以下の記事は前の記事「ハイジの白パン」、さらには「京ぽん4x」の記事と同様に、昼間の高速バスの中から作成、アップしたもの。(ただし翌日に白パンの記事と分離。)
[推敲度 7/10]
[バスの中での7時間]
このバスは京都10:20発、東京17:55着なので、乗車時間がそれなりに長い。
というわけで現在の私の場合には思う存分パソコンをするのである。まあ勿論、バスに乗らなくても毎日パソコンはしているのだけど、やりたいパソコン作業が普段あまりに多く、それらに(無意識的に)優先順位をつけざるを得なくなっている。
その結果、優先度が低い、すなわち結構しょーもない、ささやかな作業は普段はなかなかやれない(ヤル気になれない)のだけど、バスの中とかは「本来は潰れる時間を活用しているんだから、まあいっか」ということで、優先順位の低い作業もヤル気になる(というかするのが許されるような気になる)のである。
[読書と鬱病]
というか、現在の私はパソコンをする時間が作れるからこの昼間の便に乗ると言っても良い。
そのパソコンに相当するのが、6年以上前は読書だった。
中高生以来、私は本さえあれば時間を潰せた人間で、片時も本を手放さなかったし、本さえあればどんな空き時間でも苦痛にならなかった。逆に、本がないまま、することがないという状況は自分にとってとても苦痛であった。
何もしないで、列に並んだり、定食屋で飯が出てくるのを待つというのは耐えられない人間だったのである。意識的に「ぼーっ」とすることが出来ない人間だったのだ。
だがそのような性格(性向)は、うつ病を機会に失なわれた。
うつ状態がひどかった時期はとにかく何もヤル気にならんので(というか意識があると、嫌なことばかり考えるのでそれだけでも苦痛)、帰省は夜間バスにしていた。
家では昼間も寝ていたが流石にバスでは夜の方が寝やすかったのだろう。
[失われたものと出会ったもの]
うつ病が直っても以前のような読書への執着は失われたまま変わらなかった。
だから、昼間にそんな長い時間バスに乗ってもすることがなくて退屈なだけなので、実家との往復ではやっぱり夜行バスを使っていた...気がする。(それに加えて当初は昼間の高速バスがなかったような気もするが。)
それが帰省の際、昼間のバスを使うようになったのは、ゼンリンの電子地図ソフトを知り、それをモバイルパソコンに入れて、景色を見ながら、地図を追いながら昼間のバスに乗るのが楽しくなってからだ。
そのことは半ば忘れてかけていたが、これを書いていて思い出した。
世の中には地図を見るのが好きな人が結構いるようだが、私は決してもともとそうなのではない。だがゼンリン電子地図帳はそんな私ですら見ていてなかなか楽しい。
それがどんなものかは現在、グーグルローカルの形で無料でインターネット上で提供されているので見ていただきたい。スムーズな拡大縮小ができ、最大の縮尺では都市部では家が一軒一軒表示される。
あなたの住んでいる建物も(ある程度都市部なら)出てくるだろう。
これをパソコンに入れていれば、バスからの眺めと地図を比較しながら時間を潰せる気持ちが分かって貰えるんじゃないだろうか。(もっとも地図を見ることにはあまり興味がなかったが、乗り物からの風景を見るのは昔から結構好きだった。)
そんな楽しみが出来たのがこの2年弱ほどなのだ。
また、それだけでなく、その少し前からパソコンに趣味のデータ(ゲーム、DVDなどなど)の様々を丸ごと入れるようになり、パソコンを使っていればそれだけで時間が潰せるようになり始めたことも大きい。これについてはランチャーソフトの記事(こちらやこちら)の記事でも少し触れた。
だがパソコンそのものだけでは出来なかったこと、すなわち家の中でパソコンを使う場合に比べてバスでパソコンを使う場合に欠けていたものがインターネットだった。
それが今回からはバスの中で、パソコンだけでなくネットも楽しめるようになったわけである。
鬱状態ではないにせよ、読書への執着が失われたことによる、あまりに大きい私の心の空白は、ようやく数年して、パソコンがその一部を代替わりしたと言えるような気がする。
昔の私の「本を読むこと」と「モバイルパソコンへの愛着」との関連性に気がついたのは、実は比較的最近だ。
[健康な精神状態の中で]
なにはともあれ、バスからの景色にせよ、パソコンにせよ、音楽にせよ、ゲームにせよ、DVDにせよ、インターネットにせよ、そして「たかが」一個のパンのおいしさにせよ、それらを味わうことに心から喜びと楽しみを感じることが出来る。
それは鬱病、鬱状態の時には決して得られないものだ。
明日も生きようとして、いや、明日も生きることに何の疑問を挟むことなく、今日の一日を過ごすことが出来る。素晴らしいことだ。
私は今の精神状態にとても満足している。
コメント
ココでは初めまして。
ラディカルです。
読んでて
感動しました。
共感できることが多いです。
これからもmixiともども
宜しくお願いいたします。