このたび4年ぶり3回目のAliexpress利用をした。今回、注文後14日後に配送予定のはずが、発送連絡、追跡番号発行がこちらの催促をした上で3度行われ、結局商品受領が注文後26日後になった。本件について記録がてら記事を書くことにする(他人にも参考になるかは分からない)。
[推敲度 3/10]

■AliExpressでの販売者の評判
AliExpressことアリエクは中国アリババグループの通信販売サービスであり、Amazonと比較される。しかしながら中国の販売者が多いサービスということで、日本に比べるとサービス意識が日本ほどは高くない販売者が多いとされる。たとえば日本の通販販売者は注文を受けたら、可能な限り速やかに発送することが期待され、実際にそのような行動を取ってくれることが多いが、中国の販売者は「期限までに発送すれば良い」という考え方で動くことが多いとされる。今回の自分の注文もまさしくそれに該当すると思われる結果となった。
無論、AliExpressはあくまで通販システムのサービスで、販売者の集合体であるから、販売者のサービスの質はいろいろであり、日本並みのサービス精神の販売者の方もいるだろう。だから本記事で紹介したような事例が「必ず」起こるわけではない。
また、今回は詐欺ではないが、詐欺のような事例も少なからず発生しているようだ。ただ、AliExpressというシステムはこのような質の高くない販売者が多いからこそ、購入者を保護するような各種措置が取られており、たとえば購入者が「受領した」という手続きをしないと販売者には代金が支払われないようになっている、一定期間発送が行われないと注文がキャンセルになる、などの措置が行われているという。
よって中国の販売者から買いたいならば、AliExpressのシステムを使うことはまだマシ、とも言えるだろう。
■今回のAliExpressの注文と配達までの経緯
注文品は4万円弱の中華タフネススマートフォンである(技適あり)。認定ブランドメーカーだった。

注文の8日後に発送連絡があった。しかしこれはアリエクのサイトで表示されたもので、別システム(Cainiao=菜鳥網路=ツァイニャオ)ではAwaiting seller dispatchと表示され、実際には発送していないことが推測された。


その後、状況が変わらないので注文後14日後にその旨を販売者に問い合わせたところ、
「物流を促す。台風で遅れている。」
と返事が(中国語で)あった。

16日後に再度、発送したとの連絡で2回目の追跡番号が発行された。8日目に発送しているはずなのに、2回目の発送はどういうことだと問い合わせたところ、その返事で
「商品は品切れだ。来週月曜※には発送する」(※注文後20日目)
との返事が(中国語で)あった(orz脱力)。

注文後20日目、予告?通り三度目の発送連絡があり、三度目の追跡番号が発行された。
注文後22日目の朝まではCainiaoにてAwaiting seller dispatchだったが、注文後22日目朝に状況が進展、あっという間に22日目夜までに出発空港付近に到着、24日目出国、25日目に日本に到着、26日目に受け取った。

■今回の経験からAliExpressを使う上で学んだこと
・アリエクで注文した商品、荷物を追跡する手段は
(1)アリエクの通販サイトのアカウントのページ
(2)Cainiao(ツァイニャオ)というアリババグループの流通システムのサイト
(3)17trackなどの追跡サイト
がある。
・(1)で追跡番号が書かれているのでそれを使用して2,3で調べるが追跡番号はいきなり変わることがある。あるいは1回目の発送連絡、追跡番号がしれっと上書きされることがある。
そのようなためにも追跡状態の表示は進展があるごとにキャプチャーを録っておくべきである。後にトラブルにまで発展した際に証拠にもなる。
・アリエクの通販サイト(1)で「発送しました」と出ていても、実際には運送会社に渡されていない、販売者が発送したと登録しただけのことがある。安心は出来ない。
・Cainiao(菜鳥網絡、チャイニャオ)(2)はアリババグループの流通システムで、直接的な運送業者ではない。販売者がCainiaoに登録すると配送地域などは登録されるので、追跡検索すると表示はされるが「Awaiting seller dispatch」と表示される場合は運送会社が荷物を受け取っていない、すなわち事実上発送していない可能性がある。
・17trackなどの追跡サイトでは運送会社のデータも含めて検索するため、そこに出てくれば運送会社・配送会社に渡されたと判断できる(らしい)。
・ネット上の情報もしくはAIチャットによれば、中国の販売者は日本の販売者に比べてサービス精神が高くない。すなわち日本の販売者は注文を受けたら速やかに発送手続きをすることが期待され、また実際そうしてくれることが多い。しかし中国の販売者は期限までに送れば良いという考え方をしがちだという。実際に運送会社に渡していなくても発送したという手続きを取り、猶予を引き伸ばすことがある。
・上記に書いたように今回の自分の場合、注文後8日目に発送した連絡(1回目)があったが、注文後16日目に2回目の発送連絡、そして注文後20日目に3回目の発送連絡があった。実際に他のシステムも含めて運送会社に渡されたと確認できたのは22日目であり、1回目と2回目の発送連絡は嘘だったことになる。
クレームのやり取りでも販売者は運送会社が品物を紛失したとは述べていないため、発送はしたが紛失したということは今回の場合は恐らく無いのだろう。
AIに聞くと今回のような「発送したと連絡は来るが実際には発送していない」というのは中国の販売者がしばしばするもので、在庫がないなどの場合の時間稼ぎで行うようだ。
■そもそも日本の通販サイトを使いたかったのだが!
今回、Aliexpressを使ったのは、積極的に使いたかったわけではない。今まで見聞きしたイメージから今回のような「トラブル」は予想され、だから出来ることなら日本の通販サイトを使いたかった。(以前に使った2回はもともと配達予定が数ヶ月後先で気長に待っていた。)
だが今回の商品は日本の通販サイトで日本に在庫があると思われる商品が見つからなかった。日本の通販サイトで売っているものはあったが、納期、配達予定日が数週間~1ヶ月以上先になっていて、中国からの出荷だと思われた。それはその販売者が代理店か、場合によっては転売者(転売ヤー)であることを意味する。
代理店や転売ヤーの場合、注文の確実性に乏しい。それくらいならば、中国の通販サイトの信頼性の高い販売者(セラー)の方がまだマシのように思われた。
特に今回選んだセラーはメーカーの販売ストアを公言しており、認証も受けていた。
自分はもともと、スマートフォンなどのこの手の機器は、欲しいと思ったらすぐ入手したい方で、以下のような優先順位で利用することにしている。
- 対面販売での購入
- Amazonなどで翌日もしくは翌々日の配達が確実なところで購入
- メーカー公式販売サイト
- 以上で買えない場合に他の日本の通販サイト
- 以上で買えない場合に外国の通販サイト
上位の方が値段が高くても、そちらを選ぶ傾向にある。
たとえば1については、今年3月に購入した高望遠コンデジPanasonicデジカメ LUMIX DC-TZ99は販売一ヶ月で品薄で大手量販店などに無かった。Amazonでも3-4日かかりそうだったので、夜勤明けだったにも関わらず、隣県に1時間かけて買いに行った。
今回の品は中華スマホだが、中華スマホについては以前に2回、購入歴があったが、それらはAmazonのメーカー公式サイトで購入した。その結果、通販ではあるものの
・中華スマホ某A Amazon日本 メーカー公式サイト
10/13 8頃注文
10/14 11頃入手済
・中華スマホ某B Amazon日本 メーカー公式サイト
2/21 20時前 注文
2/22 18時頃 宅配ボックス着
という素晴らしい速度で入手している。これらや今回の機種を含め、スマートフォン全20機種(16年間)を通販で買ったのは恐らく5機種、それ以外のスマートフォン15機種は対面販売で購入している。通販で買った機種のうち今回の機種を除く4機種はいずれもアマゾン日本であった。
以上のように自分は本来はスマートホンなどの商品は対面販売での購入を希望しているのであり、外国の通販サイトを利用するというのは出来るだけ避けていた手段なのであった。そしてそのような方針が人生の正しい生き方であったことを痛感したのが今回の出来事となった。
■AIによる取引の支援アドバイス
自分は昨今のAIブームに懐疑的で、AI能力にも強い不信を持っている。日頃AIチャットボット(ChatGPT、Grok)をよく使うようになったが、その能力にも疑いを持っており、日々罵倒している。そのことは別な記事で書くが、今回のアリエクとの取引でもアドバイスを受けたが、その際には非常にアドバイスが役だった(気がする)。
すなわち自分の取引の情報を刻々と報告し、ChatGPTはアリエクとの取引の一般論を述べ、対応方法のアドバイスをしてくれ、販売者に送るメッセージまで英語もしくは中国語で作ってくれた。
AIチャットの問題性は間違いを平気で述べる、嘘をつくことだが、今回のアリエクとの取引で客観的に間違いの部分があったかはアリエクの取引に不慣れな自分は分からない。しかし、なかなか進まない取引がアリエクのアドバイスによる販売者の連絡で促されたように思われたこと、最終的な販売者での行動がアリエクのアドバイスに沿ったものであったことは確かだ。
自分はやはり日本人だからであろうか、販売者にクレームを言うことはどことなく憚られる感じがあったり、そんなことをしなくても販売者は誠実に最大限の努力をしてくれているのではないか、と思いたいところがあった。しかしChatGPTのアドバイスは
「ガンガン問いかけをした方が良い。日本の業者とはモラルが違う。問いかけをすることで、発送業者の行動を促すきっかけになる。またそのようなやりとりは本格的なトラブルに発展した際に、AliExpressシステムで保護、保証の対象になりやすくなる」
という雰囲気で、クレームをすることを強くプッシュしてきた。自分は
「そうはいうてもなー、それに遅くなっても届かないよりはいいし、他の販売者の選択は考えにくいし」
という感じで、販売者にメッセージを送ったのは2回のみだった。
やむなくAliExpressを利用する人、それに不安を感じている人はAIチャットボット(ChatGPT、Grok)の利用を勧めたい。
■終わりに
本ブログ記事では、AliExpressへの注文で発生した若干?のトラブル(発送遅れ)について記述した。AIによればこのような程度のトラブルは中国の販売者では珍しくない、日常茶飯事のようだ。まあ私もだから日頃はAliExpressを使うことなどは避けていたわけであるが、上記のように今回はやむなく使うことになり、一日千秋の思いで待つ品で、1ヶ月近く心を煩わされることとなった。
今回の件で改めて思うのは、日本のインターネット通販で商売をしている販売者の方々は素晴らしいモラルを持っているということだ。私は恐らくすでに数百回以上、インターネット通販を利用している(勿論ほとんどが日本の通販サイト)が、幸運もあるだろうが、ほとんどまともにトラブルに遭った記憶が無い。流石に全く皆無ではないが、近年はとくにトラブル遭遇の覚えがない。
ちなみに昔(20年くらい前か)、ヤフーオークションを多用していたときがあるが、その時にはやはりトラブルは起こりやすかったように思われるが、それでも事前にこまめに質問したり、出品条件を精査するなどして、トラブルはそれほど頻発していたように思われない。当時、まだAmazonの即日発送、配達が未整備だった中で、ヤフーオークションでの購入品を落札後24時間以内に受領し、ネット通販よりも素早い対応に感激した思い出もある。
今回の記事では中国の販売者のモラルに疑問を呈する内容になっているが、近年では日本の通販サイトでも中国人などの外国人が販売者と思われる例が多くあり、自分は抵抗なくそういう販売者を多く利用してきたが、日本の通販サイトでは日本人に劣る対応をされた経験は特に無い。(勿論、購入者レビューなどでリスクが高そうな販売者は避けているが。)恐らく今回でのAliExpressでのような態度を取れば、日本の通販サイトではクレーム殺到で、袋叩きに遭うであろうから、それらの経験と風聞(日本の消費者は厳しい)を経て外国人の販売者の方も商売モラルを日本販売者並に上げているのだろう。
日本の通販の質の高さは、販売者のモラルだけでは無く、充実した流通業にも当然支えられており、流通業で人手不足などの問題が起こっているのは周知の通りだ。それらに関わる人々に感謝しつつ、今後も日本の通販が今までのような質の高さを維持することを望むのであった。