あたかも社会的に公認されているかのようなYouTube。
しかしその実態は違法コンテンツ(著作権者の許可無くアップロードされ、多くの人によって閲覧されるもの)ばかりであり、これだけ広まったのも所詮は普通ならば金を払わねば見れないような映像をタダで見れるからに過ぎないと思う。
これについて多くの人が問題意識がないのは実に嘆かわしいことだ。
・YouTubeに違法投稿された動画、「問題ない」との意見が8割以上
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20343597,00.htm
私が各種の情報交換、意見交換をしているmixi内でも、未だにYoutubeの違法コンテンツを紹介する人々がしばしばいる。
世の中の映像の中には著作権者の許可が無くてもYouTubeなどで頒布されても仕方のないものは確かにあるだろう。たとえばDVD化されていないTVでの映像とかである。それらは普通であれば入手は困難であるから、そういう場所で広められてもやむを得ない部分があるように思う。
しかしメディア化、具体的には昨今であればDVD化されている映像の場合には、YouTubeにそれらが載ることは違法であり、また極めて由々しき問題だと思っている。
私には好きな映像作品が多くある。
アートアニメーションもそうだし、ジャパニメーションでも好きな作品は多い。
薄給の身であるから、そりゃあ私だってタダで見れたら懐具合としては嬉しい。けれども、各映像作品が、本当に、心から好きならば、自然とそれらを作った人達のことに考えが及ばないだろうか?
自分が好きな作品を作ってくれた人達に感謝をしたくならないだろうか?
そして感謝を表すもっとも単純な方法が製作者達にお金を還元することなのは明らかだし、それがまた、より一層素晴らしい作品を作る原動力になるのは言うまでもないだろう。
それなのに上のようなアンケート調査結果が出ているのは、多くの人の想像力の欠如、貧困さを表すような気がしてならない。
「衣食足りて礼節を知る」という。この状況が発展途上国の人々ならばまだ致し方ない面もあろう。だがアジアの中で真っ先に先進国入りし、すでに何十年も立つこの国で、多くの人々の意識が上の程度であるというのは、なんと嘆かわしいことであろうか。
日本は「文化国家」という点では三流国家だという話がある。国民の中には国が文化に金をかけないことなどを責める人もいるかもしれないが、本当に恥ずべきなのは国(行政)の問題云々ではない。上に書いたようなことを想像できないことこそが、日本国民の文化に対する意識の低さを表すものであり、他国から軽蔑されてしかるべきものであろう。
まあともあれYouTubeの問題は日本だけに限らないわけで、結局資本主義経済の中では「タダ」という魅力の元で、モラルは育たないということなのであろうか?
[主張] 大好きな作品があるあなたへ~Youtube、P2P、違法コピーの問題性
https://blog.stakasaki.net/article/200611article_10.html
●関係リンク集
・「YouTube違法動画、削除だけでなく共存を」――ライブドア調査
・YouTube幹部とJASRACなど23団体が協議、違法投稿について議論
・YouTubeの合法性を改めて考える
・狭まるYouTube包囲網–著作権侵害訴訟が相次ぐ
http://japan.cnet.com/news/media/story/0,2000056023,20348311,00.htm?ref=rss