(「イーモバイルとウィルコムの両刀使い」からの続き)
さて実はイーモバイルの前にウィルコムに関して私にはこの1年以上、懸案事項がある。それは「京ぽん2」ことウィルコム端末「WX310K」の「真の」後継機種が欲しいのに、なかなか出てくれないということだ。
最近は戸外でのインターネット接続は
私もイーモバイルを利用することが主流になったけれども、
それでもイーモバイルの電波が届かない地下鉄、地下街、地域では
ウィルコム端末が欠かせない。特にWX310Kを使っていると、
満員電車の中では端末だけのネットサーフィンをし、
モバイルパソコンを広げる余裕があるときは
Bluetooth経由でのモデム利用、という風に
1台で兼用し、お値段も1台だけの値段なのがイイ!
しかも私は携帯電話を持っていないのでその役割も兼ねているのだ。
[私が京ぽん2ことWX310Kを重宝する理由(ワケ)]
WX310Kは京セラ製のPHS音声端末であるが私がこれを重宝しているのは2つの理由がある。
- ウィルコム端末で唯一Bluetooth経由によるモデムとしてのダイヤルヤルアップ接続を正式にサポートしている機種であり、すなわちパソコンをインターネットに繋げるのにWX310Kをモデムとして利用し、かつパソコンとWX310Kの間の接続方法としてBluetoothによるワイヤレスで行うことが出来る。
(ちなみにBluetoothに関する基礎知識は拙ブログ記事「Bluetoothとは?」を参照のこと)
- USB接続も可能で、それによって充電も可能。しかもUSBのminiBタイプという非常に汎用的なコネクタになっており、一つのケーブルで充電とデータ通信を兼ねることが可能(しかも同時に出来る)
上の2点の内、特に1番目についてはウィルコムでは何故かBluetooth機能のついた端末が極めて少なく、そもそもスマートフォン「Willcom 03」が先日登場するまでは京ぽん2ことWX310Kが唯一のBluetooth搭載ウィルコム端末だった。
ウィルコムは他のキャリアと比べるとどうしても端末のラインナップは少ないのだけど、それでもBluetooth搭載機種がこれだけ少ないというのは少々「異常」にすら感じる。
[WX310K以後も京セラ製PHS端末は出ているのだが...Bluetoothが!]
京セラから出しているウィルコムPHS端末が「京ぽん」(その由来はリンク先を参照)と呼ばれるようになったわけだが、WX310K以後も京セラからはいくつもウィルコム端末が出ていて
WX320K、WX320KR、WX330K、HONEY BEE(WX331K)
とかになるのだが、Bluetooth搭載の機種は1度も出ていないのだ。またWX310Kにあるミュージックプレーヤー機能を受け継いでいる機種も出ていない。
「京ぽん」という愛称はユーザが命名したものであり、そのためもあってその後継機種「京ぽん2」にどの機種が該当するかも必ずしも絶対的なものではなかったのだが、現在ではWX310Kが「京ぽん2」として認識されるようになっているようである。
一方でBluetoothにせよ、ミュージックプレーヤーにせよ、WX310Kの特徴となる機能を受け継ぎ、それを発展させた形の後継機種が未だに出ていないために、どの機種も「京ぽん3」だとは認識されていないらしい。
[昨年までの京セラの開発スケジュールは変更?]
まあそんなわけでは私はWX310Kの性能をきちんと受け継ぐ後継機種を「真の後継機種」と呼び、期待してきたのだが、この開発が今年秋を目指してされていたという情報が昨年にはあった。
・京セラが今後のウィルコム向け端末&基地局のロードマップを公開!
http://memn0ck.com/blog/2007/09/willcomkyocera.html
この図は少し読み方が分かりにくいのだが、FY09というのが2008年度のことを表しており、Q3は第三四半期を表すとのこと。これを見ると分かるように2008年度(2008年ではない)の第三四半期すなわち具体的には10~12月にハイエンド機種「U09」がリリースされる計画、だったわけである。ところが先日発表された
・ウィルコム、2008年冬モデル3+1機種を発表~WILLCOM 03新色、スライド、防水、カメラ付き「HONEY BEE」など
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0810/28/news056.html
の中には結局、該当製品は無く、ウィルコムのコメントから窺うに今年のリリースはこれが最後のようで、どうやらWX310Kの「真の後継機種」に相当するハイエンド機種は先延ばしにされてしまったらしい。
この話題についてはmixiのWX310Kのトピ「真の後継機種に期待するトピ」で話されているのだが、少なくともそこでは「真の後継機種」を望む声は強いし、各種のブログや検索ページ
・京ぽんG
http://mkgblog.seesaa.net/category/988772-1.html
・なおっきのぶろぐ
http://naokki.com/cgi-bin/mt3/mt-search.cgi?IncludeBlogs=1&search=%E4%BA%AC%E3%81%BD%E3%82%933
・「京ぽん3」検索結果
などを見ても、すでに2006年の時から京ぽん3を期待する声は多かったことが分かる。
前述したように「京ぽん2」がWX310Kを指すという認識で固まっている中で、誰もが「京ぽん3」だと認める機種が出ていないことも多くの皆が期待する京ぽんが出ていない、ということを示していると思う。
それどころか前述のように「京ぽん3」だと決めるのはユーザの勝手な見解なので、「自分が買った京セラ端末こそが京ぽん3だ!」と思いこむイタイ輩だって結構出そうなものなのだが、そういう人々もあまりいない。(無論いることはいる。ちなみにイタイというのは無論冗談。)
こんなところも、京ぽん2(WX310K)の真の後継を望んでいる人々が多いこと、すなわちいままでの京セラ端末「WX320K」「WX320KR」「WX330K」「HONEY BEE(WX331K)」の性能では満足していない人が多いことを示していると感じる。
京ぽん2ことWX310Kが発売が2005年11月。私が買ったのが2006年2月。
私のところではその時からパソコンは3代も変わってしまったが
京ぽん2は常にモバイルインターネットのお供として活躍し続けている。
写真は購入当時に使っていた改造BIBLO MC/30。
Bluetoothを常用しているが、データ転送用・充電用として
当時も今もUSBケーブルは必携だ。
[では京ぽん3で期待される高機能とは?まずはお財布ケータイだ!]
無論私は第一にBluetooth搭載を望んでいるわけだし、逆に私はブルーテュースさえついていればハイエンドでなくて良いと思っているのだが、まあここまで京セラさんが「Bluetoothはハイエンド機種にしかつけん!」と思っているのなら、Bluetooth以外の機能にも期待したいところではある。
それらの機能が何かを考えた場合、上のmixiコミュでの情報によれば今年の前半に以下のようなニュースがあったようで
・ウィルコムとビットワレット~ウィルコムのFeliCa対応PHS電話機において、電子マネー“Edy”のサービスを提供することで合意
http://plusd.itmedia.co.jp/mobile/articles/0805/26/news081.html
すなわち「お財布ケータイ」ならぬ「お財布ピッチ」が2009年1~3月に出るのが濃厚なようなのだ。そして最近ではWX310Kの真の後継機種はそれを搭載したラインナップの一つとして出ると期待され始めているようだ。
[高速化W-OAM type G対応の音声端末はまだ存在しない]
また別な方面では、JATE 財団法人電気通信端末機器審査協会から漏れてくる情報によると京セラから「W-OAM type G」対応の音声端末が出る可能性もあるという。
・技適証明・工事設計認証にて「W65K」「930SC」「931SC」「730SC」などが通過!ウィルコム向けtypeG対応機種も
http://memn0ck.com/blog/2008/07/w65k930sc931sc730sctelectuv.html
・技術基準適合証明等の公示が更新。黒耳と思われる端末や京セラのtypeG端末他が通過
http://blog.willcomnews.com/?eid=851265
W-OAMは高速化PHS規格のサービス名称で、その最上位が「TypeG」である。現在はデータ通信カードでしか対応端末が出ていないのだが、音声端末でも対応機種が出る可能性を表しているそうなのだ。
さてウィルコムの音声端末一覧を見ると分かるように、WX310Kの基本性能についてはその後のミドルエンドの機種が追いつくようになっている一方で、各種スマートフォンや新しいタイプの端末(Willcom D4)の登場により、以前のハイエンドの機能はそれらに包含されるようになってきた部分がある。
WX310K以降に初めてBluetooth搭載になったのがスマートフォンWILLCOM 03であったことなどはその象徴といえるだろうし、鳴り物入りでWX310Kに搭載されたミュージックプレーヤであるが、MP3などの再生はその後、スマートフォンのWindowsMobile標準プレーヤーである「Windows Media Player 10 Mobile」でフォローされるようになっているのが現状だ。そのような中でどういう機能があればハイエンド端末と呼べるのかと考えたとき、「お財布ケータイ機能」や「W-OAM TypeG対応」はハイエンド端末と呼ぶに相応しい機能だと言えるのではないだろうか?
・robo的U09 W-OAM tyoeG 待望論
http://blog.livedoor.jp/robo55willcom/archives/50980752.html
これら2つの機能は今年の段階では技術的、手続き的に困難だった可能性が高く、それゆえに今年は見送られた、ということで、来年初頭に出る機種にはこれら2つが搭載されることを私としては強く期待したい。
特にBluetoothをパソコンのダイアルアップ接続で使っている人も多いと思われ、「W-OAM Type G」への対応はパソコンのモバイルネット接続の高速化のためにはぴったりの機能である。
[加えてワンセグ、ミュージックプレーヤがあれば完璧か!?]
上の「おサイフケータイ(おサイフピッチ)」「W-OAM type G」に加えて、ハイエンド機種と呼ぶに相応しい機能は「ワンセグ機能」であろう。携帯端末の中にはワンセグが搭載されているものが多くなっているのに対して、ウィルコム端末ではワンセグ対応したのは「Willcom 03」しか出ていない。しかもこれはスマートフォンなのだ。
そしてそもそもWX310Kにはついていたメディアプレーヤー機能を期待している人も多いだろう。携帯電話とポータブル音楽プレーヤは別々に持つのが一般的だったが、それらを兼ねる人が徐々に増え始めているのが現状のようだ。(京ぽん2はその嚆矢とも言うべき製品だったと言える。)
すなわち私としてはこれだけ待たされたのだから
- Bluetooth搭載
- W-OAM type G対応
- おサイフケータイ(お財布ピッチ)機能
- ワンセグ
- ミュージックプレーヤー機能
(昨今の携帯端末状況ではこれに「GPS」も期待されるのかもしれないが、個人的にはGPSはGPSロガーの方が使い勝手が良さそうなので、ピッチ音声端末にはいらないのだ。あくまで個人的にだが。)
工人舎のモバイルノートはSA1FとSH6を
それぞれ3~4ヶ月ほど使っていた時期があった。
Bluetoothがついていたので勿論ネット接続は京ぽん2。
パソコンがどんなに変わってもBluetooth搭載さえしていれば
ほとんど使い勝手が変わることなく
ダイヤルアップ接続が出来るのは本当に便利なものだ。
[次世代PHS規格WillcomCoreの足音]
さてモバイルインターネットの近い将来のトピックとして「WiMAX」が話題になっているが、同じ周波数帯を使う規格としてウィルコムの次世代PHSが認められたことは「モバイルインターネット」に興味を持つ人なら知っている方々も多いだろう。
そしてその新規格は「WILLCOM CORE」と命名された。
その本格運用が2009年秋で、試験運用が2009年春だという。すなわち来年になるともうWILLCOM COREの足音が聞こえてきそうなわけだが、恐らく最初のWILLCOM CORE端末はデータ通信専用カードだと思われる。
というのもイーモバイルが最初の1年は音声サービスを提供していなかったように、音声サービスではWILLCOM COREなどを含む高速通信独自の性能を生かすことは難しいように思われ、だから最初のWILLCOM CORE対応端末も音声端末として登場することは考えにくい。
少なくとも試験運用の段階でWILLCOM CORE対応音声端末が出ることは望み薄であろう。WILLCOM CORE対応の音声端末は最速でサービス本格運用の2009年秋、無難なところでは2010年以降になってしまうのではあるまいか。
言うまでもなくWILLCOM CORE対応の端末は「ハイエンド端末」と言えるであろうが、現在のPHS規格の範囲ですら「ハイエンド端末」が長らく出ていないという状況の中で、まずは現在規格でのハイエンド端末をしっかり出すべきであり、それはWILLCOM CORE対応音声端末が出る頃であろう2010年前半の1年前である2009年初旬に出すことは全く以て時期的にも相応しいに違いない。
・ウィルコムはハイエンド端末を販売できるのか
http://midoriuka.14.dtiblog.com/blog-entry-94.html
ウィルコムひいてはウィルコム端末に特に力を入れている京セラさんに強く期待したいところだ。
[Bluetooth搭載端末到来の足音を聞くサイト]
PHSを含む携帯端末の登場を一足先に掴むための情報としてJATE「財団法人電気通信端末機器審査協会」の存在を知る人が増えてきているが、実はBluetooth端末についても似たようなサイトが存在する。
・Bluetooth.org Qualified Listings
http://www.bluetooth.org/tpg/listings.cfm
携帯・PHS端末に限らず、Bluetooth搭載製品の情報を上記のサイトでは掴めるようなのだ。
実際、京ぽん2ことWX310Kの時には正式発表の2005年9月27日の2ヶ月前の段階2005年7月27日でBluetooth.orgの認証を受けている(こちら)。
すなわち上記サイトで「Kyocera」で検索すると、正式発表の一足先に京セラ製のBkluetooth搭載端末を予見できる。これによれば2008/10/31現在、残念ながら京ぽん3らしき端末の承認は公表されていない。
先日のウィルコム端末の発表の様子を踏まえても、京ぽん3は残念ながら来年になることはほぼ確実であろう。私は今年の最初から、今年にウィルコム音声端末を買い換えることを覚悟or期待していたのだけれどもどうやら来年になりそうだ。
(「イーモバイル端末でBluetooth接続でモデム使用と音楽再生」につづく)