世に「ランチャーソフト」なるものがある。よく使うソフトウェアなどを分類、登録しておき、それらが素早く起動することが出来るようにしたユーティリティソフトだ。
[その昔、ランチャーソフトを使っていた時代…]
現在のWindowsOSの基本が確立されたたのは早10年前、Windows95というOSであった。それまでコマンドラインがメインであったMS-DOSはWindows95によってGUI(グラフィカルユーザーインターフェース)を備えたOSとして新しい歴史を歩み始め、コマンドラインには馴染めない多くの人々にとって親しみ易いOSになり始めた。
本格的にGUIを備えたWindows95の一つ前、実質的にはMS-DOSなのだが見せかけけだけの「GUI」を備えたWindowsとして「Windows3.1」というOSがあった。Windows3.1のGUIは本当に見せかけだけのものでその仕様もWindows95ほど洗練されていなかった。しかし画面は一応Windowsなので、そのショボイGUIを補うかのようにフリーのランチャーソフトが作られ提供されていた。私も当時何かを使っていた覚えがうっすらある。
けれども最初に書いたような「よく使うソフトウェアなどを分類、登録しておき、素早く起動することが出来る」という機能がWindows標準として備えられるようになったため、私自身はWindows95を導入して以降長らくランチャーソフトに無縁になったのであった。
[私が再びランチャーソフトを使い始めた理由~寵愛モバイルノート]
ワンクリックでいろいろなことが出来るようにしたバッチファイルとそこへのショートカット。バッチファイルには任意のアイコンは割り当てられないようなので、ショートカットを作ってそれにアイコンをつけている(名前も自由に変えられるのでその点も良い)。 上のアイコンはそれぞれ、クリックすればそのコンテンツが実行されるまで何もしなくてよい。 |
それがこの一年ほど再びランチャーソフトを使うようになった。
というのもこの1年ほど「便利なショートカットアイコン」言ってみれば「一発アイコン」をいろいろ作るようになったからだ。
私はモバイルノートパソコンを愛用するようになっている。愛用というのを越えて寵愛していると言って良い。私が使っているのはBIBLO MC/30という、Celeron300MHzの、おそらく多くの人にとっては「ショボイ」スペックの機種だがWindowsXP SP2を入れてデスクトップパソコン並、いやそれ以上に使っているのだ。
私がそこまでモバイルノートにぞっこんなのは、家計簿やら、音楽プレイヤーやら、電子メールやら、ホームページ作りやら、デジカメのアルバムとしてやら、タイマー・目覚ましとしてやら、メモ帳・雑記帳としてやら、地図帳としてやら.....などの比較的実用的な機械として手放せないのも理由にあるが、それと同じくらいの理由として私のお気に入りの映画、アニメ、ゲーム、などのデータが詰まっていて私の趣味の集大成でもあるからなのだ。
映画やゲームは通常DVDやCD-ROMなどの光学メディアが必要だがモバイルノートでは外付けCDROMなのでその不便さを補うべく「仮想ドライブ化」と呼ばれる技術がある。すなわちDVDやCD-ROMのデータをハードディスクに丸ごと置いておく(これを一般に「イメージ」データなどと言う)ことで、それらのメディアなしに使用出来るようにしてしまうのだ。
私自身が仮想ドライブをいつ頃から始めたのかははっきりとした記憶がないが、DVDを入れたいと思ったのは2004年6月からハマり始めた「Gunslinger Girl」だったはずだ。それ以前にもゲームなどの仮想ドライブかは行っていた。
ともあれ、そもそもCDROMの容量が700MBあまり、DVDは片面一層で3~4GBのデータがあるためドライブの仮想化では大きな容量のHDDが必須になるので、そう昔からの話からではない。20GBのハードディスクがつい最近まで「大容量ハードディスク」などと言われていたくらいだから。
そんなこんなでお気に入りの映像作品やゲームを詰め込んでいたら、私の愛機の中身は趣味のもので一杯になってしまった。というよりも、そういうのを詰め込んだことにより「愛機」と呼ぶまでになってしまったのである。(私はデスクトップでは自作パソコンを作っているが手をかけているにも拘わらずそれを「愛機」と呼ぶことはない。)
[各種命令を自動化するバッチファイル]
当初それらのイメージデータ使うときにはイメージデータを仮想ドライブツール(DaemonTools)でマウントさせてDVDプレーヤーなどを起動させていたのだが、バッチファイルを作ればアイコンワンクリックでそれらが出来る方法に(遅まきながら)気がついた。
たとえばあるアイコンを押すと、そのまま待っていればしばらくしてスターウォーズDVDのお気に入りの一シーンが始まり観賞できる、とかワンクリックでしばらくするとCDROMなんか入れなくても三国志Xのゲームが始まる、というようなアイコンを作ることが出来るのである。
[かなり複雑な操作もWSHならば]
WSH(ウィンドウスクリプトホスト)を使うと、かなり複雑な作業でも自動化できる。というのもWSHではキーボード入力を自動に出来るのであるが、Windowsはショートカットキーが充実しているので行いたいショートカットキーの手順をWSHの中で記述すれば良いからだ。 ただしそのように記述した場合、そのスクリプトが動いているときにはキーボードやマウスは使えない。手順が狂ってしまうからだ。 |
それらはまだ非常に簡単な方で、複雑なものになっても「WSH」(Windows Script Host)というスクリプトを使えばさらにいろいろな作業がワンクリックで出来ることをネット上で知った。
たとえばパソコンを持ち運ぶ交通機関の中ではタッチパネルが押しにくくなるのでWindows全体の文字を大きくしたいとする。この場合は「画面のプロパティ」を起動して現在の設定をテーマとして保存、その後で「デザイン」において配色に「Windowsスタンダード」が選択され、「フォントサイズ」には「特大」を選べばいいのだが、WSHではその手順を自動化することが出来る。
あるいはモバイルノートは蓋の開け閉めをするとスタンバイになったり復帰したりするのだけど、私のパソコンはどうもそれが今ひとつで、蓋を開けた状態でスタンバイになっていると閉じた際に逆に復帰したりするのでいまいち使いにくい。
だから蓋を頻繁に開け閉めするときすなわちモバイルとして使うときにはその機能を殺したい。すなわち携帯するときには「電源のオプション」の「詳細設定タブ」の「ポータブルコンピュータを閉じたとき」を「何もしない」にしたいのだがWindowsOSについてその仕組みを知らなくてもそのようなことをワンクリックでしてくれるアイコンをWSHでは作ることが出来る。
加えてそれに加えて携帯状態でバッテリーがどのくらい持つかどうかを計測するためのプログラムが起動し、また電源の残量も見やすいソフトが起動する、なんていうように「携帯モード」というべき設定にすることをワンクリックで出来るようになるのである。
[一発アイコンの為にランチャーを]
スタートボタンを押したときの画面。スタートボタン直下も、その下のプログラムの下も既に各種アプリケーションへのショートカットで一杯だ。 |
ではそれらのアイコンもWindowsの標準であるスタートボタンやさらにその「プログラム」下に登録すれば良いではないかという話になるのであろうが、そこには各種アプリケーションやよく使うフォルダやファイルなどが既に登録されている。Windowsを使う多くの人も恐らくはそういう使い方をしているだろう。
現時点でそこは一杯になっているので前述のような「一発アイコン」を登録する余裕はない。加えて「一発アイコン」は「ソフト+コンテンツ」の内容が多いので、前述のようなプログラムだけのアイコンとは随分性質が違うように思われる。そこで、これらのアイコンを登録・使用するものとしてランチャーソフトの必要性を感じたのだ。
そんなわけで私のランチャーソフト探しが始まった(というのが一年前の話)。
(「いろいろランチャーを探してみたが...」につづく)
最終更新日 2006年2月16日 23時00分
コメント
私が初めてパソコンにさわったのは、Windows 3.1でした。
NECの商品名(愛称)CanBe でした。NECの98シリーズ。懐かしい。
そこに、「ランチャー」というものが付いていました。「何ランチャー」というのだったか、名前は忘れました。
起動するとランチャーの画面が出てくるので、アイコンをクリックして、ソフトを起動していました。
パソコン初心者だったので、そのときは便利でした。
少し慣れてきてからは、今で言う「エクスプローラ」(そのときは何と言っていたか、忘れました)を使うことを覚えて、そのランチャーは使わなくなってしまいました。
>実質的にはMS-DOSなのだが見せかけけだけの「GUI」を備えたWindowsとして
Windows 3.1は、そういうスタンスだったのですね。それで、MS-DOSのマニュアルが付いていたのですね。
今なら、よくわかります。
私はwindows95くらいから触ったことがあります。(今では50台以上自作した気が(笑))
ランチャーソフト・・・私は使ったことがないです。 毎年2回位セットアップしているのでまたランチャーを登録し環境構築がめんどくさいです(笑)
バックアップツールで丸ごとバックアップしてもよかったのですが、やはり、最新のものをしっかりと手順を踏んで入れていきたかったのでやめました。
スクリーンショットみていると、とても便利そうだ・・・少し使ってみようかなぁ。
僕がいじったのは、
MS-DOS3.3aからだなぁ・・・
中にはMS-DOS2.*の一太郎の初期なんか・・・
autoexec.batとconfig.sysをいじりまくったの
を覚えてる・・
そういう時代もあったんだよなぁ・・・
昔が懐かしい・・・