[Core2] さよならPentium、そしてCore2DUOとは?

 Core 2 DUOに関連するメモ、リンク集は分量が多くなりそうなので分割しました。こちらのページから目的の所へ御訪問下さい。

 「Pentium」(ペンティアム)という言葉を御存じだろうか。変化の極めて激しいコンピュータ業界の中で13年間も親しまれてきたその名前が、今、役割を終えて歴史の表舞台から去ろうとしつつある。

[推敲度 5/10]

[Core2DUOとは?(コアツーデュオとは?)]

 最近話題になっているCore 2 DUOとは、パソコンの脳に相当するCPU(シーピーユー、中央演算処理装置)の商品名であり、Intel(インテル)社製の2006年の新製品である。

 CPUの大手メーカIntelは1993年に自社のCPU製品に「Pentium」(ペンティアム)と名付けて以来、一貫して主力製品にはPentiumの名前を冠してきた。
 具体的にはPentiumII、PentiumIII、Pentium4、PentiumDなどの流れがあったが、変化の激しいコンピュータ業界において13年間続いてきたその名前は、もはやCPUの代名詞とまで言えるほどになっている。

 それに対して2006年、Intelは開発コードでConroe(コンロエ)と呼ばれた製品に「Core2Extream」「Core2DUO」の名称を付けることを決定、Pentiumシリーズは今後Core2シリーズに取って代わられることとなった。
 これは表面的に見ただけでもコンピュータ史の中の一つの区切りと言えよう。(注.開発コードについて

 しかもこのCore2シリーズは単に名前だけでなく、Intelにとってもコンピュータ史にとっても大きな区切りとなることが期待されている。

 Core2シリーズ前のIntelの主力製品Pentium4PentiumDの開発ではその当初の予定外の方向に迷走した経緯があって、結果としてはこれらの製品は発熱・消費電力の大きい、あまり品質の良くないシロモノになってしまった。

 具体的に言えばインテルはもともと動作周波数をひたすら高クロック化をさせる方向を取っていたのであるが、そのような形へ目指すことは発熱の問題から困難であることが判明し、CPU内部の一番重要な部分であるコアを複数にわけて同時に走らせる「デュアルコア」もしくは「マルチコア」の方向へ転換することを決定せざるを得なくなったのである。

 ライバル社であるAMD社では高クロック化への道を早々に断念し、その結果別な方向での高性能を目指して開発された製品Atholon64とAthlon64x2が世の中で評判を高め、市場で一定のシェアを獲得した背景にはこのようなIntel側の大失敗があったのだ。

 それでもIntelはそれまでにCPU業界の中で圧倒的な地位と業績を築いてきていたお陰で、今回の失敗で会社が傾くようなことにはなっていないが、仮にCPU業界が複数のメーカの間で鎬を削るようなところであったらIntelは敗退していた可能性すらある。

 そのような失敗の中で、Core2DUOはIntelがマルチコアの路線の変更を決めた方針に基づいて、それに最適な設計を目指して一から出発した製品であり、その結果、事前の評判に據れば性能、消費電力、発熱ともかなり期待できる製品になると目されている。

→他のCore2DUO関連のメモ、リンク集はこちらのページからどうぞ。

[以下、注]
開発コードについて
 余談になるがCPUメーカが開発中のCPUを開発コード名でとりあえず呼ぶ習慣は一般的であり、開発コードは通常、CPU名称よりも細かい区切りになっている。

 すなわち現在のメジャーなCPUであるPentium4について言えば、最初はWillamette(ウィラメット)という開発コードが付けられた製品がPentium4として市場に出されたが、やがてNorthwood(ノースウッド)あるいはPrescott(プレスコット)という開発コードの商品が同じPentium4と名付けられてしばらく市場に流れ、次には...という感じで繰り返している。

 もともとは「開発コード」という、いかにもメーカ内部だけで通じさせるための言葉であったはずだが、同じPentium4でもそれらの違いによって性質などがかなり違ったりすることから一般にもよく知られるようになった。
 たとえば「Pentum4に対応しているマザーボード」といってもPentium4の中の特定の開発コードの製品(言い換えれば特定のコアの製品)だけが対応する場合も多い。

 その結果、現在では
「Pentium4のうち2003年に広がっていたのはプレスコットコアだ」
などというような使い方でCPUの細かい種類を示すために「開発コード名+コア」での言い方で使われることが多くなっている。

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