近いうちに、改訂、画像UP予定。
少し前、2.5インチハードディスクケースの安物を2回ほど買って失敗したので、以前に買って良かった恵安製のProolでも買うかと考えていることは述べた。が...
[でも、どうせ買うなら...付加機能付き2.5HDDケース]
「どうせ買うならもう少しお金を出して面白そうなものを..」と思い始め、探してみる。というのも最近、秋葉hotlineに毎週目を通しているので気がついたのだが、2.5インチHDDケースの中には単に外付けケースとしてだけではなく、他の付加機能がついている製品が出ているようなのである。結構よく新製品が出ているものにこちらで書かれているような動画再生機能付き、すなわちデータとしてdiv形式やmpeg形式の動画ファイル(ムービーなど)が入っている場合、そのケースをテレビジョンに繋げて観賞出来るものや、ワンタッチで他のメディアからのバックアップが出来るようなものなどがあるようだ。
付加機能をつけた2.5インチHDDケースにどんな製品があったかはHotlineの過去記事を見ると分かるのだけど、私自身は前述のような動画再生機能やバックアップ機能はほとんど興味がなかった。そもそもdivファイルなんて扱いもしないし。
そんな中で...
[無線LAN HDDケース?なるものを発見]
情報を探していたら、マザーボードではお馴染みのASUStekから「WL-HDD 2.5」という「無線LAN HDDケース」なるものが出ているのを知った。
すなわちこれは、装着した2.5HDDに無線LAN経由でアクセスできるキットらしいのだ。外付けケースのインターフェース規格は、現在USB2.0のものが極めて一般的である。それがLAN接続なのである(有線LAN、無線LANの両対応)。しかもこの製品が面白いのはアクセスポイント(すなわち無線LANの母機)やクライアント(子機)としても使えるというのだ。(分かりやすい図はASUSのサイトにある。)
[無線LANでのアクセスポイント]
アクセスポイント(母機)とは有線で結ばれているLANに取り付けて、子機との間で無線LANが出来るようにする機械だ。(昔はアクセスポイントというとパソコン通信orインターネット接続のプロバイダの接続先を指していたのだが...)
いわば電波塔である。
私の場合、現住所の六畳一間の自宅では使う必要はほとんどないのだけど、帰省で実家に帰ったときや友人宅でインターネットをする際に絶大な威力を発揮する。たまたま初めて買ったアクセスポイントが携帯可能だったので、それを実家で使ってみて家中からインターネット接続が出来ることに感動、それ以降、重宝しているのだ。
ところが現在使っているアクセスポイントは規格が11Mbpsの「IEEE 802.11b」のみ、すなわち54Mbpsの「IEEE 802.11g」に劣るもので、その違いはセキュリティ上の問題もあるので、いずれ買い換えたいと思っていたのだ。
もっとも、上の製品「WL-HDD 2.5」の一番のウリはアクセスポイントとしてよりも、所謂NAS(ネットワークストレージ、Network Attached Storage)としての使い方らしい。ネットワークストレージはネットワーク上に独立したハードディスクとして使えるもので最近結構いろいろな製品が出ているようなのだ。
法外に高いものばかりではなく、それなりにお手軽なキットとしてもNOVAなどの製品などがあったようだ。
[パソコンショップ「パソコン工房」で注文]
まあそんなこんなで
・11g規格ののアクセスポイントをいずれ欲しいと思っていたこと
・特に私の使い道としては実家でのモバイルノートのバックアップがある。実家に帰ると今まではUSB外付けHDDを時々取り付けてバックアップしていたのだが、これが結構面倒くさい。
・上の二つだけでもこの製品をウリを最大限活用していることになるし、場合によっていろんな使い方も考えられるだろう。
・なんかNASは昨今流行?みたいなので勉強としてもグッド。
という点にすっかり惹かれ、金曜未明にパソコン工房ネット通販に注文。在庫があり、即納品だったので金曜中に発送され、土曜午前中に着いた。素晴らしいなあ!
余談になるがインターネット上の通販ショップって必ずしも受け取るのが早いとは限らない。一般の人と取引することの多いインターネットオークションの方が早く受け取ることが多く、そんなこんなで使う際には慎重になってしまうのだが、パソコン工房では「即納について」のページで明記しているのちょっと期待していたのだが期待通りだった。今後も使わせて貰おう。
[実際に使ってみた!...が、フォーマットが独自!?]
.....が。USBケースとして使えないのは事前調査で知っていたが他のパソコンからHDDに事前に入れていたデータが、そのHDDをWL-HDDに組み込んでもきちんと読めないことに気がつく。特に日本語名のフォルダが文字化けして表示され、その下のサブフォルダがごっそり見えない。
それでネット上を調べて気がついたのだが、結論から言うとどうもHDDのフォーマット方式(すなわちFAT32とかNTFSとか)が独自方式らしく、まずはWL-HDDに取り付けた状態でLANを介してフォーマットせねば共有フォルダとして正常に使えないらしいのだ。(これはどうもこの制御をしているのがWidnowsではなくLINUXらしいことが関係しているのだろう。)
さらにはやってみて分かったが、WL-HDDでフォーマットしたHDDは、他のUSBケースやIDE直繋ぎをすると、異なるフォーマット方式と言うことで「不明なパーティション」として表示されてしまう。ドライブ文字すら割り当てられず。
ネット上で調べると、初期ロットの古いファームウェアではWL-HDDに組み込んでフォーマットしている場合ですら、日本語のファイル名、フォルダ名は駄目だったそうで、それについては現在の最新ファーム(といっても一年以上前だが)の「Japanese Firmware Version , version 1.1.2.8」では大丈夫のようである。が、ロングファイルネームすなわちパスも含めて長い名前のデータについては未だに何かしら制限があるっぽく、コピーなどで失敗してしまう。
というわけで、WL-HDDに組み込んだHDDは他のパソコンとの接続に応用が利かないことが分かったのである。
[で、LAN接続だと当然遅いのだ!]
そうなると、組み込んでHDDにはLAN接続でのみアクセスすることになるが、この製品の詳細なレビューは槻ノ木隆氏の「ASUSTeKの無線NAS「WL-HDD 2.5」を試す」にあるのだが、そこで検証される以前にLAN接続というのはかなり遅い。
一番データ転送が速いのは変換アダプターを介してIDEに直接繋げてしまう方法で、上のサイトの表では「直接接続」というもので実速度で250Mbpsほど、すなわち有線LANの10倍から20倍もある。直接続に繼ぐのは次ぐのはUSB2.0を介する場合であり、その公称速度は480Mbpsだがそれよりずっと遅く、100~200Mbpsくらいではないか。その次に有線LANになるわけでこれが100BASE-Tだとたかだか数十Mbpsなわけである。
だから外付けケースとしてLANをインターフェースとして使うのは甚だ不効率なのだが、それは了解していた。その不効率なのを知った上で「手軽にアクセスできる」というメリットを期待したのだが、それを了解していたのは「いざとなったらケースから取り出して直接続が出来、急ぐことも可能」というのが前提だったのだ。
それが前述のように、このWL-HDD2.5で使うHDDは直繋ぎが出来なくなるのだからタマラナイ。
[どれくらい時間がかかるかというと...]
現在、私が外付けのHDDに入れたいデータは
- 各種データの最新のもの(現行データ)
- 各種データのうちノートパソコンの内蔵HDDには入れておくほどの使用頻度がないもの(使用頻度低データ)
の2つである。後者についてはHDDの容量不足対策は無論のこと、これを分けないとデスクトップパソコンとノートの同期にすごく時間がかかることが判明したからである。
まず後者が7GBほどあるらしい。そこでとりあえずそれだけでも有線LANを通じて入れてみる。.....やっぱり数時間はかかってしまったようである。
実際、計算してみると
全容量=7GB=56Gb=56000Mb
これが10Mbpsで転送されるとすると
56000Mb/10Mbps=5600秒=93分
となるのだが、分散したファイルなどの場合には10Mbpsも怪しいので、これ以上かかると見て良い。
IDE直繋の場合には計算上は
56000Mb/250Mbps=224秒=3.73分
になるが、おおよそ15分~30分だろう。
[うう~、どう使うか...]
オークションで売ることも頭をよぎったが、もし売るとすれば5000~6000円のようだ。しかし考えてみればアクセスポイントとしての使い勝手はそれなりに使えるようだ。それならアクセスポイントを買ったと思えばいい、と考えてしばらくは使ってみる方が良い気がする。
それにあくまでバックアップだからデータを頻繁に出し入れすることはないと思うので、まあ当初の使い方をすれば良いではないか、とも感じてくる。
そう考えた上でデータを入れる作業をしていたのだがやっぱり遅い。
特に問題なのは頻度低データを使いたいときにそれらのデータをすぐに取り出せないことである。それに最初に挙げた「モバイルノートのバックアップがUSB外付けケースでは以外に面倒」という点を考えれば現行データだけのバックアップに使えば良いではないか。
そういえばちょうど10GBのHDDをオークションで買ったところなので、これを「WL-HDD 2.5」で使い、現在の20GBのHDDは別なことに...などと考えていたら良い案を思いつく。
ハードディスクのパーティションをWL-HDDフォーマットとIDE接続(もしくはUSB)接続用の2つにわければ良いではないか!そしてWL-HDDフォーマットには現行データのバックアップデータを、IDE接続用のフォーマットには頻度低データを入れれば良いのだ!
冴えてる~っ、って感じ。(って全然大したことじゃないし、汗)
もっとも現行データのバックアップについて、その転送速度が実用に足るものかはまだ試していない。
まあそんなこんなで結局しばらく使ってみることになりそうだ。
コメント
こんにちは。 いつも楽しく読んでます。
哀 戦 士 です。
うぅ~む。無線通信はまだまだ通信速度に問題がありますね・・・。
私は、無線は切れるから嫌いです。(有線最高!)
便利ってのは認めますけどねw
バックアップはIEEE1394の外付けにとるようにしています。なぜIEEE1394かというとUSBに比べ通信が安定しているからです。IEEE1394の方が通信速度が少し遅いですがUSB2.0に比べ一定速度通信が安定してされるので、便利です。
一度使用してみては?
哀でした。
なので、文章データとか軽いものを置くには便利なのではないでしょうか?
コメント有り難うございます。
IEEE1394の話は非常に参考になりました。もっとも現段階よりも将来的にですが。
というのも現在の愛機モバイルノートにはIEEE1394がついていないからです(涙)。というかUSB2.0もついていないんですが(汗)。
けれども今までIEEE1394については何の価値観も感じていなかったので、今回の話で初めて見直しました。
この記事の後、パソコンショップに行って再びHDDケースを見る機会があったのですがIEEE1394のケースも結構出ているんですね。今までとは違った目で見ることが出来まして嬉しかったです。