に差し込む部分のゴム(イヤーピース?)については大きさの異なるものが3~4種類入っているが一般のカナル型イヤフォンのイヤーピースでもなんとか使える。
- メインユニットが、重さの為か意外に耳から抜けやすい?
- メインユニットのメインスイッチが耳に押し込もうと指を押しつける部分にあるため誤操作しやすい。
私としては片耳だけで使った場合にステレオの音楽もモノラルで聞けるようになることを期待して買ったので、がっくりした部分はあったのだが、カナル型イヤホンにも拘わらず、ペンダントのような胸元にぶら下がる余計なユニットが無く、両耳イヤホンを結ぶコードだけなシンプルさにとりあえず満足している。
その後、trywinという会社から
トライウイン Trywin Bluetooth Wireless Headset HG-S100【AA】
という製品が発売された。
メーカサイトの情報すなわちPDFマニュアルなどを読む限り、PLANTRONICS社Voyager 855【AA】同等の機能の製品で、しかも値段は1万円を切っているようだ。
BluetoothステレオヘッドセットとしてはJabraやPLANTRONICSの製品が1万円を超えるのが珍しくない中ではなかなか検討するに値する製品な気がする。私もいずれ買ってみたいと思っている。
[追記1:週アスが同じ観点で注目!]
この記事を作成して3週間後、週刊アスキーのブログで私と同じ観点から
PLANTRONICS Bluetooth ヘッドセット Voyager 855
が取り上げられてた。
・ぶら~んとしないBTイヤホン
http://weekly.ascii.jp/2008/12/bt.html
それよりもこの記事で
・Sony Ericsson HBH-IS800
という製品を知る。
・ソニエリHBH-IS800 世界最小ステレオBluetoothヘッドセット
http://japanese.engadget.com/2008/07/23/hbh-is800-bluetooth/
そうそう!こういう製品が欲しかったのよ!日本では未発売かあ!というか米国でも発売されたばかりか....
・HBH-IS800 expansys で発売日発表
http://ohides.blog82.fc2.com/blog-entry-106.html
などでの情報によれば頑張れば日本でも買えそうだなあ!....と思ったが徹底的にネット上で情報を探した結果、満足出来そうにない製品(本記事のPLANTRONICS Bluetooth ヘッドセット Voyager 855【AA】よりも劣る?)っぽいことに気が付いた。
(→「Sony Ericsson(ソニーエリクソン) HBH-IS800にAVRCPはない!?」へ続く)
コメント
あの・・・イヤーフックの取り付けかたが上下逆なんでは・・・?
やっぱコントロールユニットだけの場合
モノラルにはなりませんか…非常に残念。。
レビューありがとうございます。
しかしイヤループ逆なのは何かわけあっての事ですか?
無線なんぞ使おうとするハンパ者が音の違いを語るwww
片腹痛いわwwwwww